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【レビュー】完成度の低さに絶句!笑うしかない完全新作ゾンビゲーム『revive of the moon(リバイブ・オブ・ザ・ムーン)』【Switch】

 

revive of the moon(リバイブ・オブ・ザ・ムーン) ダウンロード版 | My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)

 

『revive of the moon(リバイブ・オブ・ザ・ムーン)』のレビュー行くぜ!

 


パブリッシャー:レジスタ

機種:Switch

ジャンル:アクション

発売日:2024/5/30

価格:2480円


 

すごい力を秘めた女子高生が、日本刀でゾンビをバッサバッサとなぎ倒す3Dアクションゲーム。

これまでインディー・同人ゲームのパブリッシングがメインだったレジスタが、満を持して送る完全新作のゾンビゲームだ。開発はプラス81。発売と同時に40%オフセールをやっているが、これはレジスタがお買い得感を出すためにいつもやっているやつなので平常運転である。

 

監修で狩野英孝が参加しているのもウリの一つだ。近年『バイオハザード』などの実況がバズり、公式にも呼ばれてるEIKOがついにゲーム制作に関わる!

 

 

あくまでも監修という立ち位置なので、『新宿の狼』の時みたいにゲーム内に出てきたりはしないぞ。こっちだと刑事である主人公を操作して、狩野英孝をボコって逮捕出来たからスゴかったな……。

 

『revive of the moon(リバイブ・オブ・ザ・ムーン)』に関しては最初の発表が2022年

狩野英孝が監修であることを大々的にアピールし、発売前からポップアップショップでグッズを販売。発売後もコラボを行っていたりと、レジスタがかつてない力を入れた完全新作だ。

 

しかしアクションゲームとしてあまりに低品質で絶句!

『お姉チャンバラ』みたいなゲームかと思ったらデフォルメされた三等身のキャラが出てきた時点で「あっ、そういう感じ!?」と意表を突かれたが、開始すぐのチープな演出で嫌な予感が立ち上がり、操作できるようになったら攻撃するだけで処理落ち。この規模のゲームでこれは事故だろ……と言うしかない内容だったぜ。

 

狩野英孝が公式アカウントで全然告知してなかったり、公式実況はしたけど妙にテンションが低かったのは色々邪推してしまう。

現代日本にゾンビが出現!伝奇テイストで送るストーリー

 

舞台は大地震&ゾンビ出現で大パニックの現代日本。

主人公である女子高生の磯神美月はクラスメイトの龍珠、教育実習生であるギャルの燕先生と共に、生き残りを賭けた戦いに身を投じる。和装で言葉を喋る謎のゾンビとの戦いなどを通して、美月はゾンビ発生の原因、そして自分の運命と向き合うことになる。

 

美月は剣道部だから日本刀でゾンビをぶった斬れるし、燕先生は猟銃の免許があるからハンドガンでゾンビを狙撃出来るぜ!というノリ。

 

関東各所を巡りながらの車探しや生存者の探索など、ゾンビモノのお約束っぽい展開は抑えてあるが、メインキャラ以外のモブが一切登場しないので話が狭く感じる。警察や軍隊がゾンビに勝てない理由がフワッとしてたり、唐突に出てきたボスに悲しい過去!を連発したりとゆるいシナリオ。

 

この手の新規作品にありがちな「いつ出るか分からない続編に続く!」ではなくきっちり完結はしているが、そこまで悪く無いけど良くも無い……くらいのシナリオ。

 

 

燕先生はかわいいし、たまに先生らしいところを見せるとこが好き。

 

 

メインキャラが初登場した時はこのようにキャラ説明と立ち絵がバン!と表示される。公式サイトの画像とかではなくてゲーム内のものだ。他のゲームであんまり見ない演出だな……。

アクションゲームとしてひどい

 

日本刀を使う美月と、銃を使う燕先生を切り替えて進むアクションゲームだが……。

攻撃エフェクトが派手過ぎて画面が見辛い上に、狭いステージだと攻撃するだけで処理落ちするのがまずヤバい。加えて雑な当たり判定、攻撃と回避がスタミナ式なので連発出来ない仕様、技の概念が無いのでずっと攻撃ボタン3連打のコンボで敵を倒し続けるシステムなどなど。フレームレートの低さも含めて、ゲームを触ってすぐに危険を感じる。

 

 

育成要素は敵を倒して経験値を稼ぎ、攻撃力/耐久力/敏捷性に割り振る簡素なもの。

敏捷性はある程度上げないとボスの大技を避けられなくなる。

演出のひどさが醸し出すチグハグな空気感

 

立ち絵とデフォルメされたポリゴンの差が激しすぎるのはさておき……。

演出がしょぼすぎて何やってるのか分からないシーンが多かったり、カクカクしたモーションを延々と見せられたり、演出面も全体的にひどい。

 

 

「強力なボスに追われて逃げてる最中に、動かせる車を見つけてギリギリで脱出!」

というシーンがあるんだが……

「ボスがカクカクしたモーションでモタモタと主人公たちを追いかけてくるので、道をモタモタ歩いて長話しながらモタモタと車を動かして脱出!」

となっており、明らかにシナリオが想定している画と実装にギャップがある!

3Dアクションなのに、下手なRPGツクール作品みたいな空気感が強い。

 

 

ゾンビに隠れながら進む場面でゾンビの視界を視覚化してくれるのはありがたいんだけど、めちゃくちゃ目からビーム出てるようにしか見えない!

 

唐突にボスが巨大化したり、倒すとキューッと小さくなってから爆発する辺りも大分ギャグ。昔のゲームっぽい感じを出そうとしたのか……?

 


作品はシリアスなのに「やせる」と書かれたシャツを着た巨大ゾンビが大量に出現して全然ツッコミが入らないとか、どういう方向性にしたいんだこのゲーム。

実在の地名を舞台にしたマップ構成は割と良い

 

関東各所がモデルのマップに関しては割と作り込まれていて、小金井公園にSL広場があったり、実際の風景に分かりやすく寄せた場所も色々。

 

各マップはそこまで広くないが、市街地に学校や体育館、高速道路とPAなど種類は豊富。似たようなマップを延々と歩き続けるような構成にはなっておらず、ここは素直に評価出来る点だ。

変化のある展開は悪くないが導線がひどい

 

マップの多彩さに加えて、主観視点でゾンビを迎撃するパートや、逃げながらゾンビを誘導するパートなどが挟まり、飽きさせないように一工夫を加えてある。しかし意味の分からない初見殺しも多いからイラッとさせられる。

 

「追ってくるゾンビをドッグランに誘導して閉じ込めよう!」ってイベントで、扉Aから入って扉Bに抜けると扉が何故か閉まらなくてゲームオーバー。逆だとなんか上手く行くとか。

 

「岩を壊す巨大ゾンビを誘導して道を塞いでる岩を壊させるボス戦」が「岩に塞がれてる道がボスの後から出てくる上に、仲間は逃げようとしか言わないからほぼノーヒント。マップやどこに行けば良いかの表示もない。知らずにボスを倒したらゲームオーバー」とか……導線が死に絶えてるぜ!スタッフー!ちょっとスタッフー!

中盤以降のバランスが更にひどい


中盤以降は街に潜む数十体のゾンビを全部倒さないと進めない箇所が増えてくるため、マップは複雑ではないもののテンポが悪い。

雑に攻撃範囲が広いゾンビ相手に、スタミナ切れしやすい斬撃と、中途半端にセミオートなせいで狙いづらい銃撃で戦っていくゲームだからな!

燕先生の射撃はセミオートなので開けた場所だと強いんだけど、高低差のある地形だと変な方向を向いたりで逆に狙いづらい。

 

終盤は高火力の遠距離攻撃を雑にぶっ放すザコがワラワラ出てくる上に、やられたら一気に戻されるステージが出てくるため、ストレスがどんどん溜まっていくぜ。

 

ボス戦も基本的にヒット&アウェイでチマチマ削るだけの戦いだし、ラスボス戦はカメラワークの酷さとエフェクトの見辛さ、避け方が全然分からない広範囲攻撃が襲い掛かる本作一番のストレスポイント。遠距離攻撃を軸に中距離で立ち回ってなんとか倒したけど、あのガス攻撃の避け方が未だに分からん。

 

ステージセレクトで過去のステージに戻って稼ぎプレイは出来るので、防御MAXにしてゴリ押しするのが一番良いかも。

その他、細かいところで気になる点


その他で気になった点だとオプションのカメラ反転設定。X軸とY軸の両方を反転する設定しかない。

 

銃を撃ってくる軍人ゾンビが弾切れになるとその場でしゃがみ込んで、きっちりした動きでリロードするのもすげぇ違和感あった。ボスを除くとゾンビは理性を失った怪物的な動きをする奴らばかりなので、ここだけ浮いてる。リロードの隙を狙えってゲーム的な都合だろうけど、ゾンビだからふらついて銃を落すとか、もっとやりようあったでしょ!

事故としか言いようがない完成度

 

この企画規模でこの内容は事故と言うしかない……。

演出もアクションとしての手触りもバランスも、何もかも「雑」の一言に尽きる。

序盤は難易度が低かったので「実況プレイ向けにあえて突っ込み所を用意してるのかな?」「誰でも遊べるゾンビゲームと言ってたので、あえてゆるい作りなのかな?」と思ったもんだが、後半の理不尽なバランス調整を見るに単にアクションゲームを作る力が無かっただけだこれ!

 

キャラのイラストや声優の熱演、ステージ名の「第一夜」「第二夜」って表記に意味がある作りや、ざらっとした映像の質感、マップの作り込みなど評価できる点はあるし、ゾンビゲーとして色々な要素を盛り込もうとした気概は買う。が、それを考慮してもあまりに厳しい内容だ。最初から突っ込み所だらけのゲームとして遊ぶ分には楽しめるかなぁ。

 

以上、事故現場からの報告でした!