トロコンしたので『Dead or School(デッドオアスクール)』のレビュー行くぜ!
俺が遊んだのはPS4版ね。
メーカー:ナナフシ
機種:PS4/Switch/PC
ジャンル:ハクスラ・アクションRPG
発売日:2019/08/29
価格:2916円(ダウンロード)3980円(パッケージ)
ゾンビによって崩壊した東京を舞台にしたハクスラ×美少女アクションだ!
マンガ家である「木星在住」氏を中心とした3人のメンバーにより、
数年掛かりで制作されたタイトル。
Steam版がヒットしてPS4やSwitchにも移植されることとなったのだ。
良い部分は良いが、ダメな部分はとことんダメ!というハッキリした内容。
文句言いつつもハマってしまう魅力あり、
遊び終えた後はかなり気に入った1本になったぜ。
人類がゾンビとの戦いに敗れ、地下に引きこもるようになって数十年……。
地下の厳しい環境で生まれ育った主人公のヒサコは、
話でしか知らない青空や地上での生活に憧れを持っていた。
ある日、祖母に伝説の楽園「学校」の話を聞いたヒサコは、
居住区から出てはいけないというルールを破り、
数十年前のブツなのにやたら綺麗な祖母の制服を受け継いで地上を目指す!
というストーリーだ。
新宿を中心に市ヶ谷や秋葉原、浅草に武道館……ではなく武術館など。
都心の地下駅や名所が舞台となっているぞ。
探索型の2Dアクションゲームで、
マップを埋めながらメインミッションを進めていく構成。
パワーアップアイテムや救助者、サブミッションなども散りばめてある。
右上のミニマップ表示など色々と親切な作りになってるね。
二段ジャンプを駆使してマップを駆け巡り、
ワラワラ出てくるゾンビは回避アクションと重火器で蹴散らせ!
敵を倒すと武器やアタッチメントが山ほど入っていくし、
武器の自動販売機もあるので、ガンガン強化してガンガン敵を倒すゲームになっている
武器はソード/マシンガン/ランチャーの3種類を装備可能。
ソードなら日本刀やハンマー、チェーンソーや回転ノコギリに長ドスにギター。
マシンガンならアサルトライフル、ショットガン、狙撃銃、対戦車ライフル。
ランチャーはロケットランチャーにミサイル、重力波、プラズマ砲、レーザー砲など。
カテゴリ分けがあまりにも大雑把な気がするが、
数十種類にも及ぶ大量の武器を使い分ける楽しさに比べれば些細なことである!
各武器にはランダムで固有のアビリティが付いているし、
それとは別にアビリティの付きのアタッチメントを自由に2つ付け替え可能。
武器は強化できるし、武器の固有アビリティも改造で変更可能だ。
ただ、固有アビリティの変更はお金と素材になるギアが必要で、
しかもランダム。何度もやり直してレアアビリティが出るまで粘ることになる。
アビリティガチャだ!
武器の基本性能と3つのアビリティ。
自分なりの組み合わせを模索しながらとにかく楽しいゲーム。
アビリティは「ライフが〇〇%増加する」のような基本的なパワーアップから、
「〇〇系の敵へのダメージが〇〇%増加」といった特効系。
そして「敵を倒した後の10秒間、与えるダメージが100%アップ」
「1回の攻撃で2ヒットする」のような強烈なものまで様々だ。
クリティカル率アップとクリティカルダメージ上昇のアビリティを両方付けてみたり、
攻撃範囲の大きい武器に攻撃範囲上昇のアビリティを付けてみたり。
組み合わせ次第でぶっ壊れ武器をジャンジャン作れるぞ!
また、レベルアップすること手に入るポイントを消費してスキルを入手可能。
このスキルツリーから選んで解放していくのだ。
攻撃力や攻撃範囲の底上げから、弾が貫通するようになるなどの特殊効果まで。
強力なものが揃っているぜ。
しかしスキルツリーが黒板に手書きなのが凄いな……。
アンロックするとチョークで印をつけていくぞ。
ロード時間や移動デモやイベントでのちょっとしたアニメなど。
このゲーム、こういう細かいところの演出がいちいち凝っていて好感が持てる。
武器を集める楽しさと、武器を鍛える楽しさ。
そして集めて鍛えた武器で大量の敵を撃ちまくる楽しさ!
ここをしっかりと押さえたシステムになっていて、
探索しながら色々な武器を使い分けていくのがハマるゲーム。
武器の強化には上限があるし、
新しいマップに進むと上位の武器が凄い勢いで出てくる。
なので、鍛えた武器がすぐに型落ちになってしまうが、
基本的に育成に必要なリソースが少ないし、アタッチメントは付け替え自由なので、
手に入れたばかりの武器をすぐに実用レベルに出来るのも良い所ね。
ゲーム進行に合わせて色々なザコ敵がでてくるのも面白いし、
ボス戦は正面から攻めても勝てないことが多い。
攻撃パターンを見切り、地形を活用して弱点を突くことで活路が開けるぞ。
巨大ゾンビから自立戦車、風神雷神など。
ちょっと弱点が分かりにくいボスもいたが、
どのボスも見た目が個性的かつ攻略する楽しさがあって良かったわ。
チェックポイントの配置もなかなか絶妙で、
敵集団を連続で倒して丁度一息ついたくらいのところに設置してある。
難易度はイージー/ノーマル/ハードとあり、
ゲーム中いつでも変更可能なゆるさもお手軽だ。
ちなみにマップを完全踏破してから次にマップにいくくらいじっくり進めた俺でも、
ノーマル終盤で普通に苦戦するくらい敵が強かったので、
イージーが基本と考えた方が良いかも。
各マップにはおみやげアイテムなどもあり、
調べるとこういった世界観を掘り下げるテキストが読めるのもたまらないぜ。
(露骨にキャラデザ違う人出てきたな……)
各地にいる救助者を助けると、ヒサコと共に学校を目指す仲間になってくれる。
拠点で会話することが出来るし、
メインストーリーでもちょっと顔を出して一言喋ってくれるのが嬉しい。
仲間も発破師に格闘家、野菜マニアにロボット、果ては友好的なゾンビまで。
濃い連中揃いだが、みんな自分の目標や夢をしっかり持っていて
短い会話の中でもキャラが立っているからどんどん仲間を増やしたくなるね。
すいません矢口高雄先生!
こいつは俺が責任をもって下水に流しておきます!
なかなか作り込まれたゲームではあるんだが、欠点は何と言っても画面の見辛さ!
何をどうやったらここまで画面が見辛くなるのか不思議なほどに酷すぎる。
やたら引いた視点でキャラが小さく、変に背景に奥行きがあって見辛い上に、
エフェクトやUIでキャラが完全に隠れてしまうことも頻発。
そこに敵の猛烈な攻撃がバンバン飛んでくるので、
よくわからないまま回避しまくらないといけない。
落下するとダメージを受ける穴もあちこちにある上に、
ジャンプして足場を乗り継いでいかないといけない箇所も多い。
それでいてキャラの当たり判定が結構大雑把。キツい!
まあ、主人公は2段ジャンプが標準なので機動性は高いし、
ゲームオーバーになっても所持金が10%減るだけで
手に入れたアイテムはそのままでチェックポイントからすぐ再開。
このペナルティの軽さとキャラ性能で、ギリギリバランスは取れているかな。
ミニゲーム的な仕掛けをクリアすることで宝箱が手に入る部屋が沢山あり、
マップによってガラッと違う構成になっているのは悪くなかったんだが、
すげぇめんどくさい謎解き迷路をやらされたり、
画面の見辛さのせいでしんどかったりと理不尽地味なのがキツかった。
あと、DLSITE臭のするパッケージに反して意外とお色気要素は少なく、
ダメージを喰らった時に服が破けるカットインに、
一部キャラの立ち絵と一枚絵くらいなので、そこ目当てだと物足りないかも。
ストーリーはなかなかツッコミどころが多い。
文明レベル周りがフワフワしてたり、
「幻の地上を目指す話してるけどここ新宿駅の地下一階ですよね!?」ってなったり、
世界観や会話の流れを踏まえるとあまりにも唐突な年増ネタがしつこかったり……。
扉の前で立ったままの白骨死体が出て来て
「この街を守るためにゾンビを1人で食い止めた英雄じゃ。感謝して毎日祈っておる」
みたいなこと言う爺さんと良い話っぽい回想が挟まったけど、
「いや、英雄ならちゃんと埋葬してやれよ?!」ってなったり。
作り手とのセンスのズレを感じる。
これだから市ヶ谷駅に住む市ヶ谷市民は……。
最初はこの頭の悪いシナリオが笑えるんだが、
人類が何故か地上の記憶を失っている点などの謎が明かされていったり、
不審な動きをするゾンビや地上で出会う謎の人物の登場など、
二転三転していくストーリーは遊んでいると結構引き込まれる。
そして主人公であるヒサコが実にいい。
アホキャラで難しい話されて「ほぇえぇ…」とか困惑する姿も可愛いし、
希望を捨てず、仲間を集めながらがむしゃらに「学校」を目指す。
明るく前向きなその姿こそ希望そのものだと思えたし、
終盤に入ってからの覚悟の決まりっぷりがめちゃくちゃカッコいい。
大勢の友達と共に、過酷な戦いの果てに辿り着いた
あまりにも眩しいエンディングは不覚にもグッと来た。
あれでこのゲームが大好きになってしまったわ。
隅々まで探索してマップを完全に踏破してから進むようにして本当に良かったぜ。
マップを完全踏破するまでやり込んで30時間以上。
ダメな部分はとことんダメだが、
ウリである部分に関してはしっかり作り込んであるし、
マップや演出などにも確かなこだわりが見える。
色々な意味で、まさに少人数で作り込んだB級アクションな1本だったぜ。
欠点部分に目を瞑れる人ならばオススメしたいッ!