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【レビュー】職人芸で作られた「ピンチ」が指先と脳を焼く!『ピンチ50連発!!』【Switch/PC】

 

ピンチ50連発!! ダウンロード版 | My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)

 

『ピンチ50連発!!』のレビュー行くぜ!

 


パブリッシャー:ゲームスタジオ

機種:Switch

ジャンル:シネマティックピンチ切り抜けアクション

発売日:2024/5/23

価格:580

備考:Steam版は後日配信


 

2014年に発売された同名の3DSソフトを、内容そのままで移植したものだ。

元の値段は500円だが今回の移植版は580円。こういうのはガッと値上がりすることもあるが大差ないのは頑張ってる。発売記念セールで500円になってるし、Switchのストアはポイント還元もあるからむしろ元より安くね?という開発スタッフがピンチ価格。

 

内容は謎の島に不時着したトレジャーハンターとなり、次から次へと襲い掛かるピンチを突破していく2Dアクション……いや、「シネマティックピンチ切り抜けアクション」だッ!転がってくる大岩!弓を放つ現地の部族!ゾンビ!ワニ!怪物!

水曜スペシャルのノリで襲い掛かる数々のピンチをすべて切り抜け、全50ステージをクリアすればゲームクリアとなるぞ。

 

初見殺し満載の2Dアクションゲームだが、高難易度でも理不尽さを感じさせないバランスはまさに職人芸。星の数ほど「死にゲー」が溢れている昨今だが、この「ピンチ」は今でも色あせてないぜ!

 

 

ゲーム自体はオーソドックスな2Dのジャンプアクション。全50ステージは地続きになっており、ノンストップでひたすら画面右を目指して突き進む構成だ。

 


操作方法は移動!ダッシュ!ジャンプ!

あとはプレイヤーであるキミ自身の手で見つけ出してくれ!というスタイル。敵を攻撃することは一切出来ない。ピンチには正面からぶつかるのではなく回避せよ!

 

 

全50ステージだが1ステージは短く、死んでもそのステージの最初から無限に復活出来る。ジャンプでトゲを飛び越えたり、ツタからツタへ飛び移ったり、動き回るリフトを乗り継いだり、飛んでくる矢を避けたりと、敵の配置やギミックのパターンを見切ってピンチを切り抜けていくのだ。

 

操作はややクセがあって、高いところから飛び降りると衝撃でしばらく動けなくなるし、走り続けると息切れしてやっぱり動けなくなる。この辺の感覚を掴まないと、大岩から逃げてる最中に息が切れて死亡したりするぞ。疲れてる場合かー!(死)

 

 

50ステージは1から50まですべて地続きになっていて、チェックポイントでもある数字の書かれた看板で今何ステージかを判断するだけ。

 

全体マップやステージセレクト画面も無いし、「各ステージに配置されたやりこみ要素」「各ステージに用意された規定タイムより早く進むやり込み要素」などの要素も一切無い。あるのは全50ステージを通したクリアタイムの表示と、それのオンラインランキングだけだ。

 

「このゲームにあるのは50連発のピンチとそれを切り抜ける勇気のみだ!」という漢気溢れるゲーム構成が気持ち良い。

 

 

インディージョーンズや川口浩探検隊(PVは完全にコレ)みたいなノリの即死ゲー。

こう書くと非常にベタベタな内容なんだけど作りは非常に丁寧だ。

 

どうすれば転がってくる大岩から逃げられるか?

どうすればトロッコに乗った状態でトラップを避けられるか?

どのタイミングでジャンプすれば敵から逃げ切れるか?

ゾンビの大群を避けるにはどのルートを通るか?

 

 

何度も何度も死にながら、こういったピンチを一つ一つ突破していく。

初見殺しとギリジャンの連発で難易度は高いが、配置が丁寧で上達する楽しさが味わえるバランスになっているし、同じギミックが再度出てくるステージでも、見せ方や配置を工夫して飽きさせない作りにしてるのが上手い。

 

一見ムリだと思えるステージも

「なぜこのタイミングだと主人公の動きが違うんだ?」

「この操作でこうなるのか!」

「だったらこれで通れるんじゃないか!?」

といった気付きでクリアできることも。

基本操作以外の主人公のアクションと、その活用方法を見つけ出すことも含めて冒険だ!

 

 

配置の細かさが本当に絶妙で、具体例を挙げるとここ。

画面右に続く複数のリフトの移動タイミングを見極る必要があるが、ヘビが上下してるツタに掴まらないと先まで見えない。ヘビを避けながら、リフトの動きも見ないといけないハラハラ感で心拍数高まる。

1キャラ単位でしっかりカメラと敵配置を調整してないとこうはならないよなぁ

 


操作にクセはあるけど決して操作性が悪いわけではなく、繰り返しのプレイで息切れまでの時間や、主人公の挙動を感覚として掴めてくると、どんどん軽快に進めるようになる。

 

基本は無音、ピンチになると緊張感のあるBGMが流れ出す構成もシンプルながら効果的。大岩が転がってくると同時にBGMが切り替わったりね。

 

 

ステージ間のチェックポイントである看板が出現した時に流れる「ファ~~……(テロリロテロリロン)」という、砂漠でオアシスを見つけた時に流れそうなSEも秀逸!

難易度の高いゲームなので、死にまくった後にこのSEと共に現れるチェックポイントの看板がホッとするのなんのって。

 

死ぬ度に発せられる主人公の「アアアアア~~~~~~ッ!」という断末魔の叫び声や、息を切らしてる時に「ゼェ…ゼェ…」という声も悲壮感が溢れてて妙に耳に残る。

ゲームデザインとコンセプトデザインである奥田 覚さんが自ら担当してるんだけど良い声。何度か死んだことある人の叫びだわ。叫びにいくつかバリエーションがあるのも良い。ギリギリの攻防が続くゲームなので、ゲームの主人公と一緒につい叫んじゃう。

 

雰囲気たっぷりのBGMも素晴らしく、特に「交響組曲第一番~50番目のピンチ~」というふざけた名前で「ピンチ~ピンチ~ピンチ~!」というふざけたコーラスから始まるメインテーマがやたら壮大で、やたら良い曲!やってくれるぜスーパースィープ!

 

 

アクションゲームに慣れてる人ならクリアまで2~3時間くらいかな?

このゲームを遊んで「ピンチ」と「苦行」は全然違うのが改めて分かった。

「ピンチ」はニヤリと笑いたくなるけど「苦行」は果てしなく真顔になっていく。

 

「簡素なグラフィックでトゲやリフトが配置された2Dアクション!」といった趣のスクショを見ると、近年のストアで死ぬほど見る量産型アクションのように見えてしまう。が、遊ぶほどに作りの丁寧さが伝わってくる本物の1本だ。「シネマティックピンチ切り抜けアクション」のジャンル名は伊達じゃない。

 

実はギミックの種類はかなり少ないが、職人芸的なバランス調整でそれを気にさせないのが見事。今も色あせない死にゲーの名作だ。ゲーム実況にもピッタリの1本。500円ちょっとの「1ピンチ=10円」価格で、みんなも断末魔の叫びをあげよう!