熱血魔法物語のレビュー行くぜ!
熱血魔法物語は2014年4月30日にアークシステムワークスから994円で配信された3DS DLソフトだ!
「熱血硬派くにおくん」シリーズの1本で今回はなんとファンタジーである!
開発はエイビット新潟。
同じくアークからファンタジー版くにおくんみたいなソード&ダークネスというゲームが出ていたので
今回もそれを開発したエープラスかと思ったら違うメーカーだった。
最近のアークシステムワークスのくにおくんシリーズは
りき伝説、熱血硬派くにおくんSP 乱闘協奏曲、PS3版ダウンタウン熱血行進曲の開発を担当してるエープラスと、
熱血硬派くにおくんすぺしゃる、熱血魔法物語の開発を担当したエイビット新潟の2種類があるというわけだね。
また、エープラスはどぎめぎインリョクちゃんにもグラフィック関連で関わっている。
ここはテストで出るのでみんな覚えておくように。
本作はファンタジー世界が舞台なので
くにおくんの名前はクーニー・ヴァルフォード、りきの名前はリッキー・ブレイグなど。
お馴染みのキャラクターもファンタジー流にアレンジされた名前と姿で登場するのだ!
この突っ込んだら負けの出オチ感ハンパ無い!
ストーリーは旅の剣士であるクーニーが、
とある村に立ち寄ってモンスターに襲われるところからスタート。
これが最初のチュートリアル的なバトルで剣も使えるぞ。
まあ、すぐに剣を相手に投げつけてパンチとキックでボコボコにも出来るしその方が楽しかったり。
オラッ!モンスターがなめてんじゃねぇぞコラァッ!
クーニーを操作して旅をして様々なキャラクター達と出会いながら
行方不明になった親友のリッキーを探したり、
モンスターやレイホランド王国との戦いに挑んだりする横スクロールアクションRPGだ。
背景は3Dだが、キャラクターはファミコンのくにおくんシリーズを思わせるドット風となっている。
基本操作は方向キーかスライドパッドで移動、素早く2回入力でダッシュ。
Aボタンでパンチとアイテム拾い、Bボタンでキックとアイテム投げ、
Xボタンで手に持っているアイテムを使用、Yボタンでジャンプ。
Lボタンでお気に入り設定したアイテムの切り替え、Rボタンで仲間キャラへの操作チェンジだ。
ボタン操作に関してはキーコンフィグで自由に変更可能。
基本的にはいつものカンタン操作で殴る蹴る必殺技のくにおくんだが、
仲間が最大2人+ストーリー進行によって更にNPCが加わる上に、
敵が8人以上同時に出現することも珍しくないのでかなり派手な展開になってるぜ。
リーチの長い剣に広範囲を一気に攻撃できる魔法の杖などRPGらしい新武器もなかなか強い。
ゴブリンやスライムやゴーストなどファンタジーでお馴染みのベタな敵が次々に出てくるんだけど
みんな「くにおくんシリーズっぽいデザインと骨格」なのがなんか楽しい。
Lボタンで戦闘前にセットした武器や回復アイテムを切り替えて使うことも出来るし、
敵が落とした武器を拾ってそのままゲットしたりも。
「この剣を使うしかないようだな!」みたいなセリフと共にレア武器振り回してくるボスを即ダウンさせて
落とした武器奪って殴り返したりも出来るぜ!
もちろん拾った武器はそのままお持ち帰りできる。
ただ、大金出して買って装備した武器でも
戦闘終了時に地面に落としていると容赦なく消滅するという漢仕様でもあったり。
敵を全滅させた後に愛用の武器を地面に落としていたらすぐ拾うんだ!
今回は経験値での成長や、飲食店で食事をしてステータスを上げたりする要素は無し。
完全に装備するアイテムでの能力変化のみである。
防御力やパンチ・キック力などが上がるグローブとシューズの他に、
10存在するスロットに巻物・護符・指輪を装備することが可能。
巻物は装備することで新しい必殺技が使えるようになる。
指輪はステータスの上下で、護符は一度死んでも復活可能などの特殊効果。
必殺技はマッハパンチやマッハキック、すくりゅうなどのシリーズお馴染みのものから、
剣を使った大技まで様々。
巻物を沢山装備してどんな状況にも対応できるキャラにしてもいいし、
巻物は最低限で指輪を沢山装備して基本性能を高めてもいい、という自由度の高い仕様だな。
まあこのゲーム、キック力アップの指輪を沢山装備してマッハキックでゴリ押しするのが最強なんですけども!
街では通行人と話すことも出来るし、宿屋、アイテム屋、レストランなどの施設を利用することも可能。
敵を倒したり、ミッションクリアの報酬で買い物をしてキャラを強化するのだ。
ミッションは100種類以上存在。
メインミッション以外では「○○を倒せ」「○○を持ってきて」とかのおつかいミッションがほとんどだけど、
ネタっぽいミッションも多いし、受注したミッションをチマチマとこなしていくのはなんだか楽しい。
うわーっ!ドラゴンだーッ!(ダウンさせたところをマッハキックで追い討ちしながら)
ネタセリフの多さや、敵を倒すと味のある悲鳴と共に消えていったりするノリはいつものくにおくんね。
そんなわけでまさにファンタジー版くにおくんといった内容だが、
細かい不満点がかなり多くて大分残念な作り。
まずストーリーがサブミッションをそれなりにこなしても2~3時間で終わってしまう分量。
メインミッションだけ追えば30分掛からないんじゃなかろうか。
ストーリーは細かい分岐が多く、特定のアイテムを持っていると仲間になるキャラや、
特定の条件を満たすと変化する展開など周回プレイ前提の作りではあるんだけど、
ここが更に問題で分岐のほとんどがノーヒント。
どうすれば展開が変わるのか攻略サイトでも見ないと非常に分かりにくい。
通常の展開だと協力してくれるキャラが魔剣を装備してると協力してくれなかったり、
特定のアイテムを装備して仲間を1人も入れない状態で進めてると
ボスのダブルドラゴン兄弟が仲間になったりするのとかは面白いんだが……。
2週目へのアイテムやお金の引継ぎがまったく出来ないのも残念だ。
仲間キャラが沢山いるのに一緒に冒険できるのは2人までで、、
一度外したらほとんどのキャラは二度と仲間に出来ないのもつらい。
また全体マップで次に進む洞窟や街を選んで移動する形式になっているが、
移動中にランダムで敵と遭遇して戦闘になるのが大分テンポ悪い。
一応、通常の敵なら画面外にダッシュすることで逃げられるんだけど、
逃げられない敵や、ランダムで敵の大群やボスと戦うイベントが発生したりもする。
このゲーム、死ぬとコンティニュー無しでタイトル画面に戻されるので地味にしんどいぜ。
成長要素が無くなっているのも残念。
レストランで食事しても体力が回復するだけ。
しかも安価で全回復する宿屋が存在するのでレストランの必然性がほとんど無くなってしまっている。
ファンタジー世界が舞台でいつもよりRPGっぽい雰囲気なのに、
システム面では成長要素が無くなっていつもよりRPGっぽさが薄れているという妙なことに。
周回プレイ用に経験値を稼がなくてもサクサク進めるようにという理由でこうしてるのかもしれないが、
それ以外の部分が全然サクサク進めない作りッ!
どっちにしろやり直したら1から金を稼ぎ直しだからなあ。
ザコ敵を倒して手に入れたアイテムを売る事も出来ない。
難易度もかなり低くて、回復アイテムをしっかり買えば
ほとんど装備アイテム買わなくても1人旅で十分最後まで行けるバランス。
姿を消せるチートアイテムを持ったキャラをすぐ仲間に出来るし、単発で強い必殺技も多く大味。
それでいて難易度変更は不可能。物足りないぜ。
ミッション関連で頻繁に行くことになる街のマップが
どれもこれも異常に横長で一番奥に行くだけでもムダに時間かかるのも辛い。
ファミコン時代のくにおくんを意識したのかもしれないが、
一発で街の外に出るコマンドみたいなのも無いから結構ストレス溜まる。
ていうかダウンタウン熱血物語やりき伝説の商店街だってこんなムダに歩きにくくは無かったよ!
ミッションを頼んでくる人や、ミッションクリアしてから話しかけなきゃいけない人が一目で分からないから、
位置を覚えるか、しらみつぶしに話しかけるかする必要がある。
頭の上に「!」とか簡単でいいから目印でも出して欲しかった。
ストーリーは戦闘中のセリフやイベントのバカっぽいテキストはいいし、
ところどころでダウンタウンシリーズやってるとニヤリと出来る会話もあるんだけど、
メインのストーリーになると変にシリアスで思わせぶりな展開が続く。
「謎の単語や誰かの名前を思わせぶりに呟いて去っていく」
みたいなやり取りが多すぎて話が全然頭に入ってこないし、
劇中で提示された伏線のほとんどが解決しないままフェードアウトしていくのもなあ。
なんか裏設定だけやたら多そうなストーリーだった。
エンディングの「その名前が言いたかっただけかよ!」って展開は好きなんだけども。
意欲作で気合が入ってるのも分かるんだけどまとめ方に失敗して良作になれなかった感じ。
周回プレイで何度も楽しめる作りを目指したものの
作りの雑さも含めてことごとく裏目に出ていて大味かつ薄味に。
値段分は十分楽しめたんだけど内容を書いていくと不満点の方が沢山出てしまう。
個人的にはソード&ダークネスの方が面白かったわ。
「ファミコン風だけど過去のくにおくんシリーズでは一度もやってなかったタイプの新作」
って方向性は非常に良かっただけに惜しいね。
くにおくん次回作はPS3でのダウンタウン熱血行進曲リメイクとなっているが、
こういう方向性の新作にもまだまだ期待してるぞ!