@SIMPLE DL シリーズvol.33 THE熱血!炎のラーメン屋のレビュー!
行くぜ行くぜ行くぜーーーッ!
@SIMPLE DL シリーズvol.33 THE熱血!炎のラーメン屋 公式サイト
本作はディースリーパブリッシャーから10月29日に520円で配信された3DS DLソフトだ!
開発はロケットスタジオ。
THE連撃英雄の前科があったから大分不安になったが、味で納得させてくれたぜ!
内容は「くろがね軒」の新米ラーメン職人である能近極(のうきん きわめ)を操作して、
お店を切り盛りしつつライバルである大手チェーン店からの刺客を打ち倒していくアクションパズルゲームだ!
モードはメインとなるストーリーモードと、ひたすらハイスコアを狙うトライアルモードの2つ。
ストーリーモードは全7話で、
普通に経営して条件達成を目指す経営パートと、
特殊な条件や妨害が付きまとう対決パートの2部構成になっている。
経営パートで新ラーメンが登場、対決パートでそれにちなんだ条件に挑むという流れが基本。
ゲームはシンプル。
来店したお客さんがオーダーチケットを出す。
それをタッチして調理開始。
調理が終わったら次のオーダーチケットをタッチ。
これを制限時間終了まで繰り返すだけだ。
調理を完璧にこなしていいラーメンを作ればスコアや評価がアップ。
注文を沢山さばければ売り上げがアップ。
各ステージには「売り上げ○○以上」「平均評価○○以上」なんて条件があるのでここに絡んでくる。
そして同じオーダーは最大4つまでまとめることが可能。
この画像だとあぶり肉ラーメンをまとめてあるね。
麺をゆでたりといった一部の調理工程をまとめて行えるので時間短縮になる。
登場するラーメンは普通のラーメン(みそ・しお・とんこつ・しょうゆ)、メガ盛りラーメン、
げきからラーメン、つけ麺、タンメン、あぶり肉ラーメンの6種類。
それぞれ調理方法が違っていてこれがまた楽しい。
普通のラーメンだったら、ヤワ、カタといった客の注文にあわせて麺を茹でる!
時間を見て麺をタッチして引き上げる!
画面の指示に従ってスライドパッドを入力して、チャッチャッチャッと湯切り!
最後に注文に合わせて具を盛りつける!
「アリ」だったら1つ、「マシ」だったら2つ、「マシマシ」だったら3つ乗せて完成だ。
「チャーシューがマシ、ネギマシマシ、メンマアリ……」
なんて頭の中で唱えながら盛りつけていくのに妙にハマってしまう。
完成するラーメンのグラフィックがちゃんとうまそうなのがポイント高い。
それ以外だとタンメンはスライドパッドを回して野菜を炒める。つけ麺なら湯切りをするだけ。
ここら辺は楽でいいね。
そして本作でもっともインパクトあるのがメガ盛りラーメン。
とにかく具を乗せるだけの操作になっているが、
指定された具さえ乗せてしまえばあとはいくら乗せてもOKであり、
具を乗せまくって高さを稼ぐほど評価が上がるという謎の注文無視推奨システム!
「よし!注文の分は乗せたからあとはキャベツとモヤシの塊を5個乗せよう!」みたいなプレイになる。
これが最高評価の「チョモランマ級 メガ盛りラーメン」だ!
3DSの2画面ぶちぬきメガ盛りラーメンでいッ!ヘブン状態!
9割以上がキャベツとモヤシの山なんですけど?!
これで大満足する客…一体何者なんだ……。
最高がチョモランマで、それ以外にも「高尾山級」とか「富士山級」とか種類があって変に細かい。
こうやって注文をさばいていくとゲージが溜まって必殺技が発動可能になる!
必殺技は累計スコアで新しいものを覚えていくので、
ゲームオーバーになっても少しずつ新しい必殺技へは近づいていくという仕様だ。
必殺技は
適当な方向を指差して叫んで客の動きを止めてその間に調理をする「あっ!あれはなんだぁぁぁ!?」に、
オーダーをすべて同じ料理にする「本日はこれだけ!」。
声に気合を入れて客のテンションを上げて高評価を取りやすくする「下っ腹から声だせっ!」などなど様々。
必殺技……必殺技?!なんか普通にできそうな行動ばかりだこれ?!
進行中の調理を代わりにすべてやってもらえる先代召喚。
ペルソナかスタンド発動といった迫力であるが、
先代店主である主人公のおじいさん(普通に生きてる)に調理を丸投げするだけである。
何が「 先 代 召 喚 」だよ!
この「妙に地に足のついた必殺技」は結構ツボだったぜ。
どれも便利だけど使い所が難しいのでうまく活用していきたい。
調理パートも面白いが、
ストーリーモードの会話デモもみんなキャラ立ってるしギャグも笑えるしで面白かった。
ザコ、職人、変質者、おっぱいと濃いキャラ揃い。
主人公が個人経営のラーメン屋で、ライバル達が大手チェーン店の人間なんだけど、
よくある「悪の大手チェーン店に立ち向かう主人公!」みたいな話じゃなくて、
ラーメン屋としてお互いうまくやっていこうぜ!的な爽やかなノリなのが意外でよかったわ。
ここは地味に好きな点。
まあ、一部ヒドい奴も出てくるけども!どうしようもない奴も出てくるけども!
正面から妨害を宣言するザコに対して
普通に出禁で対応しようとする主人公。
このゲーム、基本バカゲーなのに必殺技もだけど変なところが常識的でそこが笑える。
メガ盛りラーメンが初登場する回で主人公が「ジ…」と言いかけて静止された後に、
二郎って名前のキャラが登場して「台無しだ!」って叫ぶシーンもひどかった。
そんなわけでストーリーも調理パートも楽しい内容となっているが欠点もいくつか。
一番の欠点は
後半登場するげきからラーメンとあぶり肉ラーメンの調理難易度が他と比べて格段に高く、
高評価どころか普通以上の評価を出すのも一苦労な点だ。
げきからラーメンは慣れてくるとなんとかなるが、あぶり肉ラーメンの難易度は異常。
どっちも「難しいけど出来上がると評価やスコアが高い」というわけでもなく、ただ難しいだけ。
なので、最終的に「げきからとあぶり肉ラーメンをいかに無視するか」
というプレイになってしまう。後半の攻略はこれがすべてと言っていい。
ストーリー上は「げきからラーメンで勝負だ!」みたいな流れなんだけどそうしないとクリアが厳しすぎる!
げきからラーメンはスライドパットの回転、画面タッチ、3DS本体の傾け。
あぶり肉ラーメンは3DSマイクへの息の吹きかけで火力アップと、
ややプレイする場所を選ぶところと、操作説明が全体的に不親切なのも気になったところ。
次にボリューム。
難易度選択は無く、ストーリーモードを全7話クリアしたらほとんどやることがなくなる。
その分、難易度は高めになってるが、クリア時間はやはり短い。3~4時間くらいかな?
個人的には低価格のダウンロードゲームなら、
変に水増しみたいな要素を入れるよりは短くても面白い方がイイし、
値段が520円なら十分だと思うが、ちょっと食い足りないのも確か。
全12話くらいあればよかった。
延々と経営を続けられるエンドレスモードも欲しかったね。
一応、トライアルモードがそれに近いんだけど、
「選んだ1種類のラーメンだけで延々と経営する」という内容なのであんまり面白くない。
ここも惜しい。
せっかくキャラデザも会話デモもイイ感じなのに、
立ち絵が全キャラ1枚ずつなのが残念無念。
特にヒロインポジションの祥子は後半の会話含めてかなり可愛くて、何枚か立ち絵欲しかったなあ。
ラーメン屋でイチャイチャしやがって!
ボイス演出が無いのも惜しい!
「らっしゃい!」とか「トンコツお待ち!」みたいなちょっとしたボイスがあれば1割り増しで面白くなってたと思う。
いい料理ゲーには小気味の良いボイス演出だよ兄貴!歴史がそれを証明してる!
惜しい点も多かったが、
まさに「クリアまで早い!値段が安い!ラーメンが美味い!」という1本だ。
ラーメンを作っていく操作も会話デモもバカノリも楽しい快作。
後半のバランスはあれだったけど、システムはシンプルながらよく出来ているし、
グラフィックも含めて力入ってるように見えるね。
続編もやりたいけど、違う料理を題材にした同じスタッフの新作が是非遊んでみたいと思えたよ。
3DSのSIMPLEシリーズは移植と定番モノと密室ゲーム系列のシリーズばかりで
完全新作のタイトルって本当に少なかったし、
その数少ない完全新作であるTHE連撃英雄やTHEバトルロボもパッとしなかったから、
こういう完全オリジナルで面白いバカゲーは存在自体が非常に嬉しい。
うまいラーメンだった。オススメの1本だぜ!
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