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アクワイアくん!今のインディー市場にこれは通用しないって!『XALADIA: Rise of the Space Pirates X2』レビュー!【PS5/Switch/PC】

 

『XALADIA: Rise of the Space Pirates X2』(ザラディア)公式サイト

 

アクワイアがインディーゲーム市場に参戦。そのワケと新作『ザラディア』を遠藤琢磨代表に直撃。『ととモノ。』など既存シリーズの今後の展開もインタビュー! | ゲーム・エンタメ最新情報のファミ通.com

 

『XALADIA: Rise of the Space Pirates X2』のレビュー行くぜ!

俺がプレイしたのはPS5版ね。

 


パブリッシャー:アクワイア

機種:PS5/Switch/PC

ジャンル:ツインスティックシューター

発売日:2023/10/19

価格(税込):2000円


 

アクワイアが送る完全新作のツインスティックシューティングだ。

1画面の構成で、お金を消費して砲台を設置するタワーディフェンス的な要素もある。

インディーゲーム市場への参戦を宣言したアクワイアの第一弾タイトルで、

これを皮切りに様々な新規作品を発売していくようだ。

 

しかしどう考えても今のインディーゲーム市場に通用しない完成度で、

参戦一発目からヤバい立ち上がりになっているぜ!

 

 

モードは成長しながら7つの銀河に挑むステージクリア形式のプレイモードと、

成長要素無しで100ウェーブ連続で敵と戦い続けるチャレンジモードの二つだ。

 

 

メインはプレイモードで、GランクからAランクの銀河を一つずつ攻略していく。

銀河規模でFランとか言われてるの、侮辱の規模がデカいな。

 

 

使用キャラ、メイン武器、4つの砲台をセットして出撃する。

 

 

いきなり驚いたんだが、

このメインビジュアルに映ってるキャラで使えるのは手前の一人だけ。

ケツのデカい女と侍の2人を使うには580円のDLCがいるぞ。

今時こんなやり方するゲームある!?

 

DLC無しで使えるのは

「スペースウルフ」

「シルバー スペースウルフ」

「ゴールド スペースウルフ」

の3人だ!

 

 

1人じゃねーか!

水増しにもなってないしょうもない色違い……。

普通はこういうのこそDLCにするのでは?

 

 

そもそもキャラは基本ステータスが違うだけで、

固有の必殺技や特殊スキルみたいなものは一切無いし、

セリフも無ければ決めポーズとかも一切しない。

プレイ中はまともに姿が見えず、

ショップに入った時にしょっぱいモデリングを見せられるだけ。

人類がエイリアンと勢力争いするストーリーらしいがゲーム内だと一切分からない。

 

イラストは結構カッコいいのに、ゲーム的にも演出的にも

「このキャラクター達を魅力的に描こう」

という気持ちがまるで伝わってこないのが悲しい。

もしレトロゲーム的な作りを目指してあえてそうした、とか言い出したらキレるぞ。

いやもうキレてるんだけどさ!!!!!!

 

 

メイン武器は10種類あるが半分は580円のDLCを買わないと入手不可能。

DLC購入ボタンが付いた5つの武器が常に武器メニューを圧迫している。

今時こんなやり方するゲームある!?定価2000円のゲームだぞ!?

 

 

ゲームは1画面のシューティングで、右スティックによる狙い撃ちと、

お金を消費して設置できる自動砲台で戦う。

たまに出現する金色の敵を倒すとアイテムが手に入ってパワーアップが可能だ。

プレイヤーと砲台の攻撃力や発射速度が上がったり、回復したりできる。

パワーアップの効果はそのプレイが終わるまで続くので、

効果を重ねれば火力がどんどん増していくぞ。

 

 

パワーアップはプレイヤーがボタンを押すことで発動可能。

沢山取ってから使うほど強い効果になるし、ステージが切り替わると効果も変わる。

どのタイミングでパワーアップを使うか?を考えるシステム。

 

 

道中のショップではキャラ、武器、砲台のレベルアップも可能で、

これはゲームオーバーになっても引き継がれる。

何度もプレイすればどんどん楽になる仕様になっているぞ。

 

 

と、そういうゲームなんだけど作りがあまりにも浅い。

『スペースインベーダー』的な一画面シューティングに右スティックで狙う要素と、

砲台を設置するタワーディフェンス要素を取り入れる。

軽くローグライトっぽいパワーアップを選択する要素を入れて

全体的に現代風にまとめる……という内容なのは分かる。

 

しかしショボいばら撒き弾と、やる気の無い自機狙い弾を撃つだけの敵が

ダラダラ出てくるだけのステージ構成が延々と続くので単調。

とにかく敵の特徴が薄すぎるため、こっちもダラダラ撃つだけになる。

 

Gランク銀河からAランク銀河で強くなるのが敵の攻撃力と防御力だけで、

種類や攻撃パターンが増えたりしないのでマジで単調極まりない。

ボスの種類も少なくて攻撃パターン少ないから、

序盤でパターン覚えたら最後までそれで勝てる。

 

 

遊んですぐに

「これ、手持ちで一番レベル高い砲台をズラッと並べるだけでいいのでは?」

と思うが、マジでそれで最初から最後まで通る。

砲台で自分以外の何か守らなきゃいけないわけでもないし、

砲台がやられたら再設置に金が掛かるけど、

ちょっと進めると敵から入手する金が跳ね上がるから、砲台を簡単に設置し放題だ。

 

ステージ構成が単調過ぎるので、武器や砲台を使い分ける楽しさがまるで無い。

マシンガンもレーザーもグレネードも使ってて似たような感覚だ……。

 

 

設置すると時間経過で金を掘り出すマイニングマシンなんかは特徴的だが……。

これはこれでバランスブレイカー。

設置してダラダラしてるだけで金が凄い勢いで溜まっていくので、

レベルアップが簡単に出来るようになる。

中盤以降はそこまで役に立たないが、

序盤~中盤はこれ置きまくって稼ぐだけで無双できる。

マイニングは経済を壊すというアクワイアからのメッセージ。

 

 

シューティングゲームではなく、

繰り返しプレイの成長によるインフレを楽しむゲーム……。

と受け止めようにもそれもダメ。

全銀河をクリアする前にレベル100になって成長が頭打ちになるし、

その状態でも固い敵には手間取るしで最後まで楽しくない。

貫通系の武装を使わないとかなり時間が掛かる。

 

最初から成長によるインフレを前提として作っているのではなく、

まともに調整出来ないから、仕方なくレベル引き継ぎ制にしました!ってバランスだ。

やられても成長段階が残るシステムにすれば、

ゲームバランスがある程度グダグダでも一応成立はするからね……。

 

 

他にもイベントとか一切無いからルート選択の意味がほとんど無いとか、

ショップで新しい武器や砲台をアンロックする作りだけど、

数が少なすぎて序盤で全部揃っちゃうとか。見れば見るほど粗しか出てこない……!

 

 

ロボット兵士が出てくる砲台を沢山設置するとボス戦がSF映画みたいで楽しいとか、

パワーアップを重ねて瞬間火力を上げるとちょっと爽快とか、

サバイバルモードも敵構成が同じだから単調だけど、

レベル1からスタートなので本編よりはまだ緊張感あるとか、

BGMは終始カッコいいとか、褒められるのはその辺りかな。

 

 

プレイモードとチャレンジモードをすべてクリアして6~7時間くらい。

コンセプトはちょっと面白いものの内容がまるで練られておらず、

尖った部分やこだわりを感じられる部分がまったく無く、

「時間とお金が無いのでこれで出しました」

というやる気のなさだけが伝わってくる。遊んでいて悲しくなった。

インタビューで3~10人のスタッフで半年で作ったと語られていて、

でしょうね!

 

これをアクワイアのインディー参入第一弾として発表して、

インタビューで良く出来たみたいに語る度胸が凄い。

心臓がオリハルコンで出来てるのか?

 

企業が出す2000円のゲームとしては30点くらいだけど、

自社でオリジナルタイトルを作ろうとしてる点は評価したい。プラス10点。

そこからインディー市場を舐めてそうな部分を差し引いてマイナス20点。

総合20点くらいのゲーム。

東京ゲームショウで体験プレイしに行くくらいには注目してたので非常に残念でした。

 

アクワイアのインディーは次に

Ancient Weapon Holly(超古代兵器ホリー)』というのが控えているんだが、

こちらは東京ゲームショウの体験プレイの時点で

ゲームバランスが超グダグダだったのでどうなるやら……。