トロコンしてオン対戦も80戦くらいしたので
『鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚』のレビュー行くぜ!
俺はPS5版でプレイしたぞ。
パブリッシャー:アニプレックス
機種:PS4/PS5/Xbox/PC/Switch
ジャンル:鬼殺対戦アクション
発売日:2021/10/14(PS4/PS5/Xbox/PC)2022/6/5(Switch)
価格(税込):8360円
アニメ版『鬼滅の刃』の無限列車編までをゲーム化した3Dアクションだ。
開発はお馴染みサイバーコネクトツー。
ちょっと前に原作を全部読んでハマった勢いで購入したが、
色んな意味で贅沢過ぎる作り込みに感動した。
アニメ版の範囲までなのでキャラ数やボリュームに少し物足りなさはあったけど、
グラフィックは説明不要の超絶クオリティ。
本編の死闘も上手くゲームに落とし込んである。
ファンならグッと来るネタや笑えるネタも織り交ぜてあって、
ゲームオリジナル展開も満足高い。
対戦も分かりやすいシステムながら白熱する作りだった。
現状でこれ以上の物は作れないだろうという熱量に溢れた1本!
メインとなるモードは立志編~無限列車編までを追体験する「ヒノカミ血風譚」と、
オンライン、オフラインで自由に対戦できる対戦モードの二つだ。
他に、登場キャラと1体1で戦って教えを乞う「戦術指南」がある。
「ヒノカミ血風譚」は錆兎とのチュートリアルからスタート。
炭治郎の投げ技が頭突きだったので、
これで錆兎を倒して歴史改変しようと思ったけどトドメがQTEなので無理だった。
さすがサイバーコネクトツーだけあってグラフィックは極まってる。
3Dモデルと陰影表現の完成度が高すぎて、
保存したスクショ見返す時にアニメのワンシーンと間違えそうになるぞ。
3Dで動いてるのに表情に全然違和感がない。
特に善逸の顔芸にどんだけ手間かけてんの!?
って言いたくなるくらいギャグ顔のこだわりが凄い!
善逸が騒ぐたびに笑いと一緒に「顔すごいな!」ってなる。
あの心優しい炭治郎の……。
数少ない蔑み顔も3Dで完全再現してるぜ!
鬼との死闘も迫力満点。
ステップ回避やガードを織り交ぜながら、攻撃のチャンスを伺う分かりやすい作り。
技ボタンと方向キー、ガードボタンの組み合わせで色んな技をバシバシ出せて、
ボタンを押すだけで相手に高速で接近する追尾ダッシュもある。
アクションとしては単純だが、スピード感あって動かしてて気持ち良い。
鬼の体力が減ると体が赤く光って一定時間猛攻撃。
耐えると攻撃のチャンスがやってくる……ってのは、
『ドラゴンボールZ KAKAROT』を思わせるね。
鬼の再現度は見事。
巨大化した手鬼は3Dだとマジで化け物としか言いようがない迫力だし、
響凱は鼓による部屋の回転と斬撃をQTEとステップ回避で避けまくる必要があるし、
矢琶羽に矢印攻撃を喰らったら空に吹っ飛ばされるし、
その時に滝壺を繰り出せばちゃんと着地ダメージを打ち消せる。
鬼との戦いをアクションゲームにしたらこうなる!
をきっちり体感させてくれるのがキャラゲーとして見事。
炭治郎の自分に言い聞かせるような独白が、
3Dアクションのボス戦にすげーハマってるのもいい!
矢継ぎ早に飛んでくる鬼の攻撃をステップで避けてる時に、
セリフで何度も念を押されると手に汗握っちゃう。
炭治郎が頑張っているんだから、俺も頑張らねばという気持ちにさせられる。
やられてもコンティニューすれば体力回復してその場で復活可能。
腕に覚えがあるならば完璧なプレイでクリア評価Sを目指せばいいという作りだ。
漢字にフリガナが振ってあったり、幅広いユーザーが楽しめるようにしてあるね。
累との決戦ではちゃんと「竈門炭治郎のうた」が流れるし、
無限列車編は「ここに気合を入れなきゃどこで気合を入れるんだ!」
という鬼気迫る映像表現で圧巻だった。
ゲームオリジナルとして本編の掘り下げがあるのも良いところ。
基本は原作再現なのでそこまで数は多くないんだが、
まさにゲームならではの「粋」な描写が用意されていて最高だったぜ。
ちょっとしか出ないキャラもしっかり再現モデル作ってあるので、
金掛かってるキャラゲーだなぁ、って感心してしまった。
低予算のキャラゲーを数えきれないほど遊んできた身なのでね……。
善逸に粘着されてブチ切れた娘さんもちゃんとポリゴンがあるぞ!
バトルの合間に挟まる探索パートは匂いで鬼の場所を探ったり、
通行人と会話したりして進める。
マップはそこまで広くないし一本道だし、ここは取っつけた感あるかなぁ。
ちょっとした段差をジャンプで乗り越えられないのも気になる。
まあ、そこまで長いパートではないから、テンポ悪いと言うほどでは無いし、
マップはアニメの雰囲気がよく出てるので歩く楽しさもある。
最終選別に参加したモブとの会話とかも面白かった。
浅草でマイケル無惨を追う時にやたら遠回りして裏道を歩かされたり、
診療所に行く時にモブ鬼と何回も戦う展開があって、
そこはいかにもゲームの強引な都合って感じがしたけど……。
愈史郎さんが
「珠世様は案内をしろとは言ったが、診療所まで連れてこいとは言っていない。」
とか言って炭治郎を撒こうとするのはいかにもやりそうで笑った。
炭治郎を殴るなって注意されて投げに切り替える人だからな……。
善逸を操作するパートにやたら気合が入ってるのも耐えられなかった。
善逸のビビり表現への気合いが凄い #PS5Share, #鬼滅の刃ヒノカミ血風譚 pic.twitter.com/4GZ3V73YH2
— ゲームブロガー双葉ラー油 (@daikai6) October 16, 2021
善逸のビビリ描写へのこだわりが異常過ぎるだろこのゲーム!
でも霹靂一閃の動きもめっちゃカッコいいので見事な再現である。
アクションゲームということでカットされているシーンも多いんだが、
そこはゲーム中に手に入る「想いの欠片」で補完してる。
アニメの画像を使ったショートムービーを閲覧できるモードだが、
回想形式でまとめられているため、アニメになかったやり取りが豊富に含まれている。
例えば、無限列車でそれぞれが見た夢の内容を、
炭治郎、善逸、伊之助でお互いに振り返ってあーだこーだ言い合ったり。
ちゃんとボイス付きなのが嬉しい。
やり込み要素として、本編と関係ない鬼と戦う特別任務があるんだが、
最後の「仏堂にうごめく悪鬼」戦でSランクを取るのはかなり大変だった。
ほぼノーダメージで勝たないといけないのに、
敵の鬼が体力が減ると3人に分身して殴りかかってくるという、
いかにも陽の光を避けてコソコソ人間を襲う事しか出来ない
卑怯者の薄汚い鬼風情がやりそうな不快な戦法を仕掛けてくるぞ!
S取れた時は「君の血鬼術はクソだった!」と叫びながらガッツポーズした。
褒章盤という要素もあり、様々な条件をクリアすることで、
対戦モードで使えるキャラ、アニメ画像を使った台紙、名言ボイスなどを集められる。
名言は脇役の細かいセリフもあったりでファンとしては嬉しいところ。
禰豆子の名言一覧はちょっと面白い。ムムー!
褒章パネルの条件が難しい!と思った時は「キメツポイント」!
もうちょっと他の名前無かった?と言いたくなる名前だが、
これを消費することで、
条件を無視して前述のおまけ要素やキャラなどをアンロックできる。
探索や対戦で少しずつ溜まっていくので、どうしても難しい条件はキメポに頼れる。
ただ、アンロック以外にキメポを使える場所が無いので、
俺みたいに「全部自力でやるぜ!」って人だとまったく使わないね。
対戦モードでは鬼殺隊同士で2vs2の対戦を楽しめる。
オンラインではランクマッチもある。
鬼殺隊同士でバトルしてるのはさておき!
操作キャラは「炭治郎」「禰豆子」「善逸」「伊之助」
「冨岡義勇」「鱗滝左近次」「錆兎」「真菰」
「胡蝶しのぶ」「煉獄杏寿郎」「村田」「炭治郎(ヒノカミ神楽)」の12人に、
基本性能は同じだが、衣装と一部演出、セリフが違うキメツ学園verのキャラが6名だ。
アニメの範囲内ということでかなり苦しさを感じる顔触れだな!
一応、今後のアップデートで鬼が6名追加されることが予告されている。
無限列車編までの範囲だと仕方ないところではあるんだが、
「錆兎」「真菰」までいるならカナヲは欲しかった。
技がどうしてもネタバレになってしまうからかなー。
ストーリーモードの柱が勢揃いしたシーンでは
「今回プレイアブルじゃない人がいっぱいいる!」って叫んでしまった。
悲鳴嶼さんがプレイアブルのゲーム出るの何年後だろう……。
対戦アクションとしてはなかなか良く出来ている。
簡単操作でド派手なコンボがガシガシ繋がるし、
奥義・解放ゲージを使って解放や全集中状態になれば凄まじい火力が出る。
超必殺技である奥義もシンプルに強い。
一発コンボが入っただけで5割以上が吹っ飛ぶなんて日常茶飯事だ。
しかしアシストゲージがあれば仲間を使ってコンボから脱出できるし、
試合が3本先取で奥義・解放ゲージだけは持ち越しだから、
使うタイミングを誤ると途端に不利になる。
ゲージ管理しながら、ジャンプやステップ、ガード、捌き、アシスト攻撃で相手をけん制し、
隙を突いてコンボに繋げる。ギリギリの読み合いと刺し合いが緊張感ある。
自分のゲージを見るのと同じくらい、
相手のゲージを見るのが大事なゲームになっている。
キャラの個性付けもしっかりしてて、罠を設置する鱗滝や、
シャカシャカ動き回って霹靂一閃で一撃を狙う善逸、
スーパーアーマー持ちのタックルで飛んでくる伊之助などなど。
どのキャラも動かしてて楽しい仕上がりだね。
禰豆子の爪攻撃にカッコいいエフェクトとスピーディな動きを追加したら、
動きが完全にウルヴァリンになったのはちょっと面白かったが。
明らかに弱そうな村田さんは
仲間を呼ぶアシストゲージを回復させる能力で個性付けしていて、
「水の呼吸できるけど技量が無いからエフェクトが薄い」って設定も拾ってる。
今回の範囲内だとどうしても水の呼吸のキャラが多くなってしまうが、
しっかりと動きは差別化されてるぞ。
もはや説明するまでも無いと思うが奥義演出も最高。
錆兎や真菰の奥義演出はほぼオリジナルなんだけどめっちゃカッコいい。
煉獄さんのド迫力エフェクトもさすがだったし、
伊之助の止め絵を使った演出もシビれたぜ。
キメツ学園のキャラも性能はコンパチだが、奥義演出はオリジナルで手抜かり無し。
これは炭治郎がフランスパンを焼くと相手が燃えて死ぬ技です。
キメツ善逸の奥義が相手の性別で変化するのも細かいところだ。
このゲーム、拘ってる部分を紹介すると高確率で善逸の話になるな?
非常に満足いくゲーム化だったんだが、
不満点は浅草戦のクライマックスで矢印をまとめて喰らった炭治郎が、
空中で技を次々に繰り出して威力を相殺するシーンにQTEが無いことだよ!
俺は原作で読んだ時からこれは絶対ゲームでQTE入るなって!
QTEで絶対やりたいシーンだなって!
サイバーコネクトツーがどういう感じにQTEを入れてくるかなって!
もう入るのは確定でどう料理するかを楽しみにしていたのに!
蓋開けたら無いのめちゃくちゃ残念だったよ!!!!!!
ここが一番の不満点です!
サイコロステーキ先輩の出番カットも惜しかったし、
基本一本道だからもうちょっと寄り道を楽しめる要素も欲しかったね。
瓢箪割りと薬湯がけで謎のリズムゲーム始まるのが面白かったので、
こういうのもっと欲しくなってしまったが
変なミニゲームがあんまり多くても「いらねぇ!」って言われるだけだから難しいな。
ボリュームを水増しするために
変な要素を沢山入れてダルくなったキャラゲーは沢山見てきたし……。
無限列車編までって縛りなら、現状の作りでちょうど良いのかも。
現状、アニメを元にした『鬼滅の刃』のゲームで、
これ以上の物は作れないだろうというクオリティに仕上がっていた。
ファンなら嬉しい要素が盛り沢山で映像美も文句無し。
対戦も基本ルールと操作は簡単だが読み合いは奥深く、
オン対戦にロビー機能が無いのが勿体ないくらいには白熱した!
これ1本で終わらずに、シリーズ化して末永く続けて欲しいね。
まあ、わざわざ俺が言わなくても、
アニメに合わせた続編の開発は既に始まってると思うけどな……!待ってるぜ!