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光のチンピラがFFの新たな起源を切り開く!『STRANGER OF PARADISE FINAL FANTASY ORIGIN』レビュー!【PS4/PS5/Xbox/PC】

 

STRANGER OF PARADISE FINAL FANTASY ORIGIN | SQUARE ENIX

 

『STRANGER OF PARADISE FINAL FANTASY ORIGIN』ことFFオリジンのレビュー行くぜ!

PS5でプレイしたぞ。

 


パブリッシャー:スクウェア・エニックス

機種:PS4/PS5/Xbox/PC

ジャンル:アクションRPG

発売日:2022/3/18

価格(税込):8800円


 

コーエーテクモゲームスとスクウェア・エニックスのコラボ作品で、

開発をTeam NINJAが担当したアクションRPGだ。

今年で35周年を迎える初代『ファイナルファンタジー』に繋がる物語を、

新解釈で描いた新作。悪役だったガーランドが主役になっている。

 

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こいつです!こいつが主人公です!!

 

このガーランドが主役の前日譚……ではなくて、

公式的にはあくまでも「前日譚としての1つの可能性」とのこと。

 

初めて初代『ファイナルファンタジー』クリアしたら

「ファイナルファンタジー」だった。 - 絶対SIMPLE主義

 

ファミコン版でしっかり予習してから遊んだが大正解。

35年前の初代『ファイナルファンタジー』を

現代の『ファイナルファンタジー』のスタイルで再解釈した新作として、

非常に面白かった!アクションの気持ち良さも文句無しだ!

 

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コーネリアの地を覆う闇を払うために、

主人公のジャックとその仲間たちはカオスと呼ばれる存在を討伐する旅に出る。

彼らはコーネリアの予言として語られる「光の戦士」たちなのか。

携えた真っ黒のクリスタルは何も答えてはくれない……という導入から始まる。

いきなりダイジェスト展開みたいな勢いで進むので、ストーリー展開は非常に早い。

しかもジャックを含めた登場キャラの言動は非常にフワフワしており、

みんな記憶が曖昧なことを口にする。

 

これは意図的にやっていて、プレイヤーは何が何だか分からないまま、

新たなファイナルファンタジーの世界に放り込まれる構成だ。

 

 

主人公であるジャックはとにかくカオスを倒すという使命感だけで突き進む。

どう見ても光の戦士には見えないガラの悪い連中が、

「カオスはどこだ!」「カオスは倒す!」と連呼しながら、

ひたすらモンスターを討伐していくノリがすごい。

 

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カオスはいる

そうだろう

カオスはいるんだ

 

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だらしない相手だと「こいつはカオスではない!」とブチ切れたりしつつ、

カオス絶対倒すおじさんによるカオス探求の旅は続く。

こんなストーリーだが初代FFを髣髴とさせる要素はしっかりと盛り込まれていて、

オリジナルプレイ済みだと序盤から色々な含みを感じ取れる。

 

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感じの悪い大臣が「そして探求の旅が始まった……」と言い出して、

いつものアレが始まった時は「あなたが坂口博信だったのか」ってなったな!

 

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戦闘は装備した2つのジョブを切り替えながら戦っていくアクション。

溜まっていくMPを消費してアビリティを発動させて戦っていく。

 

最大の特徴は「ブレイクゲージ」と「ソウルシールド」の概念。

主人公にも敵にもHPの他に「ブレイクゲージ」があり、

これが0になると「ブレイク」という無防備状態になる。

敵をブレイク状態にすれば一撃でトドメを刺せるようになる。

逆にこちらがブレイク状態だとしばらく動けなくなってしまう。

一撃死……ではないんだけど、敵のダメージがデカいゲームなので、

ボス戦でこうなるとほぼ一撃死に近いぞ!

 

「ソウルシールド」は「ブレイクゲージ」を消費して放つ万能ガード。

発動すればほとんどの敵の攻撃を防ぐことが可能。

しかもこれで敵の攻撃を受ければMPが回復。

一部の敵の攻撃を吸収して一時的に使うことも出来る。

 

まあ、近年のアクションRPGに多い「パリィ」的な要素なんだが、

「ブレイクゲージ」が残っていれば出しっぱなしに出来るし、

とりあえず弾いてくれるので使いやすい。

「ブレイクゲージ」は時間経過で回復するが、ゲージはジョブ毎に個別。

この仕様でジョブの切り替えが極めて重要になってくる。

 

遠くの敵が撃ってきた魔法をソウルシールドで吸収して、

そのまま撃ち返せる場面もあるのが楽しい。

 

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敵の攻撃をよく見る!

ゲージ管理に気を付けながらソウルシールドで弾く!

MPがモリモリ回復する!

MP使ってアビリティをぶちかます!

敵のブレイクゲージを割ってトドメ!

たまにソウルシールドを使い過ぎて死ぬ!

これがSTRANGER OF PARADISE FINAL FANTASY ORIGINだ!

 

通常ガードとジャストガードも存在するが、

普通に遊んでるとほとんど使わなかったな。

ジャストガードを強化するジョブもあるので、

よりテクニカルに戦いたい人はこっちって作り。

 

 

ブレイク状態の敵へのトドメ演出はバイオレンス。

敵の体を引きさき、赤い結晶に変えて粉砕するぞ!

とはいえ、そんなにグロさも無く、爽快さ強めで良い表現だと思う。

 

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ヒョコヒョコ動くサボテンダー結晶化して握り潰すとか、

敵毎に個別のアクションなのが凝ってるところ。

ボス戦だとステゴロで巨大ボスをボコボコにして結晶化してトドメ!とか、

「光の戦士の戦い方じゃない……」って言いたくなる無法っぷりを見せる。

 

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戦闘も爽快だが育成も楽しい。

新しいアビリティやバッシブスキルをサクサク覚えてくし、

戦闘中に使えるジョブが2つなので、色々なジョブを試しながら進めていける。

 

ジョブ毎の個性付けがハッキリしていて、

アクションもそれぞれ凝ってるから動かしてて楽しい作りだ。

オートカウンターが強力な戦士に、

明鏡止水モードでMP回復しながら殴りまくれる侍、

溜め槍投げで敵をぶっ飛ばせる槍士に、連続コンボが爽快な格闘士。

敵の技を盗んで一時的に使えるシーフなどなど20種類以上。

 

まあ、「敵の弱点を突くとブレイクゲージを大きく削れる」

「敵の攻撃力が高い」という都合上、

複数属性の遠距離攻撃出来る魔法職が圧倒的に使いやすく、

賢者にジョブチェンジ出来ると「もうコイツだけでいいのでは?」ってなるけど。

「アルテマ鬼つええ!このままカオス全員ぶっ殺していこうぜ!」ってなるけど、

 

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ランダムで性能の違う装備をかき集めるハクスラ要素もあるがここは薄め。

「装備レベルの平均が敵より高いほどブレイクゲージを割りやすくなる」

という仕様でこの補正がデカいので、相性を考えるより、

単純にレベルの高い装備を上から付ける方が格段に安定する。

最強装備にしてくれるオート機能もあるからほぼこれだけで良い。

クリア後の最高難易度とかに挑むなら、装備の厳選いるかな?って作りだ。

 

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難易度は「アクションゲームに慣れた方に向けた

歯応えのある戦闘を楽しむことの出来る難易度です」

と描かれた「ACTION」でプレイしたがなかなか手強かった。

ボスは攻撃を受け損ねると一瞬でやられるし、ザコに囲まれるとボコボコにされる。

回復ポーションはあるものの、体力満タンでも2~3発殴られると死ぬ。

中盤から後半はかなりきつかった。

 

ただ、難しいけどやりようはあるバランス。

2人の仲間がかなり強いので、

敵が仲間を狙ってる隙に強力なアビリティの準備をしたり、

仲間を強化して攻撃指示を出したりするとグッと楽になる。

「ソウルシールド」で攻撃を受けるタイミングさえ掴めれば、

ガシガシ受けてバシバシ反撃出来る作りも気持ち良かったね。

 

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ストーリーも良い。

主人公がガーランドな時点である程度ストーリーに予想は付くんだが、

そこに絡む脇役の使い方が予想外。

初代FFの割とどうでもいいあのキャラを、

こんなキャラとしてこんなに膨らませる!?と驚かされた。

 

ファミコン時代のゲームを意識してか、

全体的にイベントはあっさり気味で進むんだけど、

その短いセリフでも仲間のキャラはきっちり立ててくる。

ダンジョン探索中に仲間が色々雑談するFF15スタイルが上手くハマってる。

メインパーティだとジェドが好きだったなぁ。

序盤から加入するネオンちゃんも会話がなんかほのぼのしてて良かった

 

初代FFのストーリーが下敷きになっているが、

ダンジョンは歴代FFシリーズが元ネタ。

味付け程度ではあるんだが、一部のダンジョンはかなり凝ったビジュアルになってるし、

エリア名も元ネタのシナリオに沿っててニヤリと出来るね。

 

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アクションと育成良し、シナリオ良し……な作りだが、

難点は何といっても道に迷うこと!

画面がやたら暗かったりギラギラしてたりで道が見辛いにも関わらず、

マップやミニマップを見ることが不可能。通路も入り組んでるのでマジで迷う。

 

にも拘らず、あちこちに収集物が落ちていて、集めることで様々な設定が明らかになる。

これはちょっときつい!

遊んでて「ここちょっとよく分かんなかったな」って箇所が

収集物にしっかり書いてあったりするからな!

収集物の落ちてる場所や取り逃しは確認不可能。

攻略サイトを見るしかない!

 

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難易度高めなのが面白いゲームではあるんだが、

四方から複数のザコがタックルや魔法を浴びせてくるとか、

終盤はちょっと理不尽な配置があるのは気になった点。

ひたすらダンジョンに挑む作りなのはこれはこれで良いんだけど、

街を探索出来ないのも少し残念だった。

 

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街の噴水や墓を調べたかったぜ!

一応、全体マップからコーネリアの住人と会話だけは出来る。

 

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「光のチンピラがカオスを倒したいってずっと言っている謎のゲーム」

から始まり、終わるころには「うおおおおお!初代FFだ!」と感動してる1本。

 

壮大な設定、いかつい兄ちゃんたちとゆるい女の子による軽いノリの会話、

凄い盛り方をされた初代FFの様々な要素。

これらが混然一体となりつつ綺麗に集約していくゲームで、

クリア後に初代FFを踏まえて色々と考察したくなる。

アクションも文句無しに爽快だったし、不満点もあるが満足だったぜ。

今から遊ぶ人は、リメイク版で良いから初代FFに触れてからやってくれい!