絶対SIMPLE主義

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PS1「SIMPLE1500 THEホラーミステリー~惨劇館 ケビン伯爵の復活~」レビュー!チープさにも限度ってものがある!

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SIMPLE1500シリーズ Vol.74 THEホラーミステリー~惨劇館ケビン伯爵の復活~ D3公式

PSストア SIMPLE1500シリーズ Vol.74 THE ホラーミステリー ~惨劇館ケビン伯爵の復活~

2001年の9月27日に1500円で発売されたSIMPLE1500 THE ホラーミステリーのレビュー行くぜ!

現在はゲームアーカイブスで309円という恐怖の価格で販売されているぞ。

御茶漬海苔のホラーマンガである「惨劇館」をモチーフにしたゲームオリジナルのノベルソフトで、

作者も監修として関わっている。逆に言うと監修でしか関わっていないってことか……。

全12章+おまけの1章という構成で、

選択肢で分岐してミスするとバッドエンドになったりするオーソドックスな内容だ。

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章の最初には監修の御茶漬海苔が登場してプレイヤーに問いかけをしてくるぞ。

この自画像怖い!

そしてなんかテイルズオブシリーズみたいなこと言ってる!

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セーブデータは5つまで。

文章のスキップはあるが既読文章だけを飛ばすことは出来ず、画面切り替えでややもたつく。

バックログは無し。

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見た目が大分分かりにくいが自分の通ってきたルートや選択肢での分岐は

メニュー画面の表から見ることが出来るし、達成率も表示される。

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キャラクターはアニメ調。

タイトルはホラーミステリーとなっているが、どちらかというとファンタジー。

中世から現代へと時間を進めながら

魔王との契約で恐ろしい力を得たケビン伯爵と、

強大な霊力を秘めた謎の少女ミルフィの時空を越えた戦いが語られていく。

主人公は章が進む毎に何度か交代する。

最初は田舎に帰って来た商人で、次は現代の大学生だったり。

自分の力を強大にするために生贄を集めたり、

人間を怪物に変えたりしていくケビン伯爵の企みに巻き込まれてその度に恐ろしい目に合うのだ。

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正直言ってかなりイマイチな1本。

「凄い力を持った悪党!」以上の描写がまったくされないケビン伯爵を筆頭に、

登場人物の掘り下げがほとんどされないまま進行するのでキャラにまったく魅力が無い。

強引な展開でどんどん死んだり退場していくだけ。

定期的に話の舞台が変わって主人公を含めた登場人物が交代するんだけど、

その度に「あいつどうなったの?!」って疑問が残ったままシナリオは進み続ける。

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ヒロインは手からビームを出し始める。

終盤は神と魔王の戦い!的な方向に行くがここも唐突かつ曖昧で、

「主人公」が人間と神について自問自答し続けるだけで1章終わったりしてまったくついていけない……。

つーかこのゲームにおける「神」とか「魔王」ってどういう存在なんだ?

とにかく「神が!」「魔王が!」としか言われないから、

世界観はおろか作り手の宗教観すらさっぱり分からん。

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見た目はビックリするくらいベタな西洋の神なんだけども!

銀髪でイケメンで輪を頭の上に乗せてて背中から羽が生えてるとか

発売された2001年基準でもベタ過ぎる!

とりあえず味方は神で敵は魔王と悪魔!

なんか神聖なペンダントや聖水を食らうと悪魔は死ぬ!

神について自問自答すれば高尚な感じするよね!

くらいの感覚でシナリオ書かれてるなこれ。

登場人物は掘り下げられないし、神や魔王の概念も曖昧。

展開はダイジェストみたいな速度で進み

エンディング含めて大半の話が投げっぱなしと何もかもがフワッフワだぜ。

セリフや文章自体も稚拙。

選択肢でバットエンドになったりはするけど話自体は1本道。

定価1500円なのにフルボイスな点は評価すると言いたいが、

声優が少ないので何人も掛け持ちしている上に全員が凄まじい棒読み。

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ミルフィはマシな方だが主人公の妹の声が物凄い。

主人公に着替えを見られるシーンでは「チカン!ヘンタイ!ドロボウネコ!」ってセリフを棒読みで叫ぶからな!

古典レベルのベタなシーンなのにただ事じゃない空気になってる。

棒で殴られたような衝撃ですよ。

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絵の枚数が非常に多いのは評価出来る点。

ちょっとしか出てこないキャラにもちゃんと立ち絵があったりするし、

人間キャラの作画はそれなりで女の子は可愛いし、

怪物のグログロしい見た目なんかも悪くないぜ。

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その分がかなり分かりやすく背景に響いてるけども……。

こちらが現代編の主人公が通う大学になります。

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凄惨な殺人現場の背景がこれ。

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登場人物が掘り下げられていなくて魅力が無いと書いたが、

そこら辺が一周して逆に面白くなってるのがケビン伯爵。

強大な力を持ってるし犠牲者出しまくりでかなりえぐいことやってるはずなんだけど、

セリフが小物臭くてビックリしたり悲鳴を上げて苦しむ描写が出番の半分を占める上に、

声も棒の力に溢れてるのでなんだか憎めない感じがする。

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「オレは女を殺せと言ったはずだ!誰がつれて来いと命じた!」

って、北斗の拳の悪役かお前は!

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悪魔に体を乗っ取られつつも神と対峙する決戦シーンでの

「そうか、神か!昔、聖書で読んだことがあるぞ。貴様が神というやつか!」というセリフ。

なんでちょっと「これ進研ゼミでやったところだ!」みたいなノリなのケビン伯爵。

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定期的に出てくるこのケビンスマイルがステキ過ぎる。

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特定条件を満たして全12章をクリア……っていうか俺は普通にクリアしたら普通に出たんだけども。

とにかくクリアするとおまけの13章が出現。

女子校が舞台で、旧校舎に忍び込んだ女の子が恐怖の体験をするという、

おまけなのに一番まともにホラーっぽいシナリオである。

展開が唐突で投げっぱなしなのは変わらずだが。

ここは「学校であった怖い話」のハズレ分岐読んでるような感覚だったぜ。

あとブルマ履いた女子がいっぱい出てくる

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ちょっとチープな方がホラーは怖いものだけど、

ノリはファンタジーに近い上に本当にチープさしかないというか……。

グラフィックの枚数はホントに多いので、 

キャラとモンスターの絵を担当した人の頑張りは賞賛するけど1500円でも大分アレな1本だぜ!

これからプレイする人がいたら

ショボい部分に突っ込みを入れつつ、ケビン伯爵を愛でるゲームとして楽しむことを推奨します!