『デビラビローグ』のレビュー行くぜ!
俺がプレイしたのはiOS版ね。
メーカー:ケムコ
機種:PS4/Switch/PC/iOS/Android
ジャンル:デッキ構築型ローグライトRPG
発売日:2021/9/16(iOS/Android) 2022/07/07(PS4/Switch/Xbox/PC)
価格(税込):860円~1320円
備考:Android版は広告付きの無料版アリ
ケムコの新作RPGで開発はエグゼクリエイトだ。
昔からケムコと組んで定期的にRPGを出してるところね。
入る度に変化するラビリンスの突破を目指すカードRPGで、
戦いながらカードを集めてデッキを強化していく。
一言で言うと『Slay the Spire(スレイザスパイア) 』フォロワーだ。
しかし、こちらは3人のキャラをローテーションさせるシステムなので、
また違った戦略性が生まれている。
育成で少しずつ強くなれるシステムにそして魔界を舞台にしたストーリー、
濃ゆいキャラたちと、和製ならでは魅力にも溢れた1本にもなっていたぞ。
ケムコのRPGはそんなに沢山遊んでるわけじゃないが、
今まで遊んだ中では一番面白かった!
ゲームの舞台は様々な魔族が暮らす魔界。
魔王の息子である主人公のセイルが、
新たな魔王を決める「魔王選定戦」に挑むというストーリーだ。
魔王になるには支持者となってくれる仲間を集め、ラビリンスに挑み、
資格であるザガンクリスタルを5つ集める必要があるのだ。
ストーリーに沿って様々なラビリンスを攻略していく構成で、
ラビリンスはどのルートを進むか選択するだけ。
戦って強くなるか、何が起こるか分からないイベントマスを取るか、
レアアイテム目当てに強敵に挑むか、ショップを進むか……。
パーティの状態を考えながらチョイスが重要となるね。
「戦力増強しておきたいけど、残り体力が不安だから安全なルートを進もう!」
「序盤だし先の展開に備えて強敵ルートどんどん取ろう!」
「ボス前だから休憩するか、いやもうちょっとでレベル上がるから戦うか」
とかね。一手先を見据えた立ち回りを要求される。
最深部で待ち受けるボスを倒せばクリアとなるぞ。
やられたら最初からでレベルやデッキ状況はリセットされる。
イベントは選択肢で様々な効果が発生するが、
1度選んだ選択肢と、それで何が起こるかは記録されるのが親切。
戦闘は毎ターン回復するマナの範囲内でカードを選んで戦っていく。
3人パーティ制で、基本的に敵の攻撃は前衛が受けるし、
後衛はほんのちょっとだけHPが回復する。
仲間は特性やHPも異なるので、
残り体力や行動順を考えながら、隊列チェンジを活用するのが勝利の鍵だ。
敵の行動やそれによるダメージは可視化されているので、
体力に余裕のあるキャラで敵の攻撃を受けたり、
集中攻撃でやっかいな敵を素早く落としたりと、
3人パーティ制ならではの立ち回りが楽しい作り。
仲間と力を合わせて、手数の多さと体力の多さで敵を押し切るのだ!
ただ、3人パーティ前提のゲームということは、
1人でもやられると一気に不利になるということでもある
序盤過ぎた辺りから結構難易度も上がってくるので緊張感あるぜ。
現状のデッキと相談しながら、どのカードを入手するか頭を悩ませるのも楽しい。
コンセプトをしっかり決めてカードを選ばないとデッキが回らない。
でも入手カードはランダムだし、
ショップやイベントでデッキに入れたカードの削除も出来る。
意外なカードが揃って来たら途中で方向性を調整するのもアリ。
こうやってやりくりしていくのはデッキ構築型RPGの醍醐味だね。
3人パーティ制で行動回数が多いので、
回復系のカードがかなり強いのも特色と言えるかな。
ボスや強敵相手の戦闘などではレアアイテムである秘宝を入手可能。
永続で様々なパワーアップ効果があるので、
上手くハマると爆発的な威力を発揮する。こちらもどれを選ぶか悩みどころ。
あんまり使い道無いなーって秘宝もあるので、入手タイミングのたびに一喜一憂だ。
「敵からのダメージを1減らす」「敵へのダメージを1増やす」とかが、
一見弱そうに見えて連続攻撃関連で強いのは
元ネタの『Slay the Spire(スレイザスパイア) 』譲り。
例えば「3×4のダメージを与える」を「4×4のダメージを与える」に出来るから、
効果を重ねていくと凄いことになるのだ。
ラビリンスによって使えるデッキが異なる仕様で、
選んだデッキによって出現するカードと初期状態の手持ちが変化する
デッキは5種類で、1度クリアしたラビリンスでは自由に選べる仕様。
どれも個性的なので戦略がガラッと変わる。
デッキごとにガチャも用意されている。
ゲーム内通貨で回すことで新しいカードや秘宝が出現するようになる仕様だ。
つまり新しいデッキが解禁されたら、
ある程度新しいガチャを回さないとレアカードの種類が増えない!
っていうかこのデザイン、ガチャじゃなくて昔のカードダスじゃねーか!
ちょっと大変だがガチャには「ステッカー」というおまけも大量に混じっていて、
当たると初期HPや特定のカードの性能、レアカード&アイテムの出現率などが、
累積で少しずつ強化される。新しいラビリンスが難しいと感じたら、
一度クリアしたラビリンスに挑んでお金を稼ぎ、
ガチャを回すことで戦力の底上げが出来るってことね。
RPG的な育成要素と思えば納得できるシステムではあるし、
ガチャから出た新しいカードや秘宝で「こんな能力が!?」と驚けるのは
やはりワクワクするところ。
お金はゲーム内実績の解除でもガンガン増えていくので、
結構稼ぎやすいバランス。
また、邪光石という特殊アイテムで様々なサポート機能も解禁だ。
邪光石は課金アイテムだが、普通にプレイしててもそれなりに手に入るし、
ゲームバランスぶっ壊すような機能は少ないので、
ガンガン使うくらいで丁度良いかも。
俺は無難に「初期レベル+1」の効果に全部突っ込んだ。
1度クリアしたラビリンスでは「カルマ」という縛りを設定することで報酬もアップ。
自分のプレイスタイルに合ったデッキで、高難易度ラビリンスに挑める!
メインストーリーをクリアするだけでもかなりボリュームあるんだけど、
このカルマ積みまくった高難易度ラビリンス制覇や、
クリア後要素も含めるとかなり果てしない作りだね。
魔界を舞台にしたドタバタなストーリーも面白かった。
主人公のセイルは魔王の息子だが心優しく、過去の出来事がきっかけで主張も弱い。
とても魔王には向かない性格で、周りからの支持もなかなか集められない。
逆にヒロインであるエリゴールは態度はおしとやかだが、
「魔王の妻」というポジションを狙ってセイルにグイグイ迫って引っ張っていく。
ちょっと掘り下げが甘めなところも多かったが、
この2人がぶつかり合いながら成長し、
周りに少しずつ仲間が集まってくるシナリオは遊んでいて楽しかった。
セイルとエリゴール、お似合いだなぁと微笑ましくなったわ。
3人目のパーティメンバーであるナーベルスもいいキャラしてる。
お金稼ぎとお金を使うことが大好きな獣人キャラ。
楽天的な明るい性格で、
何か困ったことがあると脳死で大金をドンと出して解決してくれる。
とても都合の良い女だぞ!
でもお金の使い道を他人に決められそうになると、
ライン越えの発言と判断して真顔でブチキレるところ好き。
脇役も良いキャラが多いんだが、お気に入りなのはフールフール。
日本被れで忍者のマミーという、属性過多っぷりが光る。
しかしこいつがボスで出てくるラビリンスは難易度がやたら高いのでヘイトも高まるぜ!
やはり忍者は汚いな。
秘宝のフレーバーテキストもネタっぽいのが多くていい味出してる。
人間界から流れ着いたものが魔族視点で考察されており、
どこかズレたものが満載だ。
他のケムコ作品のネタもちょいちょいあったりする。
お前は!『イノセントリベンジャー』を遊んでない俺でも知ってるぬりかべヒロイン!
こちらはレイジング……シープですね!
意外とネタが幅広い。
満足なデキだったが、気になった点としては終盤に挑む「試練の塔」が
ちょっと運要素強すぎるところ。
ランダムで選ばれる2つのデッキをミックスして使う特殊ルールなので、
他のラビリンス以上に序盤のカード運に左右されるのできつかった。
あと、全体的に敵キャラの個性が弱めで、
「ここのボスはこういう特殊な動きをしてくるから対策しよう」
みたいな箇所が少ない。
まあ、これはデッキの自由度にも繋がっているから長所でもあるかな。
ラスボスはさすがに結構な初見殺しで歯応えあったし、これはこれで個性よ。
RPG仕立ての探索パートがあって、
基本的に拠点の横にいるハーゲンティに話を聞けば行く場所は教えてくれるんだが、
マップが広いので一部のサブイベントがちょっと面倒だったね。
そんな『デビラビローグ』!
1プレイが短い上に収集&育成要素もあるから、ズルズルと遊び続けちゃう。
『Slay the Spire(スレイザスパイア) 』フォロワーとして確かな個性がある作りで、
そっちにドハマリした俺が遊んでも新鮮に楽しめたし、
しっかりしたストーリーもある。
難易度をいつでもノーマルとビギナーで切り替え可能なので、
この手のジャンル遊んだこと無い人でも取っつきやすいかな。
この安さでガッツリ長く遊べる1本でした。オススメ!