絶対SIMPLE主義

Switch/PS4のダウンロード専用ソフトを中心に全方位でゲーム紹介するブログ。SIMPLEシリーズも応援中。

インターネットのやり過ぎで脳が腐った人に送る……同人ノリの極北ノベル!『ふりかけ☆スペイシー』レビュー!【PC】

 

ふりかけ☆スペイシー on Steam

 

『ふりかけ☆スペイシー』のレビュー行くぜ!

 


パブリッシャー:よんとんトマチン

機種:PC

ジャンル:ビジュアルノベル

発売日:2023/3/1

価格(税込):1500円


 

「ネオ昭和」という謎の時代を舞台にしたビジュアルノベルゲームだ。

ぶっ飛んだ世界観で尋常じゃない密度のパロネタ風刺ネタを

マシンガンのようにぶち込んでくるギャグ全振りの構成。

悪魔と相乗りして地獄行きのジェットコースターに飛び乗るようなやべぇゲームだぜ!

 

 

タイトル画面では登場キャラのイラストを片手に

色んな場所を巡る実写映像がお出迎え。いきなりフリーダムなノリだ。

ゲームの起動がちょっと重いの、このせいだな!?

 

 

主人公は頭にブリを乗せたゴスガールの「さぁたん」だ。

ゴスガールは頭にブリを乗せたりしない。

佐渡……シャドウガ島という田舎に住んでいて二浪中。

家で格ゲーやってキレたり朝になったので酒を買いに行ったりと、

自堕落な生活を送っていたが、歩いている時に謎の大穴に落下。

「ネオ昭和」という昭和のようで少し違うトチ狂った場所にワープしてしまう。

さぁたんの運命やいかに!

行き当たりばったりの不条理ギャグノベルのはじまりだ!

 

 

システムはオーソドックスな1本道のビジュアルノベル。

たまに選択肢が出たり、ミニゲームが挟まったりする。

「ネオ昭和図鑑」という機能があり、色の違う単語にカーソルを合わせるだけで

画面右のウィンドウにシームレスに解説が表示されるのがとてもいいね。

非常にスマートでゲームのトチ狂ったスピード感を邪魔しない。

 

 

色んなものを拾ってくる学生のかがみに捕獲されたさぁたんは、

「焼肉茶道部」や「電気カラテ部」「ディジタル書道部」などが

しのぎを削るふりかけ学園へ……。

その後も地獄に行ったり宇宙に行ったり借金が増えたりと大冒険を繰り広げながら、

脳ミソが愉快な仲間たちをどんどん増やしていく。

割とメインキャラかわいいのが腹立つな!

 

 

伏字無しでゲームやアニメの固有名詞をバンバン出してネタにするし、

石を投げればパロネタにぶち当たる勢いで奇怪な連中が続々登場だ。


 

パロディが交通事故起こしてわけわからんことになってるシーン多数!

 

 

アラレちゃんのパチモノを「チャン・オカキ」にしてくるセンスはマジで唸った。

 

 

本編に関係ない占いモードがあり、

うらなうボタンを押すたびに違う画像が出てくる。こちらもパロネタの洪水。

匿名掲示板とTwitter流し見してる時に思いついたネタを

全部ぶち込んだようなおまけなんだが、

数十枚以上あってラフ画やキャラの初期案(あきらかなウソも含む)、

イベントの告知画像なども豊富に含まれてるので見てて飽きない。

 

ネタも有名なものから「星の子ポロン」「ファミコン戦隊」

「ファミコンのアメリカ大統領選挙」「日本テレビ版ドラえもんのOP」

「ぼくらのスゴイやつ(スー バシィーッ!のあれ)」「ミニ四駆化」など。

一部のコアなオタクしか分からないようなネタが満載だ。

パロディはターゲット層が狭いほどハマった時に笑えると言うが、

さすがにニッチ過ぎだろ!

 

 

むっ!これは「ふりかけ☆スマートボール」!

インディーゲームイベントで展示されたもので、俺も実際に遊んだことある!

結構難しくて苦戦していたら作者さんから

「ブロックくずしで鍛えた腕前を見せてくださいよ」とか煽られたぜ!

許せねぇ……!

ハッキングで糸井重里のSteamアカウント割り出してこのゲーム送り付けてやる……!

 

 

そのイベントでゲットしたブツがこちらになります。

クリアした後に見ると買って良かったと心から思えた。

 

 

ただパロネタ山盛りなだけのゲームではなく、

一枚絵の枚数や細かいアニメが凄まじい物量用意されてるし、

画面左に表示される場所説明イラストの差分も膨大。

映像表現をガラッと変えてくるシーンも多いので翻弄される。

発売まで結構時間掛かったのも納得だわ……。

 

 

超展開に次ぐ超展開の連続で、

「数クリックする度に何か異常なことが起こる」

と言ってもいいテンポがあまりにも心地良く、

遊んでいて脳が溶けていくのを感じる。

このテンションで最初から最後までアクセルを一切緩めず突っ走るのが凄すぎる。

 

「よく聞くと違うけどめちゃくちゃ聞いたことある」BGMも上手い。

明らかに名うての下手人の仕業だろこれ。

 

 

パロネタを抜きにしても、

キャラが魅力的で会話劇がしっかり笑えて楽しいのがよい。

ちょっとしたセリフ回しがいちいちキレッキレ。

 

 

比較的常識人やりつつボケもこなす主人公のさぁたんが一番好きだけど、

次はコテコテのお嬢様キャラだけど、

世界観が異常なので言動が異常になってる龍子お嬢様。

ポポン帝やエリちゃんもかわいくて気に入ってる。

 

 

ただ、ちょっと苦笑いする悪ノリ気味な風刺ネタも味ではあるんだが、

某人物への言及がネタで弄ってるにしては尺が長い&悪意強めで

あんまり笑えるギャグになってないかなーという気持ちに。

他にもさらっと黒すぎるネタを差し込んできたり、

本当に怒られそうなところはモチーフや単語をちょっと複雑にしてたり、

ネオ昭和の闇は深い。

 

 

クリアした後にオープニングの「腹をくくれ……!」を見直すと、

色んな意味でヤバいゲームを世に送り出す製作者の叫びに聞こえる。

今はクソオタクしか遊んでないからいいけど、

もうちょっと有名になったら本当に怒られそう!

 

 

もう君はネオ昭和から逃げることはできない!

クリアまでは5時間掛からないくらいのボリューム。

良くも悪くも昔ながらの同人的なパロネタと悪ノリのごった煮で、

人を選ぶがそこが最大の魅力の問題作だ。

会話と展開のスピード感が異次元レベルなので、

パロネタあんまり分からなくても十分笑えるとは思う。

インターネットのやり過ぎで脳が腐った人に向けた剛速球のデッドボール。

顔で受けたいやつは今すぐ購入だ!

そして頑張って実績を取って友達に自慢しよう!