うチューしんしゅチュー ダウンロード版 | My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)
『うチューしんしゅチュー』のレビュー行くぜ!
メーカー:サクセス
機種:Switch
ジャンル:横スクロールアクションゲーム
発売日:2021/03/18
価格(税込):800円
宇宙人の侵略で人類は滅亡寸前!
そこに現れたのは「チュー」で宇宙人を虜に出来る女の子サタデーちゃん。
武力ではなくチューの力で宇宙進出!地球を救え!
キャッチコピーは「宇宙一、インピュアなチュー」だ!
という、めっちゃ能天気なノリが最高の2Dアクションゲーム。
サクセスは元々尖ったゲームを色々出していたメーカーだが、
DSくらいからスマホとブラウザゲーム中心にシフト。
あんまり家庭用でゲームを出さなくなっていたが、
近年『海腹川背 Fresh!』など少しずつ展開を増やすようになり、
満を持してやってきたSwitch完全新作が『うチューしんしゅチュー』だ!
思い入れのあるメーカーだったので楽しみにしていたんだが、
実際に遊んだらアクションゲームとしてあまりにもガタガタな完成度で、
とても悲しくなったぜ……。
全51ステージ構成。メニューを手に持ったサタデーちゃんがかわいい。
ステージ内の敵をすべて倒してゲートに入ればクリア!というルール。
うろついている敵に「チュー」をすることで仲間に出来る。
仲間になった敵は、使い捨ての弾としてぶん投げて攻撃に使えるぞ。
接近攻撃の「チュー」で敵を仲間に出来る。
その仲間を敵にぶつけると動きが止まるので簡単に「チュー」が出来る。
この繰り返しで進めていくゲームだな。
宇宙人ども!サタデーちゃんのために流れ星になってくれ!
分かりやすいルールだし、操作も移動、ジャンプ、投げる、チューと単純。
人類を脅かす侵略宇宙人も愛嬌あるデザインだ。
ボス戦で勝つと「チュー」する勝利デモが見れるぞ!
ボスはうさサーの姫が可愛いけど、
俺はフラットウッズモンスターが好きなのでタイタン太郎がお気に入り。カッコいい。
グレイ型宇宙人もいるし、色々とコテコテな雰囲気が楽しいね。
しかしゲームとしては厳しい……。
まずすべての基本である「チュー」の攻撃判定が異常なまで狭くシビアな上に、
サタデーちゃんは一発でも攻撃を喰らったら即死というルール。
初回プレイだと「どうなってるの!?」ってパニックになるくらい攻撃が当たらないし、
敵のタックルを喰らって死にまくるからストレス。
そして「色々な宇宙人をチューで仲間に出来る」と聞くと、
宇宙人毎に異なる能力が使えると思いがちだが、
単純に弾として投げた時に与えられるダメージの違いでしかない。
デカい宇宙人の動きを止めるには、小さい宇宙人2匹をぶつける必要があるが、
別のデカい宇宙人をぶつければ1匹でいい、みたいな。
ステージ構成も非常に単調で仕掛けなどは無い。
足場の上で左右移動する宇宙人を1匹1匹潰していくだけだ。
高速で動き回る奴とか、ビーム撃ってくる奴がいてかなりイライラするぜ。
慣れてくるとスピーディに進めるようにはなる。
まず弱い宇宙人を連続で仲間にして、
そいつらで強い敵の動きを止める→その強い敵を他の敵に投げる。
この繰り返しを覚えればサクサク進む。
ただ、本当にこれを繰り返すだけのゲームで、
敵の当たり判定のデカさにも苦しめられるので別に面白くはならない。
「ファミコンのアクションゲームを思わせる構成」……とは言いたくないな!
単に練り込みが足りてないだけだわ。
ザコ戦は慣れてくると作業として処理できるが、酷いのがボス戦。
ボスの動きを止めるのに敵の数が全く足りないし、ボスにやられると仲間は全没収。
攻撃パターンを見切ってチューでダメージを与えるしかないため、
「アホみたいに射程が短いキャラでボスを殴るだけの一撃死ゲーム」になる。
ゲームコンセプトが崩壊している。
ボス2体目の「オクト王」の攻撃パターンが異常にシビアでかなり苦戦させられるが、
かと思うと3体目と4体目と5体目とラスボスはそんなに強くなかったり。
ゲームバランスはむちゃくちゃだ。
何度かやればクリア出来るゲームにはなってるんだが、それは
「何もかも雑だけど無限コンティニュー可能で1ステージが短いからクリアは出来る」
というだけであって、別にゲーム自体の作りがちゃんとしてるわけではない。
商品ページに「全51ステージ」と書いてあるが、
25ステージクリアした段階で難易度が上がった2周目がスタート。
そこをクリアしてやっとラスボスと戦える。ただでさえ単調なゲームなのにしんどい。
BGMは『ゲーム天国』や『ドラゴンシーズ』の荒川憲一が担当しており、
宇宙が舞台のコミカルなチップチューンとして絶品。
ここは文句なしに素晴らしいところだね。それにしてもこのスタッフの少なさよ……。
3時間ほどで全ステージクリア。
アクションゲームを作ったことが無いスタッフの作品なのかな……?
としか言えない完成度。
基本的なことに神経を使わされる調整なので、遊ぶほどに心が砂漠になっていく。
アクションゲーム部分以外は魅力的なゲームだったので非常に残念。
「チュー」で宇宙人を虜にして地球を救え!
というほのぼのと黒さが同居した設定は面白いし、
エンディングも良かっただけに勿体ないなぁ。
皆さんは公式が出してるサウンドプレビューだけ聞いて帰っといてくださいね。