
[本]ファミコンショップ大百科【特典ペーパー&ゲーラボロゴシール付】 | 三才ブックス オンライン
三才ブックスから今年4月に発売された『ファミコンショップ大百科』を紹介!
レトロゲーム研究家であるオロチ氏による書籍で、かつて日本中に存在した「ファミコンショップ」に焦点を当てた内容だ。
中古ゲームでたまに見かける「ファミコンショップのラベル付きカセット」をきっかけに始まったオロチ氏のファミコンショップ研究が、一冊の本になった……という経緯が最高に「マニア」してて見事。
3章構成で第1章は「ファミコンショップ栄枯盛衰史」。
ファミコンが発売された1983年から、全国のファミコンショップが消滅していく2000年代までを、脚色を交えて解説していく章だ。
一次問屋の集まりである初心会の誕生に、利益率の高さから活発になっていく中古ソフト、爆発的に増えていくファミコンショップ、ドラクエブームと抱き合わせ販売、ファミコンショップ業界団体の誕生、公式フランチャイズである任天堂エンターテイメント、スーパーマリオクラブの誕生などなど……。
メーカーと問屋と小売りの仁義なき歴史がめちゃくちゃ読み応えある!
SCEの中古ソフトの取り扱い禁止を受けて業界団体が方針で割れた話や、トイザらスという黒船来航で業界が混乱する話などは特に興味深かった。知らない話ばかりだ。
ファミコンショップの数や独自サービス、独自商品も今では考えられない規模で、改めてファミコンブームって凄かったんだと実感。海賊版でCM打ったりダビングツールを売り出したり、初期ファミコンショップの無法っぷりにも驚かされる。
すべてが終わって最後に立っていたものは……やっぱここになるのか!
『ファミコンショップ大百科』と言いつつ、副題となっているこの「“町のゲーム屋さん”とゲーム流通の歴史」パートが半分くらいを占めており、その辺のズレでやや評価が分かれている。ゲームラボ選書はそういうの多い気がするな!
とはいえ、大百科として必要なパートだと思うし、第2章である「全国ファミコンショップ図鑑」では、ネットにも情報が無さそうなファミコンショップも可能な限り網羅しており、カセットに貼られたラベルだけでなく(これだけでもすごい枚数あるんだが)、外観の写真やチラシを乗せているものもある。当時のファミコンショップの謎マスコットまとめや、変わり種のショップを紹介する楽しいコラムも満載だ。「大百科」として十分に読み応えがあった。
ファミコンソフトの取り扱いを始めたら、相乗効果で売り上げが20%伸びたパン屋の話とか面白すぎる。
個人的に思い入れあるトップボーイとブルートも載ってて懐かしい~!少し遠かったけど自転車で頻繁に通ってたよ!
そしてファミコンショップの栄枯盛衰と、情報がほぼ残っていないショップも含めた数多の店舗を駆け抜け、寂しくなったところで最後の第3章「現役ファミコンショップ訪問記」。
今も生き残っている町のファミコンショップにインタビューするコーナーで、貴重な証言と、今も楽しく続けてる姿にほっこり。
膨大な資料を基に流れを1冊にまとめたところに価値がある歴史書で、当時の熱狂と混乱に思いを馳せる。
素晴らしい本でした……!