ハウスクリーニングサバイバル ダウンロード版 | My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)
『ハウスクリーニングサバイバル』のレビュー行くぜ!
メーカー:サンソフト
機種:Switch
ジャンル:爽快・お掃除シュミレーションゲーム
発売日:2021/03/18
価格(税込):2980円
特殊洗浄機を片手に、荒れ放題の部屋を掃除するゲーム。
見た目と内容で「海外インディーゲームの移植かな……?」と思ったら
サンソフト&ナイトメア・プロジェクトの完全新作だった。
『歪みの国のアリス』や『オズの国の歩き方』を手掛けたところね。
クレジットを見たらプログラムでSAT-BOXも関わってる模様。
見た目と価格でちょっと買うのは勇気が必要だったが、
『歪みの国のアリス』は昔遊んで好きだったし、サンソフトの完全新作ということで購入。
その結果「2021年に2980円で売るクオリティじゃねーぞ!?」と、
かなり落胆することになったぞ!
ストーリーは職を失った主人公が実家に帰るところからスタート。
両親は居らず、部屋は廃屋のような荒れっぷり。
そこに届いたのはMr.Unknownなる怪しい人物からのメッセージ。
両親は外国に旅に出て1年近くこの家に帰っておらず、
その間カギをかけなかったので実家は誰かの住処にされていたという。
しかも、両親は前金を受け取った
ハウスクリーニングの仕事を放置していたため、客から訴訟寸前。
Mr.Unknownも特殊清掃機のリース代金を請求するという。
相談の結果、主人公はお借りした特殊清掃機で
借金返済のためにハウスクリーニングの仕事をすることになる。
次々にMr.Unknownから舞い込む怪しい仕事……。
果たして主人公は借金をすべて返済できるのか!?
という、むちゃくちゃだけど世知辛い導入になっているぞ。
ゲームとしては非常に単純で、めちゃくちゃに汚れた家をとにかく掃除していく
壁の汚れだろうがなんだろうが、
特殊清掃機の特殊アルコールをぶっかければ汚れは消えるぞ。
人体に入るとヤバい影響があるらしいが、気にせずぶちまけていけ!
ダンボールや本といったゴミはボタン一つでポイポイ捨てられるし、
食器はまとめて流し台へ、衣類は洗濯機にぶち込めば良し。
ステージには「壁を〇〇%綺麗にする」みたいなTodoが複数用意されており、
これをすべてこなして家から出ればステージクリアだ。
Todoを達成した後も掃除を続けて、総合的な清掃率を100%にしてもクリアとなる。
制限時間や敵を倒すアクション要素などは一切なく、
本当に家を隅々まで歩き回って掃除をするだけのゲームだ。
とはいえ、特殊洗浄機による汚れの落ちっぷりは見ていて気持ち良く、
汚物塗れだった家がどんどんピカピカになっていくので、
プチプチを潰すような楽しさがあるかな。
マップを開くと汚れている箇所が一目瞭然なため、汚れを見落とすことも無いぞ。
それにしても汚ねぇマップだな!
ゲームのメインは清掃パートよりステージ前後の会話デモかな。
依頼でやってくる家は、家の中で焚火をしたので煤だらけとか、
パイ投げパーティをしたのでパイだらけとか、最近人が死んだとか、
どう考えてもおかしい案件ばかり。
しかもゲームが進むにつれてヤバさがエスカレートしていく。
そこで仕事をしなきゃいけない主人公は当然ツッコミを入れるんだけど、
根がド天然なので、すぐに論点をずらされて丸め込まれてしまう。
この主人公と、人を喰った態度のMr.Unknownのやり取りが魅力的。
ただ、掃除を淡々としていくゲームなのであっという間にダレる。
部屋にあるアイテムから住人の細かいプロフィールが読み取れるとか、
清掃中にも会話イベントが豊富にあるとか、
清掃中に主人公の独り言でストーリーを掘り下げるとか、そういう要素がほとんど無い。
基本的に無言で掃除をするだけだ!
家具やゴミの種類も少なく、似たような汚れ方ばかりなので、
どこも似たような家に見えてくる。洗濯機やシンクのデザインが全部一緒だったりね。
部屋数が増えていく後半は掃除がかなり面倒だ。
徐々にホラーっぽいノリが強くなっていく構成は好きなんだが……。
グラフィックや演出が淡々とし過ぎているので物足りなさが強いね。
エピソード4のアレみたいなのもっと欲しかったなぁ。
遊んでいるこっちがツッコミを入れたくなる主人公の言動と、
なんだかんだ主人公のことを気に掛けるMr.Unknownは良いコンビしていて、
会話は楽しいんだけど会話シーンがそもそも少ない!
ストーリー自体も結構消化不良だ。
ヤバさを匂わせて後は想像に任せる手法なのは理解できるんだけど、
さすがにもう一捻り欲しかった。
あと、カメラの反転設定はあるんだけど感度調整が一切できない。
カメラの移動スピードがやや早めなので、3D酔いする人はきついかも。
全ステージ100%クリアまで遊んで3時間ちょっと。
10年くらい前にWiiやXbox360で発売された1000円のゲームだったら
まあこんなもんかなと言えたけど、
これ2021年にSwitchで発売された2980円のゲームなんだよな!
あまりに厳しいぞ!
サンソフトとナイトメア・プロジェクトの実験作に2980円お布施出来る人以外、
誰にもオススメ出来ない内容だったぜ……残念!