『くにおくんの三国志だよ全員集合!』のレビュー行くぜ!
この記事はSwitch版の初期バージョンでのレビューになるぞ!
メーカー:アークシステムワークス
機種:Switch/PS4/PC
ジャンル:アクションRPG
発売日:2021/12/16(Switch)2022/7/21(PS4/PC)
価格(税込):3740円
今年で35周年を迎える『熱血硬派くにおくん』シリーズの最新作だ。
賛否両論ありつつも、
ここ10年くらいはほぼ途切れずにシリーズ展開してるくにおくんは凄い。
最近のウルトラマンもそうだが、まず継続することが大事だよな……。
今回はお馴染みのメンバーが三国志の武将となって大暴れするアクションRPG。
くにおくんシリーズは時代劇やったりファンタジーやったり、
映画のクレヨンしんちゃん並みにジャンルが幅広いので、
発表された時は「そういえば三国志やってなかったな!」という感想を抱いたね。
くにおくんシリーズ、普通に100人以上キャラがいるから三国志にはピッタリだ。
開発はエープラス。
シリーズでは『ダウンタウン熱血物語SP』
『熱血硬派くにおくんSP 乱闘協奏曲』『りき伝説』と、
評判の良いタイトルを多く手掛けているところだね。
やや延期とバグが多い印象あるが好きなメーカーだ。
本作はくにおくんと三国志をミックスしたハチャメチャなストーリーに、
爽快感重視のアクション、掘り出すと沼なハクスラ要素と、
くにおくんらしい仕上がりにはなっているんだが……。
「大味だけどワクワクするから良いかな」って部分と
「普通に雑!!!!」って部分が混ざってるゲームでもあったぞ。
ストーリーは黄巾族との戦いから赤壁の戦いまでを描いた構成だ
関羽(くにお)、劉備(ごうだ)、張飛(ごだい)の出会いのシーンから始まるぞ。
ギャグっぽいノリでメタっぽいセリフや直球の現代語も飛び出すが、
キャラの扱いやシナリオ自体は三国志に沿って進む。
くにおくん知らなくても遊べるし、
知っていると「あいつがこういう役で出てくるのかー!」という面白さがあるね。
メインストーリーを追いつつ、各地を巡って探索やザコ狩り、
買い物やサブイベントなどでくにおくんを強くしていく構成だ。
マップは結構広いがファストトラベルもあるのでそれなりに快適。
2周目からは選択肢によるストーリー分岐や、
敵が様々な装備アイテムを落とすハクスラ要素が解禁される。
これ2周目までお預けにする必要あったか……?
くにおくんシリーズと言えば派手な必殺技の数々。
今回も数十種類が登場して簡単操作でバシバシ繰り出せる。
お気に入りの技をボタンにセットして大暴れだ!
お馴染みのマッハパンチやマッハキックに始まり、
様々なプロレス技や拳法、物理法則をぶっちぎった技の数々など。
使ってて気持ちの良い技が揃っているし、
敵の数が凄いからコンボや大技が決まりまくる!
こういうダメージ表示が大量に飛び交うゲーム好きなんだよなぁ。
更にSPゲージを使った「熱血乱舞」を発動させれば、一定時間パワーアップして大暴れ。
SPゲージは超必殺技にも使うことが可能でこちらも強力。
ボス戦で瞬殺を狙う時には必須だね。
計略ゲージを溜めれば計略が発動可能!
全画面攻撃の水計、特定エリアでは強力な落石、
回復アイテムをランダムでゲットできる宅配之計、時間を止められる停刻之計などなど。
ド派手なものが揃っているぞ。
それ計略じゃなくてスタンド能力では?というのが混じってるが気にしない!
水計の後に水溜まりが残ったり、タコやらイカやらがそこら辺に落ちてる演出好き。
2周目からなのが残念だが、敵が落とす装備アイテム集めも沼。
付いてくるおまけ効果がランダムかつ強力なものが多いし、
低確率で落とすレア装備や、同じシリーズで装備を固めるとボーナスが付く要素もある。
必殺技のタイプに合ったおまけ効果が揃えば火力が跳ね上がるため、
アイテムの厳選作業が止まらない!
オラッ!なめてんじゃねぇぞ!レア装備落とせ!
と、黄巾族や各勢力の兵士を数百人、数千人と倒すことになるぜ。
経験値集めてレベル上げて強くなる要素ももちろんあるんだが……。
成長は割とすぐに頭打ちになるので、
最終的には強い装備をいくつ拾えるかで決まるゲームだね。
ステータスの割り振り、序盤は「打たれ強さ」推奨だ!
大量の敵を派手な必殺技でまとめてなぎ倒し、大量のアイテムをザクザクと回収。
ゲージ技も複数あって力押しがしやすい。
過去作と比べて爽快感重視の構成が動かしてて楽しいね。
各地で手に入る必殺技の数も多いから、
お金が溜まったからこの技を買おう、こっちの方が面白そうかな?と、
悩みながらの探索はやりがいある。
隠しショップや隠しアイテムがあちこちにあるのも昔のゲームっぽくて好き。
歴代BGMのアレンジも絶品だ!
ストーリーはかなり駆け足でダイジェスト気味なところも多いが、
関羽(くにお)、劉備(ごうだ)、張飛(ごだい)の3人のドタバタは楽しいし、
意外な存在感を見せる公孫瓚(へいるまん)や、
なかなかハマってる曹操(やまだ)など配役の妙も見所だ。
シナリオの都合で後半出てくる孫権(りき)……というか
花園メンバーの影薄いのはちょっと残念だったけどね。
三国志だから当然だけど普通に人死にが出るのもビックリしたなぁ。
女性陣が過去一でかわいいのも見逃せない!
はせべめっちゃかわいいじゃん!どうした!?
いや、はせべは昔からかわいいけど!
と思っていたら、
まさかの諸葛亮役で登場したみさこがその上を行くかわいさだった。
「不敵で口調が荒っぽい天才女軍師キャラ」は強すぎるわ……。
そして呂布役という納得のポジションを与えられたみすずであった。
キャラクター図鑑では三国志本編の解説がかなりしっかり読めるんだが……。
グラフィックはくにおくんのままなので色々とカオス。
しんじがバイクとセットで「赤兎馬」ということになってる!
おまけモードの『三国英雄録』はベルトスクロール風のアクション。
本編はオンラインプレイ出来ないが、こちらはアプデでオン4人プレイに対応した。
本編で使えないくにお以外のキャラが使えて、
ボスのセリフもここだけの物が多くてまあ楽しいんだが……。
ステージは淡々としてるし、ボスも物量と火力で押してくるので、
1人プレイだとちょっときついね。友人とワイワイ遊ぶの前提かな。
そんなわけで、
三国志とくにおくんシリーズの融合というところはかなり楽しめたんだが……。
ゲームとしてはかなり粗が目立つ。
周回プレイして4つの難易度クリアを目指す構成になってるんだが、
最初に書いた通り1周しないとハクスラ要素などが解禁されないし、
高難易度の敵の火力も異常。
雑魚の攻撃を1ダメージに抑えるまで防御力を上げても、
ボスの攻撃がかすっただけで体力を半分以上持っていかれる。
必殺技が直撃しようものなら体力満タンでも確実に即死だ。
これでは軟弱豆腐くにおくんである。
攻略情報を見て壊れ性能の装備と必殺技で固めて、
ドーピングして瞬殺するのが前提としか思えないくらい敵の火力がキツい。
コツコツ事前準備してボス瞬殺する面白さも分かるんだが、
さすがにもうちょっと優しさが欲しいぜ……。
これに拍車をかけるのはボス戦での味方の動き。
大量に出てきてこちらを援護してくれるのは良いんだが、
味方がボスを1ダメージで吹っ飛ばす。
ボスが起き上がり時の無敵時間と共にこちらを攻撃してくる。
逃げてるうちにまた味方がボスを吹っ飛ばす……の繰り返しになりがち。
ボスの攻撃一発が致命傷になるバランスでこれはきつい。
非常にイライラさせられた。
味方はある程度ダメージ受けたら気絶する設定にしてくれ!
『イカすぜ!小林さん』という事件を経て今回は徐晃役に収まっているこばやしさんは、
高難易度になると一気にクソボスになるのでまたも風評被害!って感じがした。
6つの章はそれぞれ選択肢による名声値で、
ルートが「演義」「熱血」「冗談」に分岐するんだが、
各地に散らばるサブイベントの選択肢も細かく絡んでくるし、
条件を満たした上で特定の場所にいかないとダメな場合もある。
分岐がシビアかつ分かりにくい作り。
ここは同じくルート分岐が分かりにくく、
アプデでやっと改善された『ダウンタウン熱血物語SP』の反省が
生きていなくて非常に残念。
分粋も章の終盤が違うものになるくらいで、
シナリオ全体が大きく変わったりもしないのが物足りない。
熱血ルートは熱い死闘が待ってるし、
冗談ルートのエンディングは色々ひどくて好きではあるけども。
他にもメインストーリー途中で
判定の分かり辛いジャンプアクションパートが挟まったり、
材木を集めるサブイベントを請け負うと
場所が分からなくてやたら歩き回ることになったり、変なところでストレス溜まる。
現在はアプデで大幅に弱体化されたが、
冒頭でいきなり「ごだい」「ごうだ」という
シリーズの強豪相手に1対2で戦うのもおかしかったな!
チュートリアルかと思ったら普通に強くてボコボコにされるという。
シリーズを重ねて膨れ上がった登場キャラたちを上手く使っていて、
ファンとしては新鮮な気持ちで楽しめるゲームだった。
マップの広さや、必殺技モーションと立ち絵の枚数の多さも気合を感じたところ。
ゲージ技で敵をなぎ倒す爽快さや周回によるハクスラ要素など、
システム面で『ダウンタウン熱血物語SP』からの流れになってるし、
それでいて各地の隠し要素や、手探りでイベントの発生条件を探す構成などは
良い意味でファミコン時代のゲームっぽいワクワクがあったね。
ただ、ゲームバランスが色々とピーキーで、
さすがに雑じゃないか?と感じる点も目立つ。
ストーリーモードがオンライン非対応なのも今の時代さみしい。
面白いけど胸を張ってオススメ出来るかというと難しいぜ……色々と惜しかった!