『ゲーセンラブ。~プラス ペンゴ! ~』のレビュー行くぜ!
メーカー:メビウス
機種:Switch
ジャンル:ゲーセンラブ。
発売日:2019/08/22
価格(税抜):5370円
2012年に登場したアーケードタイトルの移植版で、
『アクション技能検定』『シューティング技能検定』
『コンバットジール』『ペンゴ』の4つが収録されたバラエティタイトルだ。
『ペンゴ』のみ最大8人でのプレイに対応しており、
それ以外も4人までの対戦プレイに対応しているぞ。
BGMが『トライジール』のNAOTO、『雷電』シリーズの佐藤豪、
『サイヴァリア』シリーズのWASi303、
『ラジルギ』の林康、『エスプガルーダ』のSOU1、
チップチューン関連のアレンジで活躍するWiz.と作曲陣がやたら豪華。
セガのALL.Net P-ras MULTI筐体に収録されているので
今でもアーケード版は遊べるし、
XBOX360版やペンゴを抜いたSteam版も発売されている。
Switch版は『ペンゴ』の最大8人対戦に対応した初のバージョンで、
オンラインランキングも搭載されたがオンライン対戦は無し。
制作はトライアングルサービスという社長1人だけの会社。
2002年からシューティングゲームを中心に、
地味だが個性的で面白いタイトルを作り続けているところだ。
『トゥエルブスタッグ』『トライジール』
『エクスジール』『シューティング技能検定』などなど……。
このブログでも昔から応援してたりする。
2006年末に新作であるドリームキャスト版『トライジール』の予約数が芳しくなく、
『トライアングル・サービスがピンチです!』という、
SOSなのか怪文書なのか分からない怪文書を発表して話題になったこともある。
『トライジール』は再生産が掛かるほど売れ、
後にPS2版も発売されたがそれはまた別の機会に語ろう。
Switch版『ゲーセンラブ。~プラス ペンゴ! ~』の話に戻るが、
簡単操作&短時間でサクッと遊べて
脱力モノのセンスが炸裂してる内容は面白かったものの、
追加要素はペンゴの8人対戦対応とオンラインランキングくらいしかない。
結構古い作品なので、
やっぱり今フルプライスで出されると物足りなさがある内容だったなー。
新ゲームが欲しかったぜ。
こちらはメニュー画面。
収録ゲームはミニゲームを連続して遊んでいく構成になっており、
一度遊んだミニゲームは単独で遊べるチャレンジモードが解禁されるのだ。
収録ゲームを1本ずつ見ていこう。
『アクション技能検定』はヒーローっぽいキャラを操作するアクションゲーム。
最大4人でのスコアアタックにも対応している。
「左右から迫るザコ敵をやっつける」「連続ジャンプで足場を渡ってゴールを目指す」
「上から降ってくるドラムカンを壊す」「画面内を跳ね回るバブルを割る」
「上から降ってくる鉄アレイを避けながら星だけを取る」など。
単純なミニゲームを連続して遊んでハイスコアを狙う内容だ。
登場するミニゲームはある程度ランダムなのでハイスコアには運も必要。
どっかのアクションゲームで見たようなシチュエーションが満載で、
それっぽいBGMの数々も必聴である。
かと思うとボタン連打でピンポンダッシュをして逃げるという、
ヒーローらしからぬミニゲームも!
最後に家から他のゲームで出てくるザコ敵がキレて出てくるので、
これは恐らく悪の戦闘員が住んでいる悪の家。
悪党に精神的ダメージを与えるための正義のピンポンダッシュなんだろう。
ピンポン押さないと誰も出てこないまま終わる小ネタがあったりする。
それにしてもどこかで見たようなデザインの家だな!
稼働した2012年の基準で見てもグラフィックがめっちゃチープなので、
どうしても「パロが雑だな!」とは思ってしまうし、
ガチでレバガチャしまくらないといけないレースもあり、
繰り返し遊ぶとコントローラーと人体への負担が大きいね。
ゲームをすべて終了すると成績に応じたゲーマー年齢が測定される。
なかなか手強いぞ。
『シューティング技能検定』は2007年にアーケードで稼働した作品を、
更にワイド&4人対戦に対応させたタイトルだ。
こちらも「シューティングゲームあるある」を詰め込んだような内容になっているが、
元々シューティング畑のメーカーだけあってか、
グラフィックの完成度やネタのキレ味は『アクション技能検定』より鋭い。
大量の戦車を撃ちまくったり、連打で隕石を破壊したり、
敵弾ギリギリでボムを発動させたり、
蜂型のメカが発射する弾幕をひたすら避けたり、
画面を横切る4つ足の巨大メカを避けたり。
これまたどっかで見たようなネタ満載!
敵の大量破壊、ピンポイント狙い撃ち、弾幕の回避、ナイスボム。
シューティングの技能が試されるミニゲームが次々に飛び出し、
ミスしてもどんどん進んでいくぞ。
ミスした時に表示される「なんてことだ」「がんば連射!」などのテキストや、
宇宙空間で空き缶を撃ってゴミ箱に入れていくミニゲームなど、
こちらも節々でゆるいノリが顔を出す。
空き缶のミニゲームは撃った時の金属音が気持ち良い。
慣れるまで難しいけどこれが一番好きだな。
こちらも最後はゲーマー年齢が測定される。
連打するミニゲームは上手くいったのに、
避けるミニゲームはダメで総合点が下がった!悔しい!もう一回!
と、つい何度も遊んじゃうバランスになっているね。
『コンバットジール』の方は画面分割で最大4人対戦可能なシューティング。
参加する人数が増えるほど画面も増える!
相手より先に敵を打ち落としてハイスコアを獲得したり、
アイテムで妨害をしたりといった要素が盛り込まれている。
往年のゲーム漫画のようなプレイヤー同士の戦いを再現できるのが特徴と
公式には書かれているぜ。
……しかし、1人プレイだとそういった要素が一切顔を出さず、
CPU対戦も無いため、ただのシンプルなシューティングなのが寂しいところ。
敵をパワーアップさせてスコアを上げるステージなどシステムもあり、
キャラバンモード的なスコアアタックとしてはなかなか遊べるんだけどね。
アステロイドステージで流れるボーカル曲「永遠のトラベラー」は名曲。
『ペンゴ!』はセガ往年の名作である『ペンゴ』を題材にした対戦アクションゲーム。
最大8人対戦対応だ。氷を蹴ってザコ敵や他のプレイヤーを潰して得点を稼げ!
複数のキャラをまとめて潰すと高得点になるし、
ステージ内に点在するクリスタルブロックを3つ揃えるとボーナスも貰える。
やられると無敵の幽霊となって復活し、この状態で他プレイヤーを倒すと高得点。
一定時間経過で元のペンゴに戻る。
ルールも操作は単純だが潰すか潰されるかといった読み合いが非常に熱い。
クリスタルを揃えようとしてるところを狙われて逆に潰されてしまったりね。
キャラの細かい動きもキュート。
得点稼ぎに使えるザコ敵はすぐ全滅してしまうため、
残り時間が少なくなってくると
プレイヤー同士の潰し合いが絶対に始まる構成なのがうまい。
イベントで8人対戦を遊ぶことが出来たがめっちゃ盛り上がったぞ!
1人プレイでもCPU相手に全15ステージをクリアしていくモードがあり、
ボーナスステージもあったりでそれなりに楽しめるぜ。
ちなみにオリジナルの『ペンゴ』とは違う内容で、移植ではないのでそこは注意ね。
『シューティング技能検定』を何度か遊ぶと『射ウォッチ』なるおまけゲームも登場。
「空想科学連射力測定」なる副題がついた本作は、
10秒間ボタンを連打してその速さを測定する内容だ。
言うまでもなくアレが元ネタの連打測定である!
ボイスを社長自らが担当した手作り感満載の内容に、
wasi303が初音ミクで作ったテーマソングが流れるOPにと、
今も色あせないバカバカしさと中毒性は必見だ!
ちなみにニコニコに公式でOP動画が上がっていたりする。
初出が2007年のゲームだけど
その時期に初音ミクでテーマソング作ったのはなかなか凄い。
1人プレイだとかなりストイックな内容で、
元が古いゲームだしもうちょっと追加要素が欲しいところだった。
昔の「ゲーセンのゲーム」にあった魅力をスパッと切り出したようなコンセプトは
ある程度実現できていてスコアアタックの楽しさはあるし、
リアルで対戦出来る人間がいるのなら盛り上がれそう。
改めて遊んでも溢れるB級感がクセになるゲームになってるので、
値段の高さに目を瞑ればアリかな。