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美しさに目が離せない。謎と優しさが待つ不思議な街へ『アンリアルライフ』レビュー!【Switch】

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アンリアルライフ公式サイト

 

Nintendo Switch|ダウンロード購入|アンリアルライフ

 

『アンリアルライフ』のレビュー……行くぜ!

 


メーカー:room6

機種:Switch

ジャンル:なぞ解きアドベンチャ-

発売日:2020/05/14

価格(税込):2400円


 

記憶喪失の女の子を操作して不思議な街を探索する

2Dの謎解きアドベンチャーゲームだ。4年掛けてほぼ1人で作り上げられた作品。

現在はSwitch版だけだが、スマホやSteamでの展開も予定されているぞ。

 

 

スクショやPVの雰囲気に惹かれて即購入したが、

期待を遥かに上回る見事な作り込みに、ただただ胸が感情でいっぱいになった……!

激エモ描写の満漢全席。

PVを「良い!」と思える感性を持ったすべての人にオススメ出来る1本だったぜ。

 

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タイトル画面の雰囲気に心動かされつつオプションを開くと、

フォントをスムーズとドットから選べるようになっている。

 

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この凝りっぷりだけでもうかなり信用できるな!

 

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ストーリーは主人公の少女「ハル」が記憶を失い、

とある道路で目を覚ますところから始まる。

記憶の片隅に残った謎の人物「先生」を探すために、

道路で出会ったAI搭載型の信号機「195」と共に、

ハルは不思議な夜の街へ旅に出ることになるのだ。

 

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通信を使って脳内に直接語りかけてくる信号機……怪しいな……。

と思ったらめっちゃチョロかった。

195は見た目は普通の信号機なので目も口も無い。

赤信号の輝きだけで感情を表現してるのに、なかなか表情豊かに感じるからすごい。

 

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横スクロールのアドベンチャーゲームで、

画面にあるものをあちこち調べたり、

手に入れたアイテムを使ったりして先へ進むオーソドックスな作り。

特徴はハルが持っているサイコメトリー能力。

物に残った記憶を読み取ることが出来るので上手く活用していくのだ。

 

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動かし方の分からないスイッチがあったら、その近くにあるものの記憶を読み取る、

行方の分からない人物がいたら、それに関連したものの記憶を読み取る。

こうやって現在と過去の風景の差異から手掛かりを見つけるゲームね。

 

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不条理な出来事が次々に起こる夜の街では、

カラス、ペンギン、顔が図形になっている人、犬などなど。

様々な登場キャラ達と出会うことになる。みんな個性的かつ優しく楽しい連中ばかりだ。

青を基調とした寒々しい画面が続くのに、

奥行きと温かさが感じられるのは登場キャラ達のおかげ。

 

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ハルと195の2人も非常にキャラが立っていて、

遊びで「拡張子しりとり」を提案してハルに却下されたり、

195は知識が偏り過ぎてたまに江戸時代の人みたいになったりでやり取りが楽しい。

笑わされたり切ない気持ちにさせられたり、

この2人と仲間たちの旅、いつまでも見ていたくなったね。

 

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道中で遊べるハルと195の対戦ミニゲームでは、勝敗で様々な会話が発生する。

こういう本筋と関係ないイベントがまた面白いんだわ。

 

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とにかく細部の作り込みが凄いゲームで、

背景などの雰囲気作りはもちろんUIまで手抜き無し。

メニュー画面でのハルの表情と角度の変化に、

項目を切り替える時の「バチン!バチン!」という

動かしてて気持ち良い効果音には驚いた。

 

キャラの立ち位置や画面の状態でも細かく変化するBGMや、

歩いてる場所によって変化する足音など、

どんだけ凝ってんだよ?!といちいち驚いてしまう。

歩いている道の質感が伝わってくるHD振動の使い方も素晴らしく、

俺の中の「このHD振動がすごい!2020」ノミネート作品ですよ。

 

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カバンからアイテムを取りだす時にサイズの描写がされているのも良い……!

今手に入れたアイテム、このくらいの大きさかーってのが一目でわかる。

 

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こういう恐ろしいこだわりの積み重ねで、

現実感の薄い不思議な夜の街を、そこに生きる登場キャラたちを、

そこを歩くハルと195の存在を、アンリアルをリアルに感じさせてくれる

 

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訪れる場所がどれもこれも素敵で

「次はどんな場所なんだろう?」と進めるのが楽しみになるし、

ドットで描かれた一枚絵の数々も圧巻だ。

物言わずとも画の力だけでハルの心情が伝わってくる。

幻想的な風景と、時に優しく、時に激しいBGMとのマッチがまた素晴らしい。

 

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進むごとに増えていく謎と、それが少しずつ解かれていく気持ち良さも上手くて、

なかなか止め時が見つからないし、

精神的にプレイヤーを追い詰めてくるホラー描写もキレッキレ。

こちらを引き込む力が圧倒的だぜ。

 

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気になった点があるとすれば謎解きかな。ヒントが多いから難しくはないし、

「何もない場所を調べると反応がある」というシーンがちょいちょいあるんだけど、

これも振動でヒントがあったり、背景をよく観察すれば分かるようになってる。

 

ただ、行ったり来たりして仕掛けを動かすものが多いので、

そこが遊んでいてややじれったく感じた。

こういうところは良くも悪くも昔ながらの謎解きADV的な作りかな。

 

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欠点ではないが、

アイテムの「無限にエビを出せるビン」を使った謎解きがやたら多いのも特徴。

関係ない場面でもエビを自由に射出出来るので、

青き夜の街をエビの赤で染め上げよう!

そうかこのゲームは『スプラトゥーン』だったのか……。

 

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クリアまでは7~8時間ほど。

グラフィックからUI、音楽に効果音、システム。

恐るべき作り込みを積み重ねて物語と舞台に厚みを与えているゲームで、

だからこそのストーリー展開から、

すべてが噛み合ったエンディングへとたどり着く流れが本当に美しかった。

ほぼ一人で作ったからこそ、ここまで芯のある作品に出来たんだろうなぁ。

謎と優しさが待つ不思議の街を旅する謎解きADV。

少しでも心に引っかかるものがあったら即遊んでもらいたい!