No More Heroes 2: Desperate Struggle ダウンロード版
No More Heroes 2: Desperate Struggle on Steam
『ノーモア☆ヒーローズ2 デスパレート・ストラグル』のレビュー行くぜ!
パブリッシャー:マーベラス/ XSEED Games
機種:Switch/PC
ジャンル:アクション
発売日:2020/10/28
価格(税込):2150円
備考:Z指定
パッケージ版は『ノーモアヒーローズ3』の初回限定版のみ
2010年にWiiで発売されたタイトルのHDリマスター版だ。
1作目である『No More Heroes(ノーモアヒーローズ)』と同じく、
当時はD指定で規制されていた表現がZ指定でバッチリ復活している。
国内での無修正版は今回が初となるぞ。
今鮮やかに蘇る、仁義なき殺し屋大バトル!『No More Heroes』レビュー!【Switch/PC】 - 絶対SIMPLE主義
前作レビューはこちら。
ストーリーは前作から3年後。
すっかりおっさんになったオタクの殺し屋トラヴィスが
殺し屋ランキング51位であるスケルター・ヘルターの挑戦を受けるところから始まる。
彼は前作のオープニングムービーで一瞬で倒されて、
大半のプレイヤーがよく知らない殺し屋の弟で、
復讐のためにトラヴィスに襲い掛かる。
これをチュートリアルで撃退したトラヴィスだったが、
謎の人物によってトラヴィスの親友が殺害され、新たな戦いが幕を開ける。
と、立ち上がりから結構重めな復讐譚となっているぞ。
トンガリ頭で背中に大剣背負ったスケルター・ヘルター、
元ネタの人がリメイク版出たりで未だにバリバリ現役だな……。
まず前作のエンディングがぶっ飛び過ぎてて
「あの後どうなったんだよ!?」ってなるんだが、
そこら辺をこのノリですっ飛ばすのが「らしい」な。
いや何があったんだよ!
今回は殺し屋ランキング51位からスタートする構成だが、
前作からボスの数は増加、ザコ戦は短くなったため、
次々にボス戦が繰り広げられるテンポの良い作りだ。
ただ、その分1人1人のボスの印象は薄くなったので良し悪しあるね。
前作はトラヴィスとの会話で殺し屋としての矜持が垣間見えるキャラが多かったが、
今回は戦闘前のやりとりがあっさりしてるキャラと、
そもそもこいつは殺し屋なのか……?となるキャラが目立つ。
とはいえ、印象的なキャラもちゃんといる。
トラヴィスをトラ様を呼んで慕い、ビーム縦笛で殺そうとするキミーなどは、
登場シーン含めて前作にいなかったタイプで、話の通じなさが面白かった。
満月を背に死闘を繰り広げるマーガレット・ムーンライト戦は、
BGMの「Philistine」も含めてシリーズでも上位に来るカッコ良さだ。
登場から最期までの流れが見事。
会話が無いことがむしろ雰囲気に一役買っているのが龍司とのバトル。
男と男の戦いに言葉はいらねぇ……ってことよ!
このシーンも含めて、今回は背景と光の表現を活かした演出がどこもキレッキレ。
ウラジミール船長とか、よく分からないのになんかグッと来てしまう。
積んでいたロボゲーやってる #NintendoSwitch pic.twitter.com/IZcykctlL9
— ゲームブロガー双葉ラー油 (@daikai6) October 19, 2021
やりたい放題っぷりでは何と言ってもグランストンベリー。
色々とごった煮すぎる!
ボス倒した時にギターの音と共に挟まるこのカットも見てて気持ち良い。
シチュエーションによって文字が細かく違うのも見所。
前作に登場したシノブとヘンリーが操作できるのも発売前のウリだったが、
シノブはまだしもヘンリー操作パートは本当におまけみたいな扱いで残念。
そしてヘンリー、今回は完全にネタキャラになってないか!?
それはそもそも前作からか……?
登場するシーン全部面白いからずるい。
テンポ良すぎる展開をネタにしてんじゃねぇぞ!
かなり雰囲気と勢い任せで進んでいくシナリオだが、
前作から続く殺し屋としての業は描かれていて、
オープニングからエンディングまで一貫した流れになっているのは納得できる。
死闘を繰り広げ、血みどろになりながら感情を爆発させるトラヴィスの姿と、
あのしっとりしたラストシーンはなかなか味わい深かったね。
アクション部分も前作からパワーアップ。
派手な二刀流カタナが追加され、戦闘中に武器の切替も可能に。
プロレス技が強化されて威力もアップだ。
そして連続で攻撃をし続けて右下のテンションゲージがMAXになったら、
L+Rボタンで大技のナッツベリーミルクブランマンジェを任意で発動可能。
一定時間高速で移動して攻撃可能になる技なので、
ザコを一気に掃除できる。二刀流もカッコいいし、
前作から斬りまくり&投げまくり感がアップしていて非常に楽しいぜ。
2作目だからカタナも2倍だ!
敵にトドメ刺した時のランダムスロットを上手くそろえれば、
虎に変身して一定時間無敵に!
と……トラヴィスなだけに……?お前は虎だ!虎になるんだ!
多分両方に掛かってると思う。
ボスも前作同様に多彩な攻撃で楽しく、
鍔迫り合いやプロレス技で畳みかけるのはやっぱり遊んでて盛り上がる。
が、一部面倒なボスがいたり、ラスボスが理不尽気味なのはキツかったな。
今回、本当にテンポの良さを意識した作りになっていて、
前作のオープンワールド風の移動パートも完全カット!
メニューから行く場所を選ぶだけで目的地へ行けるし、
めっちゃ快適だが、
前作も街の作り込みは悪くなかったのでこれはこれで寂しい……。
次のステージに進むためのお金を稼ぐ必要もなくなったのもありがたい。
ミニゲームのバイトで稼ぐお金は
武器の購入やトラヴィスのステータスアップのトレーニング、
着替えの購入などだけに使うようになったぞ。
今回のミニゲームは8bit風でアクションやレースなど様々。
遊ぶ時にカセットに息を吹く音が入るのが芸コマ。
ドットやBGMなど無駄に作り込んであって、
全然レトロじゃないレトロ風ゲームが死ぬほど溢れてる
今の時代に改めて見ると感心する。
まあ、虫退治のミニゲームが効率良いのでそればかり遊ぶことになるんだがな!
前作でトラヴィスが好きだった劇中アニメ『ビザールジェリー』は、
2期の『ビザールジェリー5』となってパワーアップ。
okamaがキャラデザを担当していて、シャツの絵柄やミニゲームなどで登場していたが、
今回はオマケで1分のアニメOP風ムービーまで収録してるから凝り方がおかしいぜ!
『ノーモアヒーローズ3』では
「ガールズ戦士シリーズはビザジェリを越えた!」ってセリフがあって、
その2つって比べるような作品だったんだ!?ってビックリした。
前作以上にぐちゃぐちゃな道を、悪ふざけを挟みながら、
血みどろになって駆け抜けるトラヴィスの姿が雄々しく美しい2作目。
昔遊んだ時はピンと来なかったんだが、改めて遊ぶと本作ならではの魅力も多く、
ゲームテンポ重視の構成もあって最後まで楽しく遊べた。
細かい所は置いておいてアクション気持ち良いしボスと演出とBGM超かっけぇ~!
シリーズまとめて遊ぶと1、2、3それぞれ違う方向性でセンスの塊で凄いね……。