D.M.L.C.-デスマッチラブコメ-のレビュー行くぜ!
デスマッチラブコメは2014年4月9日に1080円で配信されたケムコのWiiUダウンロード専用ソフト!
元々はスマホで配信されていたタイトルでそちらは500円。
しかしWiiU版は1個100円×5の追加シナリオを最初から収録しているので、
トータルではそんなに値段が変わらないというWiiU版トガビトノセンリツと同じ売り方。
「告白されると爆発する」という体質になってしまった主人公が
この現象の謎を探っていくノベルゲームだ。
テキストを読み進めてたまに出る選択肢でストーリーが分岐。
基本的に2択で片方がバッドエンド直行だが、後半にいくとやや複雑に。
設定の時点でもかなり引き込まれたが、やってみたらハマって一気に読み進めてしまった。
すげぇ面白かったわ!
物語は主人公がクラスメートのお嬢様&暴力女からダブル告白される辺りから始まる。
で、爆発。
謎の声と共に爆発する前に戻り、今のは幻覚だったのかと疑ってみるも、
告白しようとしてた女の子2人も、近くで様子を見ていた友人たちもしっかりとこの事を覚えている。
どうしてこんなことになってしまったのか。
異変はこれ1つだけでは終わらず、主人公の手に4つのハートマーク型のゲージが出現。
好意を持っている女の子が接近するとゲージが上がっていき、告白寸前になるとゲージが3つに上昇!
4になると爆死。3でも主人公の体に負担が掛かって鼻血が噴出す。
ゲージは画面左下に表示されているが、
主人公の手に浮かび上がっていて自身も見えているという設定でそれを活用した展開も待っている。
「ゲージが1ってことは近くにいる?!」みたいな。
テキストを読み進めてたまに出る選択肢を選んでいくだけの内容だが、
普通のギャルゲーと違って選択肢では
「ラッキースケベや告白イベントが起こらなそうな選択肢」を選んでいかないと爆死してゲームオーバー!
爆死でバッドエンドになった後は反省会ルームへ。
選択肢のヒントに加えて、バッドエンドで引き起こされた被害状況も教えてくれるぞ!
既存の恋愛ゲームに対するメタ的な要素を多分に含んだ内容である。
登場人物はみんな好きだなー。
超お嬢様なんだけど世間知らずなせいでボケボケなところが可愛いるみ子さんに、
「今どき暴力系ヒロインは流行らないぞ?!」
と思いつつ見てたら一途なところやたまに見せる女の子っぽい仕草にクラッとさせられた乙羽。
アホな悪友ポジションだが要所要所で頼れるところやかっこいいところを見せてくれる亜須賀と志乃歌。
「馬鹿馬鹿しい」が口癖のクールキャラだけど割りと友人思いな隆斗
おっぱいの美弥。
どのキャラももうちょっと掘り下げて語りたいがネタバレになるな……!
ベタな設定の連中ばかりなんだけど「それがいい!」と言えるストーリー展開と描写ですよ!
このゲーム、主人公もその仲間も、告白しようとした美少女2人も「告白=爆死」のルールを知っている。
だったら爆発なんて起こらないのではないか?
そんなヌルゲーをデスマッチラブコメは許さない!
告白すると爆死するから気をつけよう!と情報交換した後なのに、
何故かるみ子さんと乙羽の2人が発情して主人公に爆死覚悟でアプローチを仕掛けてくる!
主人公は当然逃げたりギャグで笑わせて誤魔化したりと手をつくすが、選択肢を間違えると爆死!
この発情にも爆死にも腕のセンサーにも明確なルールが存在していて、
そこら辺も謎として劇中で掘り下げられていくのだ。
ゲーム中はTIPSが閲覧可能。
ゲームを進めていくと明らかになった謎や主人公の考え、展開がカンタンにまとめられている。
日付とカテゴリで絞込みも可能。
中盤からは人間関係や設定がかなり入り組んだ展開になってくるので、混乱してきたら再確認だ。
展開はとにかく頭の悪いギャグの連発で、
アホな中学生みたいなノリの主人公によって割とシリアスなシーンでもバンバンギャグを挟んでいく。
しかし中盤くらいからストーリーが二転三転していき、
かなりヘビーなシリアスとラブコメが超設定をバラまきながら進む嵐のようなシナリオ展開へ。
あまりの展開に3回くらい「これそういうゲームだったんですか?!」って叫んだわ!
超展開に戸惑ったり「展開が重ッ…!」とダメージを受けつつも、
真エンドまで見た後は「ラブコメだった!」と叫べる気持ちのいいゲーム。
一番このゲームらしいのは真エンドだけどエンディング4も好き。
ああいう展開にめっちゃ弱いのよ俺。
気になった点としては、設定や展開盛りすぎで「女の子に告白されると爆死する」っていう、
物凄くキャッチーで面白い設定がややボヤけていたのが惜しかったなあ。
伏線はあるものの、後出しっぽい設定も多いし、
登場人物の背景を無駄に複雑にし過ぎてるようにも感じた。
追加シナリオはどれも面白かったんだけど、
新規立ち絵や一枚絵が全然無いのは悲しかったね。
入浴シーンが「湯気っぽい背景に立ち絵の顔部分を乗せただけ」で処理されてたのは俺も爆発寸前ですよ!
何がエクストラコンテンツだ馬鹿馬鹿しい…ッ!
あと難波さんにも立ち絵用意してあげてください!
システム面ではセーブデータは29個+オートセーブ1個で既読スキップ搭載と、
トガビトノセンリツに比べるとかなり進化してるが、今回もフリーズする場合が有り。
俺の場合はコンプまでに2回ほど。
頻度が低くなってる気がするしオートセーブのおかげで多少はマシになってるが注意だ。
とにかくムチャクチャな内容なのに、登場人物はキャラが立ってるし勢いもあるし、
謎が謎を呼ぶ展開に引き込まれて続きが気になってしょうがなかった。
ギャグのノリと中盤以降の展開は好みが分かれそうなところだが、
一気に読み進めてしまう爆発力があって、遊び終えた後に元気が出てくる1本だった。
なんでもアリなシナリオの密度とキャラの魅力がとにかく凄まじい。
ギャルゲー好きはもちろん、この手のノベルゲー好きな人は一度遊んで見て欲しい。
とんでもない爆弾だぞコイツは!
スマホじゃ間違いなくやってなかったので、これをWiiUに移植してくれたケムコに感謝だ!