ワールド オブ ファイナルファンタジー | SQUARE ENIX
本日はいよいよファイナルファンタジー15の発売日!
というわけでワールドオブファイナルファンタジーのレビューいくのです!
メーカー:スクウェアエニックス
機種:PS4/VITA用パッケージソフト
ジャンル:RPG
発売日:2016年10月27日
価格:税抜5800円
備考:VITA版はボイスデータをPSストアからダウンロードする必要アリ
歴代ファイナルファンタジーのキャラやマップが次々に登場する世界が舞台!
モンスターを仲間にして戦う育成&収集RPGだ!
開発はトーセ。珍しく起動時にロゴが出る。
時間の止まった街「ナインウッズヒル」で目覚めた
レェンとラァン姉弟の2人が主人公。
失われた記憶を取り戻すために、
異世界グリモワルに赴いてモンスター集めの大冒険を繰り広げるのだ。
俺がプレイしたのはPS4版ね。
グリモワルは2等身の小人たちが住む世界。
レェンとラァンもボタン1つで小さくなったり大きくなったりしながら、
美しくも不思議な世界で旅を続けていく。あらかわいい。
なかなか面白そうな雰囲気だったので発表当初から気になっていた1本。
実際遊んでみるとFF好きなスタッフが丁寧に作った作品なのが伝わってきたぜ!
何と言ってもシステムのキモとなる「ノセノセ」が面白い。
戦闘はレェンとラァンの2人で行うが、
仲間モンスターをこのように頭の上に乗せていくことで
パワーアップ出来るシステムになっている。
乗せたモンスターの魔法やスキルがそのまま使えるし、
耐性なども変化するのでどのモンスターを乗せるかが極めて重要。
炎に耐性のあるキャラを沢山載せれば炎に強くなるし、
雷の弱いキャラと、雷に強いキャラを組み合わせて弱点を補ってもいい。
同じスキルを持ったキャラを複数乗せると上位スキルが使える場合も。
例えば炎系魔法のファイアを使えるキャラを複数ノセノセすると、
上位魔法のファイラやファイガが使えるようになったりね。
また、すべてのモンスターに「S」「M」「L」のサイズが設定されており、
それぞれ1体ずつの組み合わせにしないといけない。
「Sサイズ2体とLサイズ1体」とかは出来ないってことね。
レェンとラァンは通常等身だとLサイズだが、
2等身のプリメロに切り替えるとMサイズとなりフォーメーションも変わる。
手持ちのモンスターのサイズとスキルと特性を考えて、
挑むダンジョンやボスに合わせて編成を練るのが楽しいシステムだ。
トーテムポールみたいな見た目のシュールさと可愛さが笑える上に
しっかり戦略性もあるシステム!
モンスターは「ミラージュボード」で更に強くなっていく。
ボードにステータスアップや新しいスキル入手と言った項目が並んでいるので、
レベルアップで手に入るポイントを消費して
どんどん解放してボードを埋めていくのだ。
まあ、FF10のスフィア盤ですわ!
ミラージュボードに「空き」が存在するモンスターは
そこに種アイテムをセット出来る。
回復魔法や攻撃魔法の種をセットすればそれが使えるようになる。
後半になってくると強力な魔法の種も手に入るぞ。
基本的に装備アイテムが存在しないゲームだが
レェンとラァンの2人にはミラストーンを装備させることが出来る。
ミラージュボードの解放などで手に入るアイテムで、
こちらも装備させることで色んな魔法や特殊能力が使える。
種は使い捨てだがこちらは付け替え自由!状況に応じて使い分けよう。
戦闘はSFC~PS時代のFFではお馴染みのアクティブタイムバトル!
スピードの速いヤツから順番に動く!コマンドを選択して行動!
自分がコマンド選んでる時も時間が流れるのでモタモタしてると敵に殴られるが、
時間が流れないようにする設定もオプションから可能。
アクティブ、セミアクティブ、ウェイトの3種類だ。
ウェイトにすればゆっくり選べるぜ。
トーテムポールのように3体のキャラが1体になって戦うシステムだが、
敵の攻撃を受け続けるとバランスが崩れてバラバラになってしまうことも!
そうなったらコマンドの「ノセノセ」を選んで元に戻して対処だ。
バラバラのままだと3人それぞれ動けるものの、
最大HPも個別になるので敵の攻撃で一気に全滅する危険もあるし、
敵の攻撃でバラされると衝撃で一定時間動けなくなってしまう。
バランスを整えるアイテムや魔法もあるので
フラフラになってきたらしっかり使っておきたい。
ボスの攻撃でノセノセが崩れる→全体攻撃のコンボでボロボロにされることも多いぞ!
逆に、敵がノセノセしている時は
崩しやすいスキルなどで攻撃してバラして各個撃破だ!
何気に重要なのが「防御」コマンドで、
使うと次のターンまでバラバラにならないし、受けるダメージも減る。
次の順番が回ってくるまでの時間も少ない。
このゲームは魔法などを使う時に消費するAPが
「自分の順番が回ってくる度に回復する」というシステムなので、
防御のメリットは大きい。
敵の攻撃パターンを見極めての使いどころが分かってくると
戦闘がグッと奥深くなるぜ。
ゲームバランスはなかなか丁寧で、
ボス戦ではそれなりに苦戦するし、かといって難しすぎるわけでもないバランス。
パーティ編成をしっかり考えればちゃんと勝てる作りなのがいいね。
R1ボタンを押してる間は早送りになるのでザコ戦もサクサク。
モンスターを仲間にする時は条件を満たす必要があり、条件はモンスターごとに違う。
「体力を減らす」「物理攻撃で攻撃する」などの簡単なものもあれば、
「特定の状態異常をかける」
「回避ダウン状態にする」「カウンター攻撃を当てる」なんて変化球も。
このせいでザコ戦でも魔法の「ライブラ」を使う機会がめっちゃ多いFFだぜ。
キャラはデフォルメされているが、
ダンジョンや街などは細かいところまで見事な作り込み。
密度があるので歩くのが楽しいぜ。
ギミックもスイッチを押して道を作るとか昔ながらのRPGって感じ。
「ノリノリ」のスキルを持っているモンスターなら
このように背中に乗ったまま移動できるのがまた楽しい。
これは魔導アーマーP。
フィールドだとBGMがFF6のアレンジになるこだわりっぷりだ。
FF7リメイクでどうなるのか議論されている蜜蜂の館が
一足先に再現されてるのは笑う。
「男男男」とか細けぇな!施設内に入れないのが残念!
ストーリー自体はかなりシリアスなんだが、
とにかく主人公2人もお供の小動物であるタマも緊張感が無く、
他にもコミカルなキャラが多いので雰囲気は明るい。
新しいダンジョンに入る度にアホな会話ばかり始めやがるぜ!
フワフワ動きまくるタマちゃんかわいい。
脇役も含めて登場人物キャラ立ってるね。
全体的に女性型モンスターがあざとさ天元突破してる連中ばかりなのはずるかった。
ゴブリンプリンセスだのクイーンアチョだのラミュウだの!
そして後半出てくるオーディンやバハムートなどのレジェンド召喚獣たちは
デザインがちゃんとガチで超カッコいい。
でもみんな性格は割とゆるかったりするのがこのゲームらしいところ。
歴代FFキャラ達は「別人だけど魂は同じ」という扱い。性格はちゃんと原作準拠。
声優は過去のFFで声が付いていたキャラは基本的に原作準拠のキャストだが、
今回初めて声が付いたキャラも多い。
この声優チョイスもなかなか良かったと思うわ
CV田中理恵のファリスは「おかしらカッケェ!」ってなるし、
CV桑島法子のセリスは「なるほど……なるほど!」ってなった。
小ネタ満載のクロスオーバー会話が本当に楽しくて、
別人なんだけど
原作の立ち位置や性格をしっかり踏まえたイベントの数々は笑えるしグッと来る。
ちゃんとFF好きな人が作ってるなあって思ったし、
マップも色々と面白いクロスオーバーをした構成になっていて、
フィガロ城とかの頭悪すぎるアレンジは大好き。
リディアがユウナの事を「ユウナ姉さま」って呼ぶのも良かった。
歴代FFキャラはイベントをこなすと戦闘中に召喚獣のような扱いで呼び出しが可能。
ド派手な演出で大ダメージを与えてくれるぞ!
お前にふさわしいソイルは決まった!
出てこい俺の友達!ティナ!魔導の力、お借りします!
原作のアレンジBGMと共に登場して攻撃を加えていく演出がカッコイイのなんのって!
音楽もオリジナル曲、アレンジ曲共にハズレ無し。
ワールドオブファイナルファンタジーのオリジナル曲は浜渦正志。
歴代FFのアレンジ曲は片岡真悟、竹田隼大、本多高士、山崎良、白澤亮らがやっているみたいなんだけど、
イベント始まるたびに「このアレンジいいなぁ…」ってなったわ。
オリジナル曲だと戦闘BGM1やナインウッズヒルが好き。OPとEDも大変良かった。
そして「ビックブリッヂの死闘」のアレンジを3種類用意するのはやりすぎ!
歴代FFキャラを召喚した時のアレンジBGMは
オプションで通常戦闘BGMに設定できるのがまた気が利いてる!
クラウドのBGMが「更に戦う者たち」だったりするので、
設定するとザコ戦も毎回ボス戦みたいになるのが笑える
遊ぶ前は、ドラゴンクエストモンスターズを意識したのかもしれないけど、
ドラクエに比べるとFFってモンスターの印象薄いよね……と思っていたんだが、
実際遊んでみると「こんなヤツいたなー!」って昔のFFを懐かしみながら楽しめたし、
どのモンスターも本当にイイ動きで暴れ回ってくれるからどんどん集めたくなる。
育成収集RPGとしてしっかり面白い。
モンスターとして
アインハンダー(厳密にはエンディミオンmk2)が参戦してるのも嬉しいね。
魔導アーマーとアインハンダーが肩を並べて戦える夢のゲームだぜ!
そんな本作最大の欠点はギャグの寒さ!
とにかく主人公連中がギャグやる度にプレイヤーにダメージ!
強引過ぎる聞き違いネタをひたすらゴリ押ししてくるノリで、
キレが悪い時のクレヨンしんちゃんを更にキツくしたような厳しさだ。
もう次にくだらねーこと言ったらテメェのケツに七支刀を突っ込むからな!
って言いたくなる。
全体的にギャグをサラッと流すのではなく、
ツッコミが無駄にクドくてテンポ悪いのが特徴ですね……。
ゲーム中、新しいダンジョンや街に入ると
フルボイスで掛け合いが始まる凝りっぷりが、マイナス方向に影響している!
モンスター図鑑のテキストの滑りっぷりもハンパ無い。半分以上こんなノリだからな!
モンスター集めまくるゲームなのにこれはつらい。
途中から図鑑のテキストが普通だとホッとするようになってくるわ!
主人公たち以外のキャラによるギャグシーンは
ベタながら素直に笑えるものが多いんだけど、
ホントに主人公周りと図鑑テキストがしんどい。
世界設定がかなり複雑なので、弟のラァンをバカキャラにして、
違和感なく説明を挟めるようにしてあるのは分かるし
後半の展開を見るとひたすら主人公たちにバカなことをやらせて
明るいノリを崩さなかったのも納得できるんだけどね……。
モンスター図鑑ではなくキャラクター図鑑の方を見ると
設定関連を真面目に細かく書きこんであったりもするので、
しょーもないギャグも図鑑テキストのノリも意図的にやったんだとは思うんだが、
どうもこう…さじ加減をミスった感が強いね……!
ストーリーも終盤に入るまではひたすら通りすがりのFFキャラと出会いながら
寒いギャグ言いながら行き当たりばったりに冒険してるだけ。
歴代FFキャラがわんこそばみたいな勢いで次々に出てくるお祭り感自体はいいんだが、
本筋が動き始めるのが本当に終盤になってからで、
敵の幹部なんかもそれまではチラ見せばかり。
逆に終盤入ってからはぶっ飛んだ展開の連続で、
もうちょっと説明なり掘り下げなりが欲しかったわ。
一度クリアして最初からやり直すと気づくような要素もあって話自体は凝ってるし、
終盤で本筋が動き始めてからはなんだかんだで盛り上がる。
レェンとラァンの行動とセリフにも良い所があった。
だから、2人の成長をもっと丁寧に描写してもらいたかったな。
あと、終盤でいきなり何度も出てくるミニゲームが
新人研修じゃなかったら逆におかしいレベルでつまんないのも
どうにかしてもらいたかったよ!なんだあれ!
イベントの合間にちょいちょい唐突に挟まるアニメムービーもちょっと……。
5等身と2等身のキャラが混在している表現が面白いゲームなだけに、
それを更にアニメにしたムービーがいきなり挟まれるのは違和感が強い。
ここは通常のCGキャラで見たかった!ってシーン多かったぜ。
でもアインハンダーがちょっとだけ映ってるアニメムービーもあって、
そこは「アインハンダーアニメ化!」ってテンション上がった。
音楽が本当に素晴らしいし歴代FFへのリスペクトも感じられるだけに
FFシリーズでお馴染みの「メインテーマ」と
「ファンファーレ」を使わなかったのはすげぇ不満!
WoFF版のアレンジが聞きたかった……。
次々にイイ感じのダンジョンと
FFキャラが飛び出す構成でRPGとしては遊んでて飽きなかったが、
後半はちょっと単調なダンジョンがチラホラあったかな。ビッグブリッヂとかね。
デフォルメされたキャラ達をノセノセしていく見た目の楽しさ&戦略性。
そしてちょっと前のFFシリーズではお馴染みのアクティブタイムバトルの面白さ。
この新しさと懐かしさ、そして可愛さが融合したゲームが
ワールドオブファイナルファンタジーだ!
育成収集RPGとして、ファイナルファンタジーとして、
とにかく遊んでいて”楽しい“作品だった。
ストーリーには不満もあったが
大量に出てくるキャラクターたちはみんな生き生きしていて、
エンディングが見終えた後にちょっと寂しくなったし、
やったことないFFがやりたくもなったのでなんだかんだで良いゲーム。
何故ここまで丁寧に作られた作品をFF15と同時期の発売日に設定したのか。
本来ならFF15の1か月後の発売だったからなワールドオブファイナルファンタジー。
ギャグの寒さには参ったが、ラァンとレェンとタマ達との旅…悪くなかったよ。
お前らがまた冒険に出るのなら俺も喜んで付き合うぜ!