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すべてのおさわりサーガが今ここに!大満足の決定版『おさわり探偵小沢里奈 里奈となめこの事件簿』レビュー!【Switch】

 

 

おさわり探偵小沢里奈 里奈となめこの事件簿│サクセス

 

収録タイトル全部クリアしたので

『おさわり探偵小沢里奈 里奈となめこの事件簿』のレビュー行くぜ!

 


パブリッシャー:サクセス

機種:Switch

ジャンル:アドベンチャー

発売日:2022/10/06

価格(税込):5280円


 

おさわり探偵シリーズ15周年記念作品!

DSと3DSで発売されたシリーズ3作品に、

スマホ版(現在は配信終了)に収録されていた追加エピソードを加え、

更に大ボリュームの新規ギャラリーである

『おさわり探偵 大図鑑』を収録したコレクションタイトルだ。

これ1本でおさわりサーガを網羅できる!

 

 

これだけ入ってなんと!5280円なんですね!安い!

 

『おさわり探偵小沢里奈 』は怪しげなタイトルで当時サクセス社内でも

いかがわしいゲームを作っていると勘違いされていたくらいだが、

実際は児童文学的な雰囲気と強烈なキャラたちが織り成す

メルヘン&カオスな空気感が魅力のADVだ。

お子様でも安心して遊べるおさわりゲーとなっております。

 

#なめこ10th|なめこ栽培キット10周年|なめこぱらだいす なめこ公式サイト

 

今も現役バリバリやってる「なめこ栽培キット」の元ネタはこのおさわり探偵。

なめこがブームになる前の段階で続編が発売されたり、

児童書で小説が出たりねんどろいどが出たりと、

ちゃんと人気はあったんだが、なめこブームが凄すぎて霞んでしまったな……。

この機に改めて小沢里奈を推していきたい!

 

 

オリジナルはビーワークスとサクセス、セブンスコードが開発していたが、

今回の移植はロケットエンジンが担当だ。

製作スタッフ一覧はシリーズのお約束通り肩書に「おさわり」が付いてる!

マークで会社分けられてるのが凄く分かりやすいね。

なめこゲーに出てくる「マサル」の元ネタである

サイトウマサルさんの名前久々に見た。

 


最初のメインメニューから各タイトルと図鑑へ飛ぶ形式。

当時のパッケージイラストが壁に飾られている構成が良いね。

 

 

1作目と2作目に関しては

スマホ版から更に高解像度になってるのでめっちゃ綺麗。

3DSからの初移植となる3作目も1画面に再構成してるので手込んでる。

周りの壁紙もステキなデザインで色々な種類があるぞ。

 

 

何故かアーケードシューティング風の壁紙もあったり……。

よく見ると「この壁紙はゲーム進行と関係ありません」とか下に書いてある。

 

 

主人公は新米探偵である女の子「小沢里奈」。

相棒の不思議生物「なめこ」と共に、様々な事件に挑むストーリーだ。

盗まれた夢を取り返す依頼に始まり、誘拐事件の調査、

苦しむ妖精を助ける方法探し、怪盗に盗まれたお宝の捜索、

街から消えたピンクのそうめん探し、

町内スーパーカー消しゴム大会優勝を目指すなど。

シナリオは探偵らしいものからファンタジー感の強いもの、

「なんだそれは」と言いたくなるものまでバラエティ豊か!

 

 

エキセントリックな登場人物たちと、

それに対する小沢里奈のツッコミがクセになるノリで遊び続けてしまう。

 

 

毎話ごとにやたら仰々しいタイトルが付いてるのも特徴だ。

そんな深刻な話じゃなかったろ!?となるものから、

割とタイトル通りだったな!となるものまで様々。

 

 

基本的なゲームシステムは3作とも共通。

調査できる場所をあちこち移動して、

画面をタッチして情報とアイテムを集め、

物語を進めていく一本道のアドベンチャーゲームだ。

いわゆる「ポイント&クリック」タイプの作りだね。

元々DSと3DSとスマホのゲームなので、

Switchだと方向スティックでカーソルを動かして調べる形式。

携帯モードだとタッチ操作も可能だ。

 

 

入手したアイテムをタッチで調べたり、

2つのアイテムを組み合わせて謎を解いたりと、

推理ゲームというよりは脱出ゲームに近いかな。

 

 

小沢里奈が心の中でツッコミをつぶやくシーンが非常に多いため、

「芸風的にはおさわり探偵じゃなくてつぶやき探偵じゃね?」

という気持ちにもなってくるが、

まず画面をおさわりして調べるゲームなのが前提だし、

さわり心地の良いものを調べると「さわり心地図鑑」に記録される。

しっかり「おさわり探偵」してるぜ!いよっ!おさわり探偵!

 

 

ハズレ無しのBGMとOPのカッコ良さも注目。

これは2作目のOPだが毎回最高にイカしてるぜ!

 

 

ここからは収録作を1作ずつ紹介。

記念すべき1作目である『おさわり探偵小沢里奈』は2006年のDSソフトだ。

「盗まれた夢を探して欲しい」という不思議な依頼から幕を開け、

夢の世界やプラネタリウム、サーカスやアイススケート場などを巡るワクワク感に、

割と普通にホラーなシナリオ、いい話で締めるシナリオなど先が読めない展開。

そして最後のあのエンディングと、久々に遊んでも1作目は完成度高いぜ!

 

このシリーズ、小沢里奈の友人である「まなみ」と「ちとせ」が

事件のきっかけだったり、

一緒に捜査する仲間だったりする構成なんだけど……。

 

 

1話では騒音にキレた二階の住人からの床ドンを、

まなみがモールス信号での会話と思って棒で突き返す。

2話では事件現場を調べたいちとせが、

窓ガラスを投石でぶち壊して不法侵入したりとあまりに世紀末。

「ダメだこいつら……俺と小沢里奈となめこの3人でなんとかしなきゃ……」

という気持ちにさせてくれる素晴らしい治安の悪さだ。

改めて遊んだら2人ともヤバ過ぎて爆笑した。

 

 

でもちとせこと「ちーちゃん」、

恥ずかしがって言わないけど絵本大好きだったり、

事件の真相にまったくかすってないけど良い事言ったり、

空回りっぷりが可愛くてやっぱり好き。

まなみも毎回言動が斜め上で飽きさせない。

 

 

毎回フリーダムな言動とチート染みた発明スペックで小沢里奈を振り回し、

少年の心を忘れていない「じい」のトリッキーさもいい味出してる。

 

 

全体的にゆるい雰囲気だけど

「呪文」や「儀式」「幽霊」などの扱いに理論を通してあるのが

話を奥深くしているし、

かと思うと「世界観どうなってんだよ!」って言いたくなる展開や、

『ウィザードリィ』ネタがあったりとカオスで振り回されるのがたまらない。

 

 

アンヌちゃん、最近何か変わったことは?

 

 

この回答である。

 

 

スマホ版で追加された『なめこ・ザ・エスケイパー』は

全3ステージ構成の脱出ゲームだ。

なめこが主役でなめこの可愛さを堪能できる作り。

新規の背景も多いので、おまけシナリオに留まらないボリューム感があるね。

小沢里奈の家の天井裏が確認できるのは本作だけ!

しかし難易度はぶっちぎりでシリーズ最難関。

クリアするだけでも一苦労なのに、

完璧にクリアするとメダルが貰える要素まであるぞ。

 

まあ、単純にUIの煩雑さや画面切り替えの多さ、

判定のシビアさで難易度が高騰してるので、

脱出ゲームとしてデキが良いとは言い難いが……。

攻略サイト見たけどそれでも大変だった。

 

 

2作目である『おさわり探偵 小沢里奈 シーズン2 1/2 ~里奈は見た!いや、見てない~』は

2007年のDSソフトだ。タイトルがくどすぎる!

1作目からちょうど1年後に発売された続編タイトル。

 

 

新キャラとしてお宝を狙う怪盗モロコシと、それを追うダリア警部が登場。

列車内での盗難事件!幽霊館の謎!博物館での事件!

と、より探偵モノらしくスケールアップした内容になっているぞ。

探偵を捕まえると意気込むも、秒で腰をやってダウンするダリア警部と、

それ見て呆れる小沢里奈の掛け合いが好き。

シナリオも全4話だった前作から全5話にパワーアップだ。

 

 

ダリア警部は賑やかしとして良いキャラしてるし、

切なくも暖かい4話のエピソードはシリーズ通しても上位に来る。

正統続編として良し!

 

 

スマホ版からの追加シナリオである『なめこ・ザ・インタビュアー』は、

各シナリオの後日譚となっており、

なめこが登場キャラたちにインタビューする構成だ。

「あれどういうことだったの?」ってところを掘り下げており、

あまりに投げっぱなしだった本編のエンディングと、

その後の展開についてもバッチリ分かるぞ。

DS版で遊んだ当時は混乱したけどそういう話だったのか……!

10年以上の時を超えて腑に落ちたわ!

 

というか、これ本当はシナリオとしてちゃんと1本作る予定だったけど、

無理になったから後日譚として詰め込んだのでは?

という疑念が湧いてくる内容だった。

 


3作目である『おさわり探偵 小沢里奈 ライジング3 ~なめこはバナナの夢を見るか? 』は

2014年に3DSで登場した3作目。またしてもタイトルが長い!

ライジングの意味は一応作中で解説される。

 

 

7年ぶりのナンバリングなのでこのようなメタセリフも飛び出す。

 

 

新キャラとして少年探偵「舘 史郎」くんが登場だ。

横にいるのは犬だか鳥だか分からない謎の生物「きなこ」くん。

めっちゃ可愛くて会心のデザインだと思う。

 

 

会話はこれまで通りの楽しいノリなんだが、

1作目と2作目に比べると舞台になる場所が地味だったり、

展開に捻りがなかったりと、全体的にこじんまりとした印象だ。

駄菓子や七夕など子供に馴染みのある物を題材にした話が多いので、

ぶっ飛び過ぎた2作目から

少年探偵団的なノリに回帰しようとしたのかもしれないが、

そこも1作目の方が上手くやってたからね。

 

「舘 史郎」くんもついにライバル探偵登場か!

と期待が高まったものの、そこまで存在感が無くて残念。

ちょっと性格が普通の良い子過ぎたのかもしれない。

こっちには「まなみ」と「ちとせ」という歩く爆弾が2人いるからな!

悪くは無いけど、久々のナンバリングとして上がったハードルは

越えられなかったかなぁと改めて思ったぜ。

 

 

元総理など、普通に頼れる大人が出てくるのは好き。

毎回、ヤバい大人と捻くれた大人と頼りにならない大人ばかり出てきて、

さすがに小沢里奈がかわいそうだったからさ……。

 

 

2で登場した市長とか最悪だったからな!

 

 

ヒント機能の導入で迷わなくなった点や、

おまけとして導入されたなめこフィギュア集め、

そして3DSにハードを移しただけあってBGMの音質が格段に向上してるなど、

機能面はしっかりパワーアップしてるところは評価したいね。

 

 

最後は新規のおまけである『おさわり探偵 大図鑑』の紹介。

500点以上の資料を収録との触れ込みだったが、

キャラの立ち絵とラフはもちろん、

パッケージイラストは正式版の他に仮パッケも収録。

ロゴのラフデザインやDSの時のソフトアイコン。

サントラジャケットの通常版と廉価版の両方に、

販促ポスターや小説とファンブックの表紙イラスト、

登場人物の身長比較表などなど……。

マニアックな資料まで網羅した「大図鑑」っぷりが凄い!

スピンオフとして3DSで発売された

『なめこリズム』『なめこ大繁殖』の資料も大量収録だ!

シリーズファンなら絶対に嬉しい大ボリュームのおまけ。

 

 

『なめこリズム』の着せ替え衣装を全収録してるのも嬉しい点。

3DS本体に設定した誕生日に起動すると手に入るストローさん衣装まである!

これはビーワークスが『おさわり探偵小沢里奈』以前に作った、

『SIMPLE2960ともだちシリーズ Vol.3 THE いつでもパズル ~まっすぐ揃えてストローズ』

のキャラの衣装になっているぞ。

そっちも好きな作品だしSIMPLEシリーズだしで、

たまたま発見した時はマジで感動したのを覚えてるぜ……。

 

 

というわけで『おさわり探偵小沢里奈 里奈となめこの事件簿』のレビューでした!

収録作品はクリアするだけならそれぞれ6~7時間くらいかな?

3作品とも様々なサブイベントをこなすおまけシナリオがあるので、

そっちもガッツリ遊ぶとかなりやり込める。

 

シリーズ3作品にスマホでの追加シナリオ、

新規の『おさわり探偵 大図鑑』まで収録した文句無しの決定版だ。

シリーズファンはもちろん、

なめこしか知らない未プレイのユーザーにもオススメ出来るぜ。

メルヘンかつカオスなシナリオの数々、

一度会ったら忘れられない登場人物たち。

素晴らしい背景美術とBGM。見所たっぷりだぜ。

 

ただ、基本システムは昔のままなのでバックログが無かったり、

3作目以外はタッチの判定がシビアだったり、

展開が斜め上過ぎて攻略フラグが分かり難かったりと、

今遊ぶと少し辛いところもあるので、そこはフォローが欲しかったね。

詰まったら素直に攻略サイトを見よう!

 

シリーズ復活したからには4作目……待ってるぜ!