「小林さんちのメイドラゴン 炸裂!!ちょろゴン☆ブレス」(ちょろブレ) ゲーム公式サイト
トロコンして難易度難しいでもクリアしたので、
『小林さんちのメイドラゴン 炸裂!!ちょろゴン☆ブレス 』のレビュー行くぜ!
パブリッシャー:ブシロード
機種:PS4/Switch
ジャンル:飛んで、撃って、殴って、超!爽快シューティング
発売日:2022/3/24
価格(税込):4680円(通常版)5680円(初回限定パッケージ)
アニメも原作コミックも大人気の『小林さんちのメイドラゴン』をゲーム化したものだ。
ジャンルはなんとシューティングで、開発はカミナリゲームズが担当。
あの『雷電V』や『カラドリウス』を手掛けたMOSSのスタッフによる新興メーカーだ。
これはシューティングファンには見逃せない布陣。
『小林さんちのメイドラゴン』は異世界からやってきたドラゴンたちが、
人間の姿になって現代社会に溶け込んでいくドタバタ日常モノ。
登場キャラの可愛さと空気感が非常に魅力的な作品だ。
ドラゴンたちは世界を簡単に滅ぼせる猛者揃いなので、
たまにすごい戦闘シーンが挟まったりもする。
そもそもシューティングにするような原作だっけ?と思いつつ、
原作未見だったのでアニメ全部見てコミックも9巻まで読んで購入したぞ。
凄く面白くてお気に入りの作品になったんだが、
その結果、なんでシューティングにしたんだという気持ちだけが残った!
ストーリーは謎のメールによって滝谷の家に呼び出されたお馴染みの面々が、
呪いの力によってパソコンに閉じ込められるところから始まる。
脱出にはパソコンに入っているゲームをクリアする必要があるので、
協力して5つのゲームに挑む!というものだ。
このストーリーでファフニールと滝谷くんが出ないのは驚くべきところですね。
おうコラ!スピンオフも出してるメインキャラやぞ!
一応エンディングの一枚絵で姿は映るんだけどセリフは無し……。
ゲーム部分は縦スクロールの弾幕シューティング。
ステージ5をクリアした時に条件を満たしていれば、
真の最終ステージへと突入する構成だ。
基本はショットとボムで進むオーソドックスな作りだが、
特徴的なのは溜めも可能な「ぶっ飛ばし」攻撃。
一番近い敵にオートで高速体当たりをする技で、発動した瞬間は無敵。
押すと画面下に戻れる「バックステップ」もあるので、
ぶっ飛ばしで弾幕を突っ切りながら敵をぶん殴り、
そのままバックステップで戻る戦法が強い。
3人のキャラを交代させながら進めるゲームで、
通常ショットが強いトール、ぶっ飛ばしが強いルコア、
軽い弾消し能力があり、ボムであるちょろゴン☆ブレスで回復可能なカンナと、
それぞれ個性付けがハッキリしてる。
控えのキャラは少しずつHPが回復していくので、
使いどころを見極めながら交代しまくるゲームだ。
敵の攻撃を喰らうと服が破けてしまう時があり、一時期的に攻撃力がアップ。
同じスタッフの『カラドリウス』でも見られたシステム。
ただ、トールたちの服ってドラゴンの鱗を変化させたもので、
同族とのバトルでもない限り簡単には破けない気もするが……。
まあゲーム世界ってことで一つ。
カンナちゃんだけそこまで破けないのは大いなる意志の影響!
ファンタジーRPGやファンシーなレースゲーム、ホラーゲームなど、
色々なゲーム世界が舞台ではあるが、
背景や敵が違うだけで、特にギミックがあるわけでもない。
その割にザコ敵の使い回しが多かったり、グラフィックもすげぇチープ。
ただ、弾幕シューティングとしてはかなり本格的な作り。
状況に応じたキャラの使い分けが楽しいし、
最初は難しい吹っ飛ばし攻撃も、感覚が掴めて来るとグッと面白くなってくる。
乱発するんじゃなくて、通常はショットで進めてここぞという時に使う。
ボスの体当たりを避けて止まったところを溜め吹っ飛ばしで殴る。
ボスの周囲から弾幕が消えた瞬間に吹っ飛ばしをするなど。
決まると体力をゴリゴリ削れるのが爽快だ。
微妙なシューティングだと弾が見辛いとか、
ボス戦がダラダラ長かったりするが、本作はそこら辺も問題なし。
ここら辺はノウハウがあるスタッフだなと実感できるところ。
5段階の難易度と別にスコアレートという項目があり、
これを高くするほどスコア倍率が上がる仕様。オンラインランキングも搭載している。
ボスラッシュモードもあるし、1度クリアすると「ルコアチャレンジ」という、
どんどん強くなるルコアとひたすら戦い続けるモードが解禁される。
あまりにもシューター向けの仕様だ!
そこまで分量多くないが会話デモはフルボイスだし、テキストも原作っぽさある。
これはゲームのスライムと、自分の世界のスライムのギャップを語るトール。
戦闘中に横でわちゃわちゃ会話してる演出も好き。
エンディングは全5種類で専用の1枚絵がそれぞれにある。
ステージ5クリア時に全員生存で真ステージ解禁。
1~2人やられているとそのままエンディング2種類に分岐。
真ステージクリア時に全員生存、
1人やられてる、2人やられてるでそれぞれエンディング分岐だ。
と、そういうゲームだがシューティングやらない原作ファン視点だと大分厳しい。
シューティング慣れしてる人が普通に遊べるくらいの難易度で、
難易度「簡単」にしても弾幕シューティングとしてそこそこ歯応えあるからね。
ボスの弾幕がガチでアーケードゲーム的な作りで、
結構トリッキーなところもあるから苦戦は必死
こういうゲームだと育成要素とかありそうだが一切無い。
公式見ると「交代出来て控えのキャラは体力が回復するから安心!」
みたいな感じだが、体力回復量が少ないし、
完全に体力が0になったキャラはステージクリアしても復活しないので、
慣れるまでは結構厳しい。
実は弾の当たり判定が一般的な弾幕シューティングよりも更に小さいので、
割と死にづらいバランスにはなってるんだが……。
これもシューティング慣れてる人がある程度やって気付くところだからな。
本作オリジナルのゲーム世界が舞台なので、
最終ステージ以外は原作要素がほとんど感じられないのも寂しいところ。
パッケージにも映ってるルコアとイルルがボスのみで
プレイアブルがトール・カンナ・エルマの3キャラなのも悲しい。
アニメ放送初期のゲームかよ!?
普通に隠しキャラでルコアとイルル使えると思ってたからショック受けた。
素材の少なさもすごい。デモシーンでずっと同じBGM流れてるし、
「ゲームの外に出れた!」ってシーンなのに、フリー素材みてぇな背景で喜んでるし……。
立ち絵が少なすぎて、
表情変えずにブチ切れる小林さん見てるとわびしい気持ちになる……。
トールなら「少ない立ち絵で怒る小林さんもいいですねぇ!」とか言うだろうが。
ウリになっているミニドラマ付きのイラストギャラリーは、
書籍の表紙やゲストによる描きおろしイラストが30種以上用意されてる。
イラストに関しては文句無いんだが、
ミニドラマに関しては1つ辺り10~20秒程度。
ちょっと喋って終わりだし、サブキャラも出ないから物足りない。
才川もジョージーも翔太くんも喋らないからな……。
でも、小林さんが水着着せられて恥ずかしがるミニドラマが複数あるのはヨシ!
このギャラリーのためには「思い出のかけら」を集める必要がある。
中型の敵を倒すとランダムで落とすものだ。
ステージ毎に出現するかけらは違うし、
1ステージに最大で3個しか取れない縛りもある。
コンプまで288個集める必要があるため、
エンディングを見た後は選択したステージだけを遊ぶモードで、
同じステージを何十回も周回する必要がある。
ダブり無しではあるがだるい……。
ランダムで出現する「秘宝」を集めると
アイテム図鑑に記録される要素もあるが、こちらも同じような仕様。
しかも「秘宝」に関してはダブリ有りかつステージ毎に20種類ずつあるので、
コンプ目指すとマジで面倒。
原作でファフニールと滝谷がアイテム集めのために
延々とゲームで周回するシーンは確かにあったが、
こんな形で拾われても困るというかまずファフニールと滝谷をちゃんと出せや!
ファフニールと滝谷いないのに、
秘宝にだけ原作ネタで呪いアンソロとか入れられても困るわ……。
トロコンまでは10時間掛からないくらいだったかな。
シューティングやらない原作ファンからしたら、
キャラ少ないしやたら難しいわりに嬉しい要素が少ないゲーム。
シューティングファンからすると、
結構楽しいけど4600円払ってまで買うほどか?というゲーム。
原作ファンかつシューティングファンの俺としては
素直にADVとかで遊びたかったという感想にしかならないわ!
それなりに面白いゲームではあるんだけど、
元々ノウハウあるところに低予算で投げて、
とりあえず形にしようという意志が強く感じられる内容でもある。
「あー!なんてことだ!」と空を仰ぎたくなるゲームでした!