NO MORE HEROES:TRAVIS STRIKES AGAIN(ノーモア ヒーローズ トラヴィス ストライクス アゲイン)公式サイト
Nintendo Switch|ダウンロード購入|Travis Strikes Again: No More Heroes
『Travis Strikes Again: No More Heroes』のレビュー行くぜ!
メーカー:グラスホッパー・マニファクチュア
機種:Switch
ジャンル:アクション
発売日:2019/01/18
価格(税別):2980円(ダウンロード版) 3980円(シーズンパス付パッケージ版)
ゲームクリエイター須田剛一の代表作の一つである
『NO MORE HEROES』シリーズの最新作。
6つのゲームの世界を巡っていくアクションゲームだ。
新しい世界に辿り着くたびに、
各ゲームの主人公たちがそれぞれ異なる画面表現と共に立ちはだかる。
かつて全米殺し屋ランキングを制した主人公のトラビス・タッチダウンを操作し、
相棒のビーム・カタナで敵をすべて一刀両断にせよ!
『NO MORE HEROES』は好きだったので、
ナンバリングではない番外編のつもりで買ったんだが、
実際やってみたらスーパー須田剛一大戦だった。
むしろ『NO MORE HEROES』以外のネタの方が多いじゃねーか!
キレッキレの演出やテキスト、BGM最高だったが、
アクションゲームとしては粗もかなり目立つ……という、
須田剛一のアクションゲームによくあるヤツだったな!
自己紹介をしながら使われているゲームエンジンを紹介する主人公。
ストーリーは殺し屋家業に疲れて山奥でひっそりと過ごしていたトラヴィスの元に、
1作目の終盤に出てきたやべー女ボスであるバッドガールの父親、
バッドマンが復讐にやってくるところから始まる。
死闘を繰り広げる2人は近くにあった幻のゲーム機
「デスドライブMk-II」の世界に入り込んでしまい、
そこで6つのゲームソフトをクリアすれば願いが叶うことを知る。
バッドガールを生き返らせるためにゲームの世界で共闘することになる2人だったが、
その裏には壮大な陰謀と計画、
そして『ノーモアヒーローズ3』を出したい制作側の意気込みが待ち構えていた!
……というストーリーになっている。
しかし改めて見てもやべーなバッドガール!
かつての全米殺し屋ランキング2位で、
バットで死刑囚を殴り殺すのが日課の23歳コスプレマニアである。
有料の追加コンテンツで使用可能になるのが予告されているぞ。
ゲームは見下ろし視点で進む3Dのアクションゲームで、
出の速い通常攻撃と強力なヘビーアタックを使い分けて敵を蹴散らしていく。
時間経過で使用可能になる強力なスキルを4つまでセット可能で、
広範囲攻撃から設置型の爆弾、回復まで様々。
3Dアクションとしてはオーソドックスなシステムだな。
トラヴィスのビーム・カタナは充電式なので
定期的にコントローラーをシコシコ振って充電しないといけないぞ!
過去のシリーズだと結構しっかり振らないといけなかったが、
今回は軽く振るだけで充電が満タンになる。
ステージによっては横スクロールのジャンプアクションみたいな視点になったり、
パズルっぽい謎解きが出てきたりも。
回復ポイントがラーメン屋だったり、セーブポイントがトイレだったりするのも特徴。
新しいラーメンを食べるとトラヴィスが書いているラーメンブログが更新され、
むちゃくちゃなレビューを読むことが出来る要素もある。
レースゲームやアドベンチャーゲームといった様々なゲームの世界を巡る構成なので、
新しいステージに突入する度にゲームの雰囲気がガラッと変わるのが面白いところ。
すべてのゲームに専用のタイトル画面と
オープニングムービーまで用意されている凝りっぷりなので、
次はどんなゲームなんだ?!というワクワクが止まらない作りだ。
『COFFEE & DOUGHNUTS』のPS1・SS時代っぽい画質のムービーや、
『LIFE IS DESTROY』のチープな実写ムービーは大笑いした。それっぽすぎる!
画面構成が4:3なのもこだわりだ。
ゲーム雑誌の記事なんかも読めてしまう。これまた細かい作り……!
各ステージのボスキャラはすべて『そのゲームの主人公』なので、
ステージを攻略していく中でキャラがしっかり立っていくし、
殺し屋であるトラヴィスとの肩の抜けたメタネタ満載の、
それでいて歩んできた人生の重みを感じるやり取りにシビれっぱなし。
『ノーモアヒーローズ2』はここら辺が薄かったので満足度高かったぜ。
トラヴィスのゲームオタクならではの諸々のコメントもニヤニヤしっぱなし。
ステージの合間にはアドベンチャーパートも挿入され、
トラヴィスがゲームソフトを手に入れるまでの経緯が語られる。
テキストを読むだけだが、クラシックなPCゲームスタイルになっていて、
メタネタやふざけたキャラが満載のノリが笑える。
俺のお気に入りはTシャツのセンスが最高な秘書さんです!
過去の須田剛一作品からも様々なキャラがゲスト出演していて、
『シルバー事件』のウエハラカムイが出てくるのは事前に知っていたが、
まさかあいつまで出てくるとは……。
『NO MORE HEROES』の1と2をやってなくてもなんとなく話は分かるけど
『シャドウオブザダムド』をやってないと置いてけぼりになる構成すごいな!
っていうか、『NO MORE HEROES』の1と2をプレイ済みでも
「えっ、何その話?!」ってなる箇所あるから細かいことは気にしない方がいいのだ。
そんな楽しいノリではあるんだが、アクションゲームとしては粗が目立つ。
新しいスキルをどんどん手に入れてキャラを強化して、
鬱陶しいザコやボスの攻略を見つける楽しさはしっかりあるんだけど、
ザコ敵の構成が単調なので遊んでいるとちょっとダレてくる。
触れたら即死の敵に追われながらスイッチを切り替えて道を作るステージとか、
画面がほとんど見えない状態で強い敵が出てくる狭い道を長々と進むステージとか、
それ本当に面白いと思ってる?!って言いたくなる箇所が少なくないのが辛いところ。
連続攻撃してくるザコに延々とハメられるのがしんどい。
でもこういうの、須田剛一は分かってて入れてそうなのが厄介なところだな!
クリアするだけなら8時間前後。
凝りに凝った演出の凝り方や、
山のように散りばめられた小ネタが分かるゲーム好きと、
須田剛一の過去作のファンだけついてこいという作りだ。
セリフ回しと演出のぶっ飛びっぷりが凄くて値段分以上に堪能できたが、
アクションゲームとしてはしんどいところもあるし、
ストーリーも色々とぶん投げてるしでオススメはし辛いぜ……!
過去作遊んでいなくても刺さる人には刺さる内容なので、
このノリにピンと来たら挑戦してもらいたい!