Contrastのレビュー行くぜ!
Contrast | ソフトウェアカタログ | プレイステーション® オフィシャルサイト
ContrastはCompulsion Gamesから2014年2月22日に配信されたPS4ダウンロード専用ゲームだ。
ロンチタイトルの1つで海外産のインディーズゲーム。価格は1579円。
PS3版もあるが、そちらはZOOから1714円で配信されている。
PS3とPS4同時配信で、価格とメーカーがそれぞれ違うって珍しいな。
翻訳に差があったりはするんだろうか?PC版もあって海外では360版もあるみたいね。
舞台は1920年代のアメリカ。
街一番のキャバレーで働くカットを母に持つ小さな女の子ディディが主人公。
ある日、カットの分かれた夫であるジョニーが街へと戻ってくる。
ジョニーは胡散臭い連中とつるんで胡散臭い儲け話に首を突っ込んでは借金を背負いまくってるダメ男。
今回はサーカスを興行して大儲けしてカットともう一度やり直そうするが、
案の定上手く行かなくてカットも巻き込んで色々ピンチに。
ディディとしては父親に戻ってきてもらってみんなで仲良く暮らしたい。
そこでプレイヤーは「ディディにしか見えないお友達」であるドーンを操作し、
ディディの願いを叶えるために、光と闇が交錯する夜の街を奔走することになる。
と、まあそんなストーリー。
家から抜け出したディディと一緒にカットを追いかけたり、
ジョニーを追いかけて仕事の失敗をなんとかしたり。基本はそんな流れだ。
初見だとなかなか濃く感じるキャラだけど、このドーンの横顔はセクシーで好きですね。
アクション要素も多少あるが、敵とのバトルみたいなのは無いのでジャンルはパズルアドベンチャーってところかな。
基本的には「○○へ行け」「○○を探せ」「○○をしろ」という指示に従って進んでいく一本道の内容だ。
本作最大の特徴は「影へのシフト」。
こういう感じで影の出来ている壁に近づくとR2ボタンを押すと……。
ドーンが影となって壁の中へ!
そのまま壁の中を移動することが可能で、この能力を駆使して先に進むのが本作のキモだ。
まさに光と影のコントラストというわけね。
通常は3Dアクション的な操作。
影になっている間は左右移動とジャンプのみの2Dアクション的な操作となる。
進んでいくとそのままでは壁に入れない場所や影が途切れている場所も出てくるので、
そういう時は周りのオブジェを動かして「影」の大きさを調節する必要がある。
これは2階に行くために、3つのパネルを動かして影を調節する場面だ。
光源にパネルを近づければ影は大きくなるし、パネルを離せば影は小さくなる。
中盤からは機械的な仕掛けも増えてくるし、
「物を持ったまま影に入る」「影の中に物だけ置いて影から出る」
「光を動かして影の中に置いたものを影ごと動かす」なんてギミックも出てくる。
会話をして動いている人の影を乗り継いで進む場面なんかも。
影になって人の頭の上を「ども!見えない友達です!ちょいとごめんよ!」
ってな感じでヒョイヒョイ乗り継いでくのが楽しい。
影を作り、影を動かし、影となって光の中を駆け抜ける。
パズルとして面白いし、演出としても非常に美しい。
回転するメリーゴーランドの影を乗り継いでいく場面は本作でももっとも幻想的なシーンの1つ。
通常時のギラッとした色使いと、影にシフトした時のくすんだ色使いの差がとにかくいいんだ。
ドーンとディディ以外の登場人物はすべて影のみで表現されてて実体は見えないという演出になってる。
ドーンはディディにしか見えない。
それと同じようにドーンもディディ以外の人間が見えないのである!
こういう表現にすれば主人公以外のキャラクターのモデルを作らなくていい!っていう工夫も感じさせる。
人が大勢集まってるシーンでも影だけでいいからね。
まあ雰囲気出てるしインディーズゲームならではの良い意味での工夫ですよこういうのは。
舞台はキャバレーとかサーカスとか賑やかな場所中心なのに画面には誰も映ってなくてちょっと寂しい。
そこで唯一、画面に存在していてドーンに元気良く話しかけてくるディディで気持ちが明るくなるっていう
プレイヤーへの演出効果にもなってる……かも?
1本道のゲームなのでマップはさほど広くないが、
ちょっとしたポスターや小物なども作りこまれていてついつい歩き回りたくなる作り。
映画館で映写機の光にホコリが反射してる描写が特に好き。
スクショだとまったく綺麗に見えないけど実際にプレイすると宇宙みたいで見入ってしまう。
ほとんど通り道で回収できるが、
マップのあちこちにある新聞や手紙などを回収して読むことで
登場キャラの背景やストーリーの裏側を補完できる要素もある。
「あれはこれのことかー」とか「あいつヤベーな!」とか分かったり。
欠点は場所によっては影に入れる場所がちょっと分かり辛い点と、
進めていくうちにいかにも「はい!パズルですよ!」っていう仕掛けが増えてくるところかな。
大掛かりな機械とか出てきて見た目は面白いけどパズルが少しめんどくさくなってくる。
その割に謎解きのバリエーションが少なめで、
箱をスイッチの上にどうにかして乗せる謎解きとか、ありきたりなものチラホラ。
パズル部分はアイデアは良いけどやや練り込み不足か。
英語音声の日本語字幕なんだけど、字幕がちょっと小さくも感じた。
あと、チャプター3のラストでゲームが進行しなくなるバグが発生する場合があるようで、
これは一度チャプター3に入ったらゲームを中断して、
チャプター選択からチャプター3を開始すると確実に回避できる模様。俺はこのやり方で回避できた。
ストーリーは後半の盛り上がりはあるものの、
ドーンは最初から最後まで喋らないしプレイヤーの想像に委ねている部分が多い。
パズル部分はアイデアと見た目はいいがやや練り込み不足。
そんなわけで評価するとなると雰囲気ゲーってとこに落ち着くんだが、
古い洋画のようなノリと背景美術がとにかく素敵な1本。
タイトル画面で流れるボーカル曲などBGMのジャズも完成度高い。
夢か現か光か影か。個人的には雰囲気がツボでかなり楽しめたぜ。
プレイ時間はトロフィーコンプまで遊んでも3時間掛からないくらい短いので、
1500円で映画1本見るつもりで遊ぶと丁度いい作品かな。