New スーパーマリオブラザーズ U デラックス|Nintendo Switch|Nintendo
コンプしてた『NewスーパーマリオブラザーズU DX』のレビュー行くぜ!
メーカー:任天堂
機種:Switch
ジャンル:アクションゲーム
発売日:2019/01/11
価格(税抜):5980円
WiiUロンチとして発売された『NewスーパーマリオブラザーズU』と、
そのDLCとして配信された『NewスーパールイージU』をカップリングし、
新キャラを追加してSwitchに移植したのがタイトルだ。
現時点での家庭用2Dマリオ最新作。
新要素が少ないのでプレイ済みだと物足りないものの、
全164ステージという大ボリュームでまさに決定版の内容になっているぞ。
ストーリーはいつものようにピーチ姫がクッパに誘拐されて……ではなく、
クッパ軍団が総力を挙げた電撃作戦でピーチ城をピーチ姫ごと占拠し、
マリオ達が追い出されてしまうところからスタート。
クッパの手下たちと戦いながら、最終ステージであるピーチ城を目指すという、
いつもと逆の構成になっているのだ。
本拠地を敵に奪われるとか4クール作品の終盤みたいな展開である。
これ、マリオは戦力が手薄なクッパ城を乗っ取りに行けば良かったんじゃないか?
マップを移動してステージをクリアしていくお馴染みの形式。
様々な分岐があり、最短ルートでピーチ城を目指せば全ステージは遊ばなくて良いし、
隠しルートを見つけることで大幅なショートカット出来たり、
アイテムが貰えるキノピオの家があちこちにあったり、
ぶつかるとボス戦になる敵などがうろついたりしている。
ジャンプで敵を倒し、
ダッシュや壁キックを駆使して障害を乗り越えていく。
ステージ内に3枚隠されたスターコインがやり込み要素という、
DSの『Newスーパーマリオブラザーズ』から続くお馴染みの2Dマリオだ。
新たなパワーアップとしてムササビマリオが登場。
ジャンプ中に一度だけ上昇可能で、その後は滑空飛行が出来る形態。
しっぽマリオやマントマリオの系譜だね。
ジャンプがキモのゲームなので、変身出来れば圧倒的に安定するぞ。
初代『スーパーマリオブラザーズ』発売から30年以上経ち、
数多くの2Dアクションゲームが発売され、
特に近年はインディーゲームでこの手のゲームをよく見るようになったんだが、
やはりマリオは作りの丁寧さが全然違うなと唸る完成度。
敵を連続で踏み付けて連続ジャンプをし、
ヒップドロップでブロックをぶち抜き、甲羅を投げてコインを回収。
バラエティ豊かで飽きさせないステージ構成や、
マリオの動きに合わせて出現するコインやブロック、小気味良い効果音など。
遊んでいて楽しい手触りをしっかり練っているのが伝わってくる。
ステージに点在するスターコインも簡単に取れるものから、
隠してあるもの、簡単に取れそうに見えて頭を捻らないといけないものまであり、
やり込むとかなり手強い作りになっているぜ。
まあ、たまに人の心が無いような位置に置くことがあったり、
「こんなん分かるかよ!」と叫びたくなる隠し方をしてることがあったりもして、
ちょっとうんざいしてくる時があったかな……。
煮詰まってくると完全にスタッフの思考を読む心理ゲームになってくる。
スターコイン1枚目だ!と思ったら2枚目で見落としがあった時の絶望感。
ステージ最後に登場するコクッパはかなりトリッキーな動きが多く、
割とシリーズでも強い方かも。
Switch版から初心者向けに落下してもミスにならず、
空中でゆっくり移動できるキノピーチが追加され、
それとは別に敵にぶつかってもミスにならないトッテンも使えるので、
初心者対策もしっかりしてある。
キノピーチを見たピーチ姫が「誰……?」
みたいなリアクションだったのは結構ホラーだったがな……!
お前が知らないってどういうことだよ?!
トッテンも泥棒ということ以外に詳細が分からないので、
プレイアブルキャラに正体不明の奴が多いゲームである。
全ステージで4人同時プレイが可能でみんなでワイワイ遊べる構成になってるし、
それとは別に与えられたお題をクリアしていく「おだいモード」や、
強制スクロールでコインを取る度にスピードが上がる「ブーストモード」など。
1人でガッツリやり込めるモードも充実。
「おだいモード」はタイムアタックに、コインを規定数取るもの、
敵を連続で踏み付けるものといったお約束のお題から、
コインを取らずにゴールを目指す、特定の敵を運ぶといった変則的なものまで様々。
最高ランクの金メダルを目指すと、
機械のような精密なプレイを要求される高難易度だ!
こういうミッションやモードが用意されたゲームは珍しくないが、
本編に詰められた様々な要素やギミックを短くスパッと切り出されたことで、
2Dマリオの面白さを再認識出来るようにもなっているね。
1人でもみんなでも、初心者でも上級者でも全方位に楽しめる内容だぜ。
しかし、せっかく「ラストがピーチ城」というこれまでになかった構成なのに、
結局ステージの雰囲気がいつもの感じなのは残念だったなー。
説明書やチュートリアルが無いため、基本操作を確認出来ないのも不親切。
WiiU版は電子説明書があったんだが……。
『New スーパールイージ U』の方はWiiU版では2000円のDLCだった作品。
マリオは使えず、ジャンプ性能にクセのあるルイージを使って挑むぞ。
こちらでもキノピオやキノピーチやトッテンは使うことが出来るので、
マリオがハブられただけになってるな!
DLCと言っても本編と同じステージ数で、
ステージ構成もすべて専用に作られているという気合の入りっぷりだったのだ。
ステージクリアの制限時間が100秒と短い上に難易度も高め。
ギュッと凝縮されたコースを走り抜けるゲームになっているのが特徴だ。
終盤や隠しステージの難易度はかなりえぐくて、
ルイージにファイアボールで故郷を燃やされた人が開発したような過酷さ。
ルイージの緑色の服を血で真っ赤に染めてやりたいという思想を感じる……。
許されるのかこの難易度!?と思いつつも、
トラップの移動タイミングや敵の位置を頭に叩き込めば、
しっかり切り抜けられる理不尽ではない調整はお見事。
ステージは短くても満足度は高く、本編とは一味違った魅力がしっかり出せているぞ。
ただ、制限時間100秒で巧妙に隠されたスターコインを探さないといけないのは、
明らかに構成と噛み合っておらず、
難易度の高さもあって本編よりもストレス溜まるところが多かった
そろそろ2Dマリオシリーズはスターコイン集めから
脱却しても良いんじゃないかなあ。
Switch版の追加ステージなどは存在せず、
元々、雰囲気も含めて新鮮味が薄い作品ではあるのでそこは物足りないものの、
完成度の高さは申し分ないし、コンプ目指すと30時間以上は楽しめる大ボリュームだ。
未プレイなら間違いなしの1本である!