METALLIC CHILD ダウンロード版 | My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)
『メタリックチャイルド』のレビュー行くぜ!
パブリッシャー:CREST
機種:Switch/PC
ジャンル:ローグライト・コアアクションゲーム
発売日:2021/9/16
価格(税込):3980円
備考:PS4/PS5版は2022年予定
韓国の開発スタジオであるStudio HGが手掛ける完全新作。
めっちゃ可愛い機械の女の子ロナが、
でっかい腕やハンマーを振り回して戦うSFアクションゲームである。
同スタジオが以前手掛けた『SMASHING THE BATTLE』が個人的にイマイチだったので、
今回のも面白そうだけどどうかな……?
と、不安になりつつ買ったがまったくの杞憂だった!
アクションもシステムも単純明快かつ爽快。
ストーリーやキャラも良かったし満足な1本だぜ。
舞台は2086年。
大規模な反乱により、宇宙船ライフストリーム号は地球への落下を始めていた。
落下をすれば地球に多大な被害が発生するという状況の中、
心を持ったアンドロイドの少女、「メタリックチャイルド」のロナが、
地球にいる人間(プレイヤー)の遠隔操作で立ちあがる。
反乱の首謀者はロナの生みの親であるアイリーン博士!
ロナは反乱を止めるために、8人の戦闘用メタリックチャイルドに立ち向かう!
というものだ。
プレイヤーの声以外は豪華声優陣によるフルボイスで展開されるぞ。
敵はロナと同型アンドロイドとか、ロナだけ戦闘用じゃないけど心があるとか、
倒したボスの力を奪えるとか、かなりロックマンの影響を感じる設定だね。
とか思ってたらモロにロックマンそのものが出てきて笑った。
しかも黄色く塗ってあってニセモノ感がすごい!
ゲームは入る度に変化するステージをクリアしていく構成。
武器は3種類で、手数の多いパンチ攻撃を行うガントレット、
バランスが良く、唯一ガードが可能なソード&シールド、一撃が重いハンマーだ。
部屋に入る!敵を全滅させる!何かアイテムが出る!回収して次へ!
を繰り返し、フロアを探索してボス部屋を目指す。
敵を倒した時に手に入る「コアエッセンス」を吸収することで、パワーアップが可能。
最大3つまで装着可能で、一定時間経過で消滅する。
強化、回復、補助効果などなど効果は多彩だ。
援護攻撃をしてくれるドローンが登場することもあり、
こちらは3つのスロットとは別枠扱いとなっているぞ。
ただし、コアの効果は吸収してみるまで分からないし、
マイナス効果のあるバグコアも混じってる。
喰らうダメージがアップしたり、回避やガードが使えなくなったりと、
結構キツめのマイナス効果もあるぞ。
バグにはグラフィックに干渉してくるものも。
これは画面にスパム広告が表示されるものだ。邪魔!
ロナの見た目がカクカクしたものになったりも。
BGMもチップチューンアレンジに変化するぞ。これは凝ってて面白いし無害!
戦ってエネルギーを溜めていくとスーパーコアをインストール可能。
こちらは永続パワーアップで、表示されたものからプレイヤーが選択できる。
ただし、バグコアを引いた時に手に入るバグデータが無いと覚えられないものもあったり。
バグコアもデメリットだけではないってわけね。
バグデータが足りなくてもインストールを保留できるので、
欲しいスーパーコアがある時は後回しにしても良し。
スーパーコアはランクがB~Sまであって、
Bを取ると次はA、Aを取ると次はSと、確定で上のランクが出現する仕様。
やったことが無駄にならない作りになってるね
コアエッセンスによるパワーアップには時間制限があるが、
たまにアイテムの代わりに出現する「コアジェネレーター」で、
残り時間のリセット&強化が行えるのが上手い作り。
強力なコアエッセンスを引けたのでボス部屋に直行したいが、
フロアの探索率を100%にしてからボス部屋にいくと結構良いボーナスが貰える。
途中でコアジェネレーターが出ればさらに強く出来るし、
時間的には間に合うかな?なんてペース配分に悩むのが楽しい。
「ちょっと強すぎないか」ってパワーアップがいくつかあって、
上手い組み合わせで強化の重ね掛けが出来ればボスも圧倒出来る。
やや大味だが、ここも爽快で好きなところだな。
あと、パワーアップに制限時間はあるけど、
時間が減るのは戦闘中だけってのは気が利いてて高評価。
移動時間で無駄にパワーアップを消耗することは無いのだ。
道中で手に入る武器も様々な特性があり、
2つまで持っていけるので選別が楽しい作り。
武器を拾った時のシステムボイスが武器毎に用意されていて、
このボイスがちょっとニチアサっぽいのも好き。
他にも拠点での永続的な強化など色々なシステムがあるけど
基本は敵をボコってパワーアップを喰ってまた敵をボコって探索!
の繰り返しなので分かりやすい作りだし、
豪快な攻撃の数々、小気味良い効果音、キレッキレの演出で、
とにかく動かしていて気持ち良いね。
投げは隙こそあるものの、敵を他の敵や壁にぶつけたり、
敵の弾を防ぐ盾にしたりと使いやすい。
炎の床などトラップに敵を投げ込んで瞬殺も可能!
通常攻撃で溜まるバッテリーを消費してスキル攻撃や回避、ガードを使うんだが、
ここの使い分けも面白いところ。
ガードはジャストガードのタイミングが緩いからボス相手でも強力!
正面から守りつつぶん殴れる!
ただ、ガードし続けるとバッテリーをどんどん消費していくし、
複数の敵相手だと後ろから殴られてしまうので、
距離が取れる回避の方が有用な場面もあるぞ。
ステージ毎にギミックなどできっちり地形を差別化してあるし、
ランダムイベントで通りすがりのストリーマーが現れたり、
アイリーン博士のライバルだった博士が挑戦してきたりもするので、
単調にならない工夫があるね。
待ち受けるボスは一目見ただけで「良い!」となるナイスデザイン揃い。
立ち絵だけじゃなく、戦闘中の動きもめっちゃカッコ良いのだ。
声優陣の熱演もあり、ボス前のちょっとした会話だけでキャラをバッチリ立ててくる。
話が通じそうで通じない奴らばかりで、戦闘用なだけある……!
見上げるほどの巨体を誇るギガンティックは特に強烈。
ロアの両手と両足を破壊してここで一緒に暮らそう!とか言い出すやべー奴。
この「手は愛を突き飛ばし、足は愛を逃がします」ってセリフのセンスが凄い。
主人公であるロナも魅力的で、
悩み傷付きながらも健気に頑張る姿は応援したくなる。
ロナの仲間で人間不信のロボットであるパン、
遥か遠い地球からサポートする主人公の3人で進むストーリーは、
笑いあり涙ありで王道の良さがあるね。ロナが本当に可愛いんだわ……。
ただ、主人公のセリフだけはちょっと翻訳感が強い。
全体的にテキストとボイスの質が高いだけにやや気になったところ。
ボスとの会話が1回ずつなのも残念だ。魅力的な奴らだけにね。
ゲーム難易度がSTORY/EASY/NORMAL/HARDの4段階で、
STORYにすると無敵モードも使用可能になるので、
ストーリーや演出だけ楽しみたい人も安心の作り。
「基本的な難易度が高めに設定されている。」とあるんだけど、
最初こそ苦戦するものの、コツを掴めばボスも楽勝なバランス。
アクションゲーム慣れてる人ならNORMALで程良くサクッと楽しめる調整かな。
そういうゲームで非常に楽しかったんだが、
難点としてはまず途中で挟まる3Dのシューティングステージ。
弾が避け辛いわ、連打で指が疲れるわで微妙だった。
悲しいことだが、こういうアクションゲームに挟まる変則3Dステージは、
あんまり面白くないと相場が決まっているのだ……!
専用メカに乗って戦う演出とBGMはめっちゃカッコいいんだけども。
ボスを倒すと相手の強力なMCスキルを奪うことが出来て、
以降は最大2つ装備して出撃可能となる。
また、着せ替えパーツで特定のMCスキルを強化も出来る。
これ自体は面白いシステムなんだけど、
2つ持っていけてもMCスキルに使用するゲージが共通なので、
結局は強化した1個だけを使い続けることになるのは惜しかったな。
ゲージを個別にしたら戦略の幅が広がったと思う。
まあ、分かりやすいと言えば分かりやすいけど。
俺はヒドラウォーム召喚して数の暴力で押し切るのが好き。
探索率を100%にするのが戦略のゲームなのに全体マップがちょっと見辛く、
特に最終ステージは通路が表示されないせいもあって面倒だった。
ゲームを進めると修復ツールを使って舞台背景を掘り下げる資料や、
多数のファンアートをアンロックするシステムが解禁されるんだが、
この修復ツールのアンロック条件が分からなくて、
クリア後に色々やってようやく使えるようになった。バグかと思ったよ!
調べてみると何度か死んで拠点に戻るとイベントが発生するっぽいんだけど、
俺の場合だと何度やっても全然発生しなくて、
ボス部屋で死んだときにたまたまアンロックされた。
単純な回数だったのか、ある程度進んでから死なないとダメなのか……。
分からないままだったなぁ。まあファンアート見れて良かった。
動かしてる感触、ノリノリのBGM、程良く手軽なシステム、魅力的なキャラと。
総合的な満足度が高い快作だった!
程良く緩いので、ローグライク系のアクションはちょっと飽きて来たなぁ……。
という人でも楽しく遊べると思うね。荒さもあるが全体的には丁寧な作りで良かった。
これがほぼ個人開発というのはマジで凄い。
今後のシリーズ展開にも期待してるぜ!