SIMPLE2000 THE戦車のレビュー行くぜ!
THEスプラッターアクションやTHE原始人やTHEネコ村の人々といった良作でもお馴染みの
ヴァンテアンシステムズ開発で2003年の6月23日発売。32番目のSIMPLE2000シリーズだ。
実在の戦車を使って30のミッションに挑むアクションシューティングなんだが、
あの「SIMPLE2000 THE地球防衛軍」と同時発売ということで色々と伝説になった作品である。
ゲーム内容からは少し離れるが、このゲームを語る上でそこを掘り下げないわけにはいかない…!
THE地球防衛軍が好評を博す中、
対象的に色々とアレだったこのTHE戦車は「これは戦車ではなくセンシャ」などと酷評を受ける。
当時の2chに立ったTHE戦車スレッドは早々にネタスレ化。
「酔っ払ったオヤジがTHE戦車を買ってくる」という謎のAAで進行するスレになる。
しかしこれはこれで面白く人気が出て長寿スレとなり、
2003年に立ってから去年無くなるまで現存していたのだ。
まあ、THE戦車買ってない人の方が多いスレではあったんだけども!
THE地球防衛軍を語る際にセットで名前が挙がることも多く、ゲーム内容には問題あったが、
その出オチっぷりにネタ方向で非常に愛された作品と言えるだろう。
そして時が流れTHE地球防衛軍2が発売された時は同時発売がTHEカンフーで、
そのTHEカンフーの開発も本作と同じヴァンテアンシステムズ。もはや運命である。
ちなみにTHE戦車を取り巻く状況については結構誤解が多い。
「ファミ通レビューだとTHE地球防衛軍よりTHE戦車の方が点数高かった」
「点数が同じだった」
これ実際にはTHE地球防衛軍が7/7/6/7でTHE戦車7/6/6/6だったので間違い。
まあ、THE戦車の7666は異常な高さだとは思うけどさ!
「発売前はTHE地球防衛軍よりTHE戦車の方が期待されていた」
これも俺の観測範囲内での話になるが、初代THE地球防衛軍の前評判はめっちゃ高かったし、
逆にTHE戦車はPS1で出た方が微妙だったこともあって警戒している人多かった。
「発売後にはTHE戦車の戦車より、THE地球防衛軍の戦車の方が戦車らしいと言われた」
というのは……。
本当に言われていたし事実です!
前置きが長くなったがゲーム部分の話に進もう。
操作方法は○×□△ボタンで前進と後退と主砲の発射。
左スティックで進む向きの調節、LRボタンとL2R2ボタンで砲塔の操作となっている。
キーコンフィグで砲塔の操作をボタンに割り振ったりとかなり細かくいじれるものの、
「右スティックで砲塔を動かす」操作にはできない。
視点変更なども一切無く固定だ。
ストーリーらしきものは無く、ひたすら命令に従ってミッションをクリアしていく。
敵も「敵軍」としか説明されないので、どういう勢力同士が戦っているのか一切不明。
ミッション30をクリアすればスタッフロール。難易度選択はなし。
クリア評価はあるが、判定がクリアタイムだけの上に高評価を出しても別に何も無い。
ゲームを進めて行くと新しい戦車が使用可能になる。
チハからキングタイガーまで時代を超えて集結だ。
一度ゲームをクリアすると砲塔を自由に入れ替え可能という謎のカスタマイズ要素が解禁。
チハにファイアフライの砲塔を装備させたり、逆にレオパルドにチハの砲塔を付けたりも出来る。
グラフィックもちゃんと変わるのでなんともいえない形状に……。
そんな内容だがゲームとしてはちょっと……いや、かなりつらいね!
戦車の動きには重さのカケラも無く、地面を滑るような軽い挙動。
主砲は戦車にもよるがボタン連射で10~30連射が可能。使い切ってもすぐにリロードされる。
敵に照準を近づけると自動で補正するオートロックオンシステムがあり、これは切る事ができない。
壁に阻まれて微妙に弾が当らない時でもロックオンしちゃうぞ!
もちろん部位ダメージや距離によるダメージの増減などは無い。
スコープを覗いて狙撃するようなことも出来ない。
ゲームの攻略法は動き回りながら適当に弾を撃ちまくるか、
あるいは体当たりして敵が砲塔をこちらに向ける前に主砲連射で潰すかだ!
敵AIもバカでフラフラしてるので適当に撃ちまくるだけでほとんどクリア出来るが、
かと思うと中盤の橋を破壊するミッションが、
敵に包囲された状態で始まるので全ミッション中最高難易度とバランスはグダグダ。
□PS1「SIMPLE 1500 THE 戦車」レビュー!火星vs地球!戦場は原っぱ!
この1年前にSIMPLE1500でもTHE戦車が発売されていて、
そちらは開発元が違うメーカーで内容も火星軍vs地球軍というSFモノだったんだが、
まだそっちの方が戦車ゲーとしては数倍リアルだったぞ!どういうことだよ!
リアルじゃないからダメというつもりは無いが、
ゲームとして割り切ってみてもゴリ押しでほぼ全ステージクリア可能な単調さで、
主砲発射や敵撃破のエフェクトや効果音全般がショボ過ぎて爽快感は薄く、
挙動がむちゃくちゃで、戦車を変えても主砲の効果音が変わらないしで雰囲気を楽しむこともできない。
やり込み要素も無く3時間程度で遊びつくせる。
褒められるのは戦車が13種類登場するところと、
2人プレイだと移動と砲塔の操作を
それぞれ違うプレイヤーが担当する特殊な操作が出来ることくらいだろうか。
「リアル至高の本格派シミュレータ。」
「戦車の挙動を綿密に再現したミッションクリア型アクションシミュレーター。」
改めてパッケージ裏を見直すと凄いぜ。
「カレーライスですよ!」って叫びながら凍ったジャガイモで殴るようなことをやっている。
一体どこの星の戦車をシミュレートしたんです?!
当時も酷評されていたが、今改めて遊んでもなかなか辛いなぁ。
ひたすらにショボくてすぐ終わるゲームって感じであんまりコメントすることも無いダメさだ。
オススメはできないぜ。
まあそれでも、俺にとってはSIMPLEシリーズが一番盛り上がっていた時代の象徴であり、
今でも特別なゲームの1本だったりする。
THE戦車が発売されてネタにされていたころは毎月色んなSIMPLEシリーズが発売されて、
ファン同士での交流も盛んだった。俺もオヤジAAのノリでTHE戦車を複数買ったりした。
しかし今はそんな盛り上がりもほとんどなくなってしまったし、あのTHE戦車スレも既に無い。
SIMPLEシリーズの新作も出てはいるが随分と少なくなってしまった。
それでも、またみんながSIMPLEシリーズで盛り上がれる日が来ることを信じるために、諦めないために。
ノリではなく、初心忘れるべからずという思いを込めて、
THE戦車を複数購入するようになった結果がこの戦車。正直、扱いに困っている。
集め続けてTHE戦車の「vol.32」というナンバリングと同じ32本まで揃ったので
ここで区切りを付けて集めるのをやめ、永久に保存しておこう。
いつかTHE戦車を必要とする31人の戦士が来た時に封印を解く。
THE戦車を集めるのはもう32本でやめて前へ進むのだ!
今は低価格のダウンロード専用ゲームが主流になってSIMPLEシリーズが厳しいとよく言われるが、
それでもまだまだSIMPLEシリーズには出来ることがあるはずだ。
頼むぞD3!SIMPLEシリーズ!この32本の戦車部隊と共に俺は応援を続けるぜ!
というような記事にするつもりだったんですが、手持ちのTHE戦車を数え直したら33本ありました。
どうしよう……。