WiiUアルファディアジェネシスのレビュー行くぜ!
アルファディアジェネシスは2014年4月2日にケムコから配信されたWiiUダウンロード専用ソフト。
現在の価格は1944円だ。ジャンルは2DのRPG。
ケムコは家庭用だと存在感薄く、どうしてもシャドウゲイトの印象が強いメーカーだが、
携帯アプリでは昔からRPGを数十本も出している大RPGメーカー。
本作もスマホ用に配信されていたRPGの移植となる。スマホ版は1000円なので大分割高。
違いはスマホ版だとリアルマネーで便利アイテムや便利機能を使える課金要素があったが、
WiiU版だと街の探索で溜まるポイントを消費する形式になっていることくらいかな?
ハード面で言えば方向キーで操作可能ってのが一番大きい。
ちょっと素朴すぎる見た目ではあるが、
まさにファンタジーRPG!というノリとシステムで安心して楽しめる。
昔からのゲーマーには懐かしい手触りのRPGになっていたぞ。
かつて、大地から溢れるエネルギー「エナジ」を巡って大きな戦争があったラグーンが舞台。
しばらく平和が保たれていたが、
人間によって作られた人工生命体であるはずの「エナジ体」が事件を起こしたのをきっかけに歯車が狂い始める。
主人公が事件の調査に出るところから物語は始まり、やがら世界を巻き込んだ戦いへと発展していく。
ネーミング少し捻れ感あるがそれは置いておいてそんなファンタジーモノ。
仲間キャラはありがちな設定ながらなかなかキャラが立っているぜ。
主人公のフレイはちょっと鈍感だけど優しくてイイ奴で、いかにもファンタジーRPGの主人公という性格。
主人公らしく赤いハチマキもしている。
騎士団にヒロインのコロネもおしとやかでいかにもヒロインって感じだ!
コロネをとても慕っていて護衛として一緒に行動しているのがこちらのウォルター。
マジメでプライドの高いキャラで、
フレイとコロネがいい感じの仲になっていくのが気に入らなくてやたら突っかかってくる。
初登場直後、
「宿のチェックアウトの方法が分からなくてカウンターでゴネまくる」という、
ファンタジーとかRPGとかじゃないリアルなクレーマーっぷりを見せつけ、
これは現実に存在するモンスターでは…と俺の印象は最悪に近かったんだが……。
ゲームを進めるうちにウザ面白いいじられキャラとしてのポジションを確立。
最終的にはしっかりと人間的な成長も見せて一番好きなキャラになった。
損な役回りだよなウォルター……!
フレイが偶然起動させたエナジ体がエナ。この「?!」みたいな表情が結構好き。
起動したばかりの人工生命体なので一般常識がなく、ボケ担当になることが多くて和ませてくれる。
武器がチャクラムっていうチョイスが渋い。
フレイの妹であるアウラ。
見たまんまの妹キャラでかわいい。
パーティー唯一のおっさんポジションであるグランド。
義理人情に厚い豪快なおっさんである。頼れるおっさん。
最終的にこの6人でゲームを進めていくことになる。
基本的にはお使いイベントを繰り返しだけど、
メニュー画面の「ストーリー」からいつでも次の目的を確認出来るし、
目的地も表示されるので迷うことは無い。
通常画面は2Dだが戦闘は3Dのキャラが暴れまわる。
オーソドックスなコマンド形式のバトル。
キャラのステータスによって決まる行動順が表示されているので、
これを上手く見て敵の攻撃タイミングを図ったり、スキルや魔法で上手く行動順番をいじったりして戦い抜く。
戦闘は4人参加で2人は控え。
控えの2人の組み合わせで特殊な効果が発生するのが面白い仕組み。
かなりトリッキーな効果もあったり。
まあ、アウラとグランドを控えにした時の「経験値1.5倍」が強力すぎて
他を使う気になれないのは惜しかったが…。
ストーリーは王道ながらどんでん返しあり、ピンチあり、合間合間では楽しい会話あり。
アイテム集めや、本編と関係ないサブクエストも。
乗り物を手に入れて怪しげな島に降りてみると強力な隠しボスがいたりと、
昔ながらのRPGらしい要素にも溢れた内容だ。
アクセサリー装備をしっかり考えれば苦戦した強力なボスにも勝機を見出せたりとしっかりしてる。
グラフィックと戦闘演出は大分チープだが、RPGとしては丁寧な作り。
戦闘入る時の暗転がちょっと長いのが気になったくらいでテンポも良し。
欠点があるとしたら本当に「普通のRPG」であること。
ストーリーもシステム面も設定面もオリジナリティがあるわけでも無く、
王道の素晴らしさを堪能出来る……というほど付きぬけて完成度が高いわけでもない。
ここは短所でもあり、長所でもあるか。
1922円という値段も割高。
スマホ版のほぼ2倍近い価格で、WiiUのダウンロード専用ソフトだと3番目くらいに高い。
真エンド含めれば20時間以上は楽しめたので高いとは言わないが……。
お買い得感は無いしちょっと納得はいかないな。
やたら気合の入った雄たけびを上げるスライム。
スーファミ時代を思わせる「昔ながらのRPG」で、
ある意味こういう作品こそJRPGと呼ぶのかもしれない。
WiiUで手軽に遊べる普通のRPGを求めているのなら悪くない1本だぜ。