@SIMPLE Vシリーズ Vol.2!
THE 逃走ハイウェイ フルブースト ~名古屋 東京 激走4時間~のレビュー行くぜ!
@SIMPLE Vシリーズ Vol.2 THE 逃走ハイウェイ フルブースト ~名古屋 東京 激走4時間~公式
THE逃走ハイウェイフルブーストは2014年4月30日に
ディースリーパブリッシャーからVITAのダウンロード専用ソフトとして1800円で配信されたソフトだ。
開発はお馴染みタムソフト。
VITA初のSIMPLEシリーズである@SIMPLE Vシリーズの第一弾として、
THEどこでもギャル麻雀と同時配信されたのだ。
2004年にPS2で発売されたSIMPLE2000 THE 逃走ハイウェイと、
2006年にその続編として発売されたSIMPLE2000 THE 逃走ハイウェイ2に続く8年ぶりのシリーズ最新作!
内容は1作目のリメイクに近いがグラフィックの一新に加えて新要素も非常に多く、
もはやTHE 逃走ハイウェイ3と呼んでも差し支えない内容となっているぞ!
主人公である自称・日本一の名探偵「大河原 源九郎」は、
とある大物政治家から汚職の罪を擦り付けられた東京の女性弁護士から無実証明の依頼を受ける。
無実を証明するための証拠を集めた源九朗だったが、
裁判当日になってからすべての証拠品が大物政治家の手によって事務所から持ち出されてしまう。
証拠を集めた車は東名高速を東京方面へと走っていく!それを追う源九郎!
裁判開始まで残り4時間。
大物政治家の息の掛かった警察からの妨害を避け、証拠品を回収しながら東京までたどり着け!
というストーリーだ。
ちなみに大河原 源九郎は同じくSIMPLEシリーズのTHEタクシーに登場する所長の親戚だったり。
妨害を避けながらリアルで4時間以内に名古屋~東京間の高速道路を走破するレースアクションゲームで、
車が故障したりガス欠になったりするため、
そこら辺を走っている一般人から車を次々に奪いながらゲームを進めていくことになる。
6章構成で一定区間毎にセーブが可能で、途中にもいくつかセーブポイントがある。
操作は左スティックでハンドル操作、○ボタンで降車、△ボタンで後方確認、、×ボタンでクラクション、
方向キー下でアクセルをロック、Rボタンでアクセル、Lボタンでブレーキ&バック。
LRボタン同時押しでサイドブレーキ。
登場する車はATだけなのでシフト操作は無し。
Lボタンを押し続けているとブレーキから自動でバックになってしまうが、
RとLボタン同時押しでサブブレーキをかけるとバックギアに入らずその場で静止となる。
このゲームは完全に車が止まってないと降車できないので重要な操作だ。
車から降りている時はダッシュや車への乗車が可能。
警察に捕まったら方向スティックをグリグリ回して脱出だ。
操作はオプションで3タイプから選べるが、スティック以外でのハンドル操作は不可能となっている。
とにかく邪魔な車や検問で道を塞ぐ警官・パトカーをふっ飛ばしながら突き進む!という内容だ。
証拠品を積んだ敵車両を発見したら体当たりで破壊して証拠品を回収!
高速道路ということで大きなカーブも存在しないためゲームとしてはかなりシンプル。
見た目はそれなりに今風だが、大昔のアーケードゲームのような手触りだ。
警察のパトカーも後ろからありえないスピードで突進しつつ
スピードを一切落とさないままファンネルのように警官をバラ撒いてくる覚悟完了っぷり。
でも動きが毎回一緒なので慣れると回避して壁に叩き付けられるので楽しい。
スポーツカー、バン、軽自動車、トラック、バスなどなど。
高速道路は様々な車が走っているので好きな車を強奪して爆走しよう!
車をぶつけすぎると性能がどんどん落ちていき、
最終的に謎の緊急アラートが鳴り出して逃げ遅れると爆発して死亡という
これまた昔のゲームっぽい仕様なので車が故障したりガス欠になったら乗り捨てて更に別の車をゲットだ!
これも正義のためなんだよ!!!
汚職政治家が証拠隠滅で女性弁護士が濡れ衣でやべーんだ!!!!!
車を奪うときの「どけ!」「貸してくれ!」などのボイスがいい感じですね。
返すどころかパトカーにぶつけて爆発させたりするんですけども。
こっちが何も干渉してない車が突然事故って爆発したりもするので画面から目が離せない。
基本的には最高速度の速い車一択だが、
車体の小さいワゴンで渋滞をすり抜けた方がいい場面もあったりする。
走ってる車は手を広げることで止める事が出来る……らしいんだが、
効果範囲が曖昧で止まったり止まらなかったりするので、
正面から体当たりした方が圧倒的に早い。
主人公は頑丈で走ってる車に正面からぶつかった程度では死なないから安心だ。
「車をレンタルする時はまず体当たりで動きを止める!」これは覚えておこう!
手を広げる操作は「ショーシャンクの空に」ごっこ専用ということで。
あと、プレイしてるとラジオから
「高速道路で車両の強奪事件が発生しています」みたいなニュースが流れてくるので、
それに「車の強奪とか悪いヤツがいるもんだなー」
とか口に出してツッコんでプレイするとなかなか楽しいのでオススメです。
VITA版では道に落ちているパワーアップアイテムを拾って特殊効果を発動させるという新要素も存在。
いい意味での昔のゲームっぽさを加速させている。
アイテムは発動させた時の個数によって効果が変化するグラディウス形式で、
パワーアップアイテム1個消費で加速するブーストダッシュ。
2個消費で警察をひきつけるダミーバルーン射出。
3個消費で一定時間スピード上昇。4個消費で一定時間無敵&加速だ。
一度クリアすると5個消費で乗っている車が完全回復するヒールも追加される。これは超強力。
クリア後に追加されるヒールを除くと、
ブーストダッシュは全然加速してくれないし、スピード上昇は無敵の下位互換なので、
どのタイミングでダミーと無敵を使うかが重要になってくるね。
しかしこのダミーバルーンに群がっていく警察は節穴にもほどがあるだろ!
バルーンで警察を引き寄せてるスキにパトカーゲットだぜ!
そう、本作はパトカーをレンタルして爆走できるのだ。
PS2版はパトカーを使えなかったのでこれは素晴らしい改善点。
かなり性能がいいので重宝するぞ。いやあ、さすが良い車に乗ってますな警察は!
無敵の方は発動させると陽気なBGMが流れ出し、
車が星を撒き散らしながら虹色に輝き出すという、かなりマンマミーア感に溢れた仕様になっています。
無敵の勢いで渋滞を強引に突っ切ったりできるので助かるぜ。
車を奪い…もとい、レンタルしまくることになる本作だが、
レンタルしてみると故障してることも度々ある。
ハンドルが効かない車でどうやって高速を走ってたんだよ?!
こちらはパトカーをレンタルしたらガソリン漏れだったシーン。
ガソリン漏れのパトカーで走ってたとか不祥事だこれ!
返品は効かないのでこういう場合は諦めて他の車に乗り換えよう!
実にサツバツ溢れた本作でホッと一息つけるのがこのパーキングエリア。
車が沢山止めてあって無断レンタルし放題だし、パワーアップアイテムが落ちていることもあるし、
セーブポイントや給油スタンドが設置されていることもある。
東京~名古屋をぶっ通しで走らねばならない長距離ドライバーである主人公の憩いの場だ。
警官に追われてる時でもここに入ってしまえば追っ手は一切やってこない。
恐らく、パーキングエリアは神聖な場所なので邪悪な国家権力は侵入できないということだろう。
このいい加減な屋台がささくれだったプレイヤーの心を癒してくれ……る?
説明書に書いてないが、証拠品がノーヒントでここに落ちていることもあるぞ。
それは説明書に書けよ!
まあ、証拠品を1個でも逃すとバッドエンド確定だったPS2版と違って、
本作はかなりとり逃しても真エンドが見れるので大分易しくなってはいるんだが。
俺の場合、証拠品はすべてコンプしてクリアしたが、
証拠品を数個逃した場合と同じエンディングで特にトロフィーやアンロックされる要素も無かったわ。
ゲームを一度クリアするとノンストップモード追加。
セーブ無しで名古屋~東京間を爆走するタイトルそのままの内容だ。
PS2版は本当にノンストップなだけだったが、
VITA版はこのモード専用の特殊で超高速な車両を使って爆走するモードになっており、
パワーアップアイテムもモリモリ出現するので無敵を使いまくってガンガン突き進める。
【ネタバレ】これがTHE 逃走ハイウェイ フルブーストのノンストップモードだッ!
詳細に関しては別にネタバレ記事を書いたのでそちらを見てもらうということで。
このバカっぷりは実にSIMPLEシリーズらしいノリで素晴らしいね。
クリア後の要素は他にもコースセレクトが可能になったり、
前述した5番目のアイテムであるヒールの追加があったり、
「はじめから」を選んだ時に初期車両を選択できるようになったりもするのだ。
エンディングも複数あるようなのでそれなりにやり込み要素もある。
そんなわけでPS2版から色々とパワーアップしており、
昔ながらのアーケードゲーム的な内容に、
GTAの車泥棒要素をミックスさせたような痛快作ではあるんだが、欠点もかなり多い。
まず価格。
VITAのダウンロード専用ソフトの価格帯だと1800円は平均よりも高い部類に入るので、
まったくお買い得感は無い。
お買い得さあってのSIMPLEシリーズなのでそこは頑張って欲しかった……。
PS2版とほぼ同価格ではあるんだけどあっちはパッケージだったからね。
走っているキャリアカーの荷台部分をジャンプ台にして大ジャンプが可能というのが
公式サイトでもウリとして紹介されている新要素なんだが、
ジャンプしてる間は操作が一切効かない上に空中に見えない壁があるので、
ジャンプ!空中で見えない壁に激突してゴリゴリ減速していく!
見えない壁にぶつかって車の方向がズレてしまっているので着地と同時に大スピン!
という超能力者からの攻撃を受けたような惨状になりやすい。
直線が続いてる場所なら問題なく活用できるものの、
こっちからは先のコースがどうなってるか見えない上に、
成功してもそんなに遠くまでジャンプ出来るわけじゃない。
負ける確率が高い上に勝っても見返りの少ない博打というわけね。
トンネル内で出現したキャリアカーを使ってジャンプした場合は、
ほぼ確実にトンネルの天井を突き抜けてバグ空間に飛び込んで謎の即死をする。
テストプレイしたとは思えない挙動だ。
笑えるバグ、笑える挙動のおかしさとかならともかく、作りが雑でシステム自体が機能してないのはダメ。
途中で霧が出て視界が物凄く悪くなるポイントがあって非常にストレスが溜まる。
PS2版でもあったんだけど遊んでて辛いだけだよ……。
これもPS2版から続く最大の欠点なんだけど、
とにかく似たような景色と変化の無いゲーム展開がダラダラと続くので単調。
アイテムの導入などで多少は盛り上がるようになったがやはり名古屋~東京間は長い。
会話デモやボスみたいなのも一切無いからね。パーキングエリアもほとんど使いまわし。
複数の警察に囲まれるとなすすべもなくゲームオーバーになることもあるし、
車の爆発から逃げ遅れると一撃死だ。
霧が出るのは中盤まで。後半は広い道が多くて走りやすい。
後半は警察の銃撃が激しくなるけど
何故か主人公にはあんまり当たらず主人公を捕まえようとする警察に当たりまくる。
と、後半になるほど簡単になっていくのもなんとも……。
4時間経過するとゲームオーバー、コンティニューで10分ペナルティというシステムなので、
下手なタイミングでセーブすると詰みになってしまうし、その判断もつきにくい。
降車時の操作性が悪く、動きがもっさりしていて小回りが利かないのももどかしい。
PS2版は人間らしい動きをガン無視して不自然なくらい動きが素早かったんだが、
今回は逆にリアルにし過ぎたか。
プレイしていると唐突にライバルとの競争がスタートすることがある。
他の一般車両を一撃で粉砕しながら爆走するのが見ててかなり面白いんだけど、
いつライバルが出現するか分からないし、理不尽な加速をするので勝つのは困難。
どうもこっちの車種によってスピードが変化するっぽいが詳細は不明。
VITA版からの新要素なんだけどムリヤリ感が凄い。
そもそも証拠品を奪った連中を追いかけてる最中なのにライバルってなんだよ!
「大昔のレースゲームをそのまま現代風にしたような手触り」
「東京~名古屋間の高速道路を本当に4時間以内に走破するゲーム」
このアイデアやノリは今でも通用するバカバカしさ。
新要素や改善点などPS2版からの嬉しい進化も見られて爽快感も増している。
しかし全体的には2014年に1800円のダウンロード専用ソフトとして売るにはやや厳しい内容だ。
操作性の悪さにチープさにバグっぽい挙動に単調さと、値段を考えると割高でオススメはし辛い一本。
とはいえ、遊んでる感覚はまさに
「SIMPLE2000シリーズ時代のSIMPLEシリーズ」で非常に懐かしかったし、
文句を言いながら繰り返し遊んでしまう魅力にも溢れている。
手放しには褒められないしオススメもし辛いんだけど、決して嫌いではないしどちらかというと好き!
ディースリーパブリッシャーが久々にこういうSIMPLEを出してくれたのはとても嬉しく思ったよ。
色々と追いついてないもののやる気もかなり感じられた。
VITAのSIMPLEシリーズはまだ始まったばかり。
これからの進化に期待するぞ!