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【レビュー】絢爛豪華!ピーチが「ゲームの入口」に民を導く!『プリンセスピーチ Showtime!』【Switch】

 

プリンセスピーチ Showtime! | Nintendo Switch | 任天堂

 

『プリンセスピーチ Showtime!』のレビュー行くぜ!

 


パブリッシャー:任天堂

機種:Nintendo Switch

ジャンル:アクションアドベンチャー

発売日:2024/3/22

価格:6500円


 

クッパによく誘拐されるけど、割と普通に戦う事も多いピーチ姫が主役の完全新作。

劇場に閉じ込められてしまったピーチ姫が、様々な舞台で主役を演じる内容になっているぞ。開発は『ヨッシークラフトワールド』や『豆狸のバケル』などを手掛けた株式会社グッド・フィールが担当している。

 

【レビュー】これがピーチ姫 初の主演作品だ!『スーパープリンセスピーチ』【DS】 - 絶対SIMPLE主義

 

ピーチ主役のゲームだとDSで『スーパープリンセスピーチ』という作品が出ているが、そちらとの関連は無し。カッサーの行方は今も闇に葬られている。カッサーは『キャプテンレインボー2』とかに出てくるんじゃないかな。

 

グッド・フィールのノウハウが詰め込まれた舞台演出に、簡単操作でバラエティ豊かなアクションが楽しめるゲーム構成、そしてマリオシリーズから切り離した場所で展開される「ピーチ姫」の魅力溢れる姿にと、見所満載な意欲作だった!

マリオシリーズなど他のタイトルでは届かない層に「ゲームの面白さ」を伝えたい。そんな1本だったね。

 

 

舞台となるのはグレープ劇団を名乗る悪役に乗っ取られたキラメキ劇場。

たまたま劇の鑑賞に来ていたピーチ姫はこの騒動に巻き込まれ、いつもつけていた冠も失い、劇場に閉じ込められてしまう。そこで劇場を守る妖精「ステラ」と協力して、ゆがめられた劇を救うことに。『スーパーマリオオデッセイ』を彷彿とさせる導入でピーチ姫の新しい冒険が幕を開けるのだ。

 

 

ピーチ姫をサポートするのはこのステラで、キノピオはちょっとしか出てこない。マリオもルイージもデイジーもお馴染みのクッパ軍団やタタンガも登場しないし、完全に「ピーチ姫が主役の新しい舞台」でのゲームになっているぞ。

 

いや、タタンガはいつも登場しないしピーチ姫と共演したこともなかったな……。

 

 

ピーチ姫が主役に変身して挑む舞台は10種類。それぞれに複数のステージが用意されている。

 

 

基本はひたすら右に進む横スクロールのアクションアドベンチャーだが、演目によってゲームジャンルがガラッと変わるのが特徴だ。

 

剣士ピーチに変身する「剣士といばらの森」は剣で敵と戦うアクションだし、忍者ピーチに変身する「激流忍法帖」は隠れながら敵の隙を突くアクション。パティシエピーチでクッキーやケーキを作る「スイーツフェスタへようこそ」や、名探偵ピーチで事件捜査をする「名探偵の事件簿 狙われた壁画」は戦闘が無いステージになっているぞ。

 

1人で『ライブアライブ』をこなすような多芸っぷりを見せるピーチ姫、さすが芸歴長いだけある。

 

 

かつてない姿で活躍をするピーチ姫の姿が非常に魅力的に描かれていて、きっちり作られた変身シーンが毎回見ごたえある!怪盗ピーチとカンフーピーチは特にカッコいいなあ。

 

 

スーパーヒーローピーチはちゃんとスーパーヒーロー着地を決めるしノリノリ。

 

 

操作は簡単で方向スティックとワンボタンが基本だし、難易度が低くてアクションの判定も非常にゆるい。

劇を1つ1つ見ていくとワイヤーアクションにステルスアクション、ジャンプアクション、無双アクション、リズムゲームに推理ゲームなど。既存のゲームジャンルを劇という形に落とし込んだ構成になっている。普段ゲームを遊ばないユーザーや小さい子供が、色々なゲームに手を出す入口になる作りというわけだ。

 

 

簡単でも単調さはなく、グッド・フィールのノウハウが発揮された演出でこちらを引き込む。アナログな大道具とプロジェクションマッピングを組み合わせた表現で、豪快な場面転換を繰り返す構成は圧巻だ!劇であることを活かした背景美術の作り込みや、細かな演出が見所満載。「次は一体どんなシーンが待っているんだ?」だけでグイグイ引っ張ってくれる。

 

剣士ピーチだと回避とパリィのタイミングがゆるゆるで敵の攻撃を返しまくれるし、カンフーピーチだと蹴り一発で複数のザコ敵をまとめて吹っ飛ばせたりと、「簡単操作で派手なアクション」の演出が上手い。

 

 

吊り糸をあえて見せた作り物が生き生きと動く質感も面白いし……。

 

 

忍者ピーチで草むらに隠れるときは、木を手に持つだけで気付かれないコテコテの表現。これを大真面目にやるゲーム初めて見たかもしれん。

 

 

劇の主役であるピーチ姫が「キラメキ」の力で人々の背中を押して、道を切り開いていく描写も前向きで好きなところだね。

 

 

主役であるピーチ姫はあくまでも劇の代役であり、大詰めになると本来の主役であるキラリスタ達が登場。ピーチ姫を助ける見せ場が用意されてる点もしっかりしてる。

 

 

ピーチ姫の変身っぷりも非常に華やかだし、通常ドレスの模様もちょっと変えられるのが新鮮で良し。

でも自由に色を変えられるわけじゃないのは残念だ。色変えあったら縞模様ドレスを囚人服とか縞パンとかにするんだけどなぁ……だから変えられないのか。いいじゃねぇか次はピーチ姫で脱獄モノやろうぜ。

 

 

非常に気合の入ったゲームだが物足りなかったのは薄味なシナリオ。

メインストーリーもそれぞれの劇のシナリオも「悪い奴が悪いことをしてるので止める」でしかなく、劇を絶望展開に改ざんするグレープ劇団の掘り下げも全然ない。低年齢層向けに分かりやすい展開をやるにしても、劇をテーマにしてるならもうちょっと凝ったセリフ回しが見たい。後半の流れ自体は好きなんだけどなぁ。

 

 

本来の主役であるキラメスタ達もコスプレしたモブみたいな見た目でセリフも簡素だ。

色んな劇の主役たちって設定なんだし、そこは「別のゲームのキャラか!?」ってくらい見た目とセリフでバチバチに個性出して欲しかった。演じてる間は全然違う見た目で、それ以外はモブと大差ない見た目とかでも良かったかも。

 

 

やり込み要素であるキラメキストーン集めをやると凄く面倒。

1ステージに10個とか隠れてるので普通に収集物として多すぎるし、ちょっと進むと戻れなくなるゲームだし、ミニゲームにミスすると手に入らない箇所も多い。やり直しはステージ最初からしか出来ず、演出スキップなども無し。意外と難しい場所に隠れてるパターンもある。

 

というわけでコンプを意識すると物凄く神経を使う。

そもそも、テンポ良く場面が切り替わるのを楽しむ構成と、脇道を隈なく探して収集物を探すやり込み要素が噛み合ってない……。コンプすると写真が手に入るオマケ要素もあるが、無視した方が絶対楽しいゲームになっちゃってるぞ。

 

「キラメキストーンを一定以上集めないとボスに挑めない」

って仕様でもあるんだが、ここに関しては必要数が少なく、普通に遊べば余るくらいなので許容範囲。

 

 

やり込み要素を無視するとクリアまで10時間掛からないくらい。

「簡単操作でバラエティ豊かなゲーム展開」を徹底しており、ワンシーン毎に驚くほど細い演出が積み重ねられている。これまでの任天堂作品とは更に違ったターゲットを狙っているのが分かりやすい。これを入口に様々なゲームに触れて貰いたいって作りだ。

 

超お馴染みのキャラがはっちゃけるからこそのインパクトと説得力があるので「ピーチ姫」というキャラを使ったのは正解だと思う。

 

アクションゲーム慣れしている人には物足りないが、コンセプト的には良作。ピーチ姫の新たな冒険に大注目だ!