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今鮮やかに蘇る、仁義なき殺し屋大バトル!『No More Heroes』レビュー!【Switch/PC】

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No More Heroes ダウンロード版 |  My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)

 

No More Heroes on Steam

 

『No More Heroes(ノーモアヒーローズ)』のレビュー行くぜ!

 


パブリッシャー:マーベラス/ XSEED Games

機種:Switch/PC

ジャンル:アクション

発売日:2020/10/28

価格(税込):2150円

備考:Z指定

パッケージ版は『ノーモアヒーローズ3』の初回限定版のみ


 

2007年にWiiで発売された

『No More Heroes(ノーモアヒーローズ)』のHDリマスター版だ。

当時は国内版だけD指定で表現が規制されていたんだが、

今回はZ指定になったことで海外版準拠のバイレオンス表現が復活!

ただしオリジナルのHDリマスターってことで、

後発のPS3版に収録されていた日本語は無しだ。

 

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個性派クリエイターとして有名な

須田剛一率いるグラスホッパー・マニファクチュアの代表作!

オタクの殺し屋トラヴィス・タッチダウンが、

ビームカタナを片手に全米殺し屋ランキングに挑む!

そしてトラヴィスを導く謎の美女シルヴィアの正体とは……!?

 

尖りまくりのキャラ、音楽、演出に、

Wiiリモコンを使った簡単かつ爽快なぶった切りアクションが魅力。

既に発売から10年以上が経過してシリーズ作品も色々出たけど、

やっぱり初代は今遊んでも唯一無二だなと実感できたぜ。

 

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まず「全米殺し屋ランキング」という頭の悪い設定が、

個性的なボスを1体ずつ倒していくアクションゲームとして見事にハマっている。

ランカーたちは一癖も二癖もある連中揃いで、

正統派に悪そうでカッコいい奴から、冗談みたいな奴まで様々。

 

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ボスキャラなので基本的に会話は戦闘前と戦闘後にちょっとあるだけ。

しかしその登場演出と、

僅かな瞬間にトラヴィスと交わす「殺し屋」としての会話がインパクト大。

個々の矜持や狂気が垣間見えるもので、どのキャラも実に魅力的だし、

トラヴィス自身の掘り下げにもなっている。

 

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かと思うとギャグみたいなやり取りが急に始まったり、

トラヴィスもメタセリフを言いまくったりと展開が読めない……!

 

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好きなボスはやっぱりホリー・サマーズ。

義足でスコップと手榴弾が武器の殺し屋で文学少女!盛り過ぎ!好き!

 

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時代劇の見過ぎな殺人JKのシノブも可愛くてカッコいい。

ランキング3位も、登場シーンの出オチっぷりと一芸特化の戦術、

急にしんみりさせてくる最期のシーンと完成度高くてお気に入り。

後のシリーズと比べても1人1人のキャラが格段に濃くて

この辺は初代ならではの良さだなぁ。

 

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そして主人公であるトラヴィスのキャラ達が秀逸で、

萌えキャラのシャツを着てビームカタナを振り回し、

他の殺し屋たちと血みどろの死闘を繰り広げるオタクの殺し屋。

どこまで本気なのか分からないふざけたノリをまとわせながらも、

時折見える内面とその危うさがたまらなくカッコいいんだよね。

 

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この頃はまだ初々しい謎の美女シルヴィアも、

色々なパターンやセリフ回しでトラヴィスを振り回してくるのが笑える。

ボス前の「さあ 狂い咲きの園へ」は本作を象徴する名セリフ。

 

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2007年のゲームだが、陰影の濃いアメコミ風のビジュアルは今見ても鮮烈だ。

背景などはさすがにチープに感じるが、構図や演出の見事さに目が行くし、

ロケーションが多彩なところも良い。豪邸から地下鉄に球場などなど、

ボスの個性付けにも繋がっててステージ込みで印象に残る。

 

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フィギュアで溢れたトラヴィスの自室も好き。猫のジーンもいるぞ。

 

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Wiiリモコンの活用がコンセプトだったアクションも爽快。

「振りまくって攻撃!」ではなくて、基本はキー操作で、

敵にトドメを刺す時だけ振るというのが丁度良いバランス。

俺のジョイコン操作で敵の首がすっ飛ぶ!

ジョイコン操作はもちろん、コントローラー操作でも問題なく楽しめるぞ。

 

敵の攻撃を見極めながら、

ガード、緊急回避、強力な溜め攻撃を織り交ぜて切り崩す。

時折入る鍔迫り合いも含めて、剣劇アクションとして楽しい作り。

 

敵を倒した時に回るスロットマシンが揃えば一時的にパワーアップして

敵を圧倒出来る要素も爽快だし、格闘でガードを崩すことに成功すれば、

プロレス技を叩き込んで大ダメージを与える要素もある。

バックドロップでトドメだ!と決めるのがこれまた気持ち良い。

 

ボス戦は毎回予想外の攻撃をしてくるのが面白くもあり、

ちょっと攻撃タイミングが分かり辛くて苦労するところもある。

まあ、溜め攻撃がかなり強いことに気づくと楽になるかな。

 

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Z指定とあって首も四肢も飛びまくり!

群がるザコ敵を両断する度に、血とコインが辺りにまき散らされるのが残酷かつ痛快だ。

 

規制された国内Wii版では血が出ず、

切断描写も無くて切った敵が炭のように消滅する表現になっていた。

あれはあれでコインのばら撒きっぷりが映えていたし、

ビームカタナで斬ってるから違和感も少なく嫌いではなかったんだが、

イベントで「これ明らかに首や手が吹っ飛んでるの前提のシーンですよね?」

ってのが多かったし、まあ今回のバージョンが一番良いわな。

 

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ビームサーベルならぬビームカタナは使うと電力が減っていくので、

定期的な充電が必須。上下にシコシコと振って充電完了だ!

充電が切れると攻撃もガードも出来なくなるので、

ボス戦では死闘の合間にシコシコタイムを挟まないといけないぞ。

この絶妙にカッコ付かない感じよ!

 

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セーブポイントがトイレなのもいいセンス。

 

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しかし、オープンワールド風の移動パートのテンポの悪さがしんどい。

街の作り込みは雰囲気有るんだが、

バイクの操作性があまり良くなく、ファストトラベルも無し。

次のステージへの移動や、

武器の強化やTシャツの購入を行うショップへの行き来が結構手間。

バイク乗ったまま川に落ちると拠点にワープできるくらいか。

 

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また、ランカーに挑むには登録料金を払う必要があるため、

お金を溜める必要がある。

まずアルバイトとして芝刈りやココナッツ拾い、ゴミ拾いといった謎ミニゲームを遊ぶ。

すると、より儲かる殺しの依頼が解禁されるので、

それを何度か遊んでやっと登録料が溜まるのだ。めんどくさいな!

武器の強化にも金が必要ってのがつらいところ。

 

当時のゲームはこんなものだから……とかではなく、

当時から普通に評判悪かった部分だぜ!

わざわざバイトでまでリモコン操作を活用しやがってよぉ~~~~~ッ!

でも演出とボス連中が本当に魅力的なので、頑張ってバイトしてしまうんだよな。

 

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後のシリーズに比べると粗削りな部分が多く、

今HDリマスターとして出すならシステムを快適にして欲しいところではあったが、

演出や雰囲気作りの凝りっぷりや、激烈にイカしたBGM、

印象に残るテキストの上手さはやはりたまらない。

こちらの斜め上を行く怒涛のゲーム展開を味わいたい人はオススメだぜ!