絶対SIMPLE主義

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PS4/VITA「古き良き時代の冒険譚」レビュー!この虚無感!古き良さも冒険も無かった!

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古き良き時代の冒険譚 公式

古き良き時代の冒険譚のレビュー行くぜ!

俺が買ったのはPS4版ね。


メーカー:だいだい

機種:PS4/VITAダウンロード専用ソフト

ジャンル:シミュレーションRPG

発売日:2016年12月15日

価格:税込1944円


有限会社だいだいがPS4とVITAで送る完全新作のシミュレーションRPG。

公式サイトに最近の難しすぎるゲームに対する問題提起を掲載したりと、

挑戦的な態度が感じられる作品だ。

シミュレーションRPGだがとにかくゲームルールを単純で分かりやすくてにしてあるのが特徴。

とある王国の王子様が、次期国王を決めるためのシミュレーションバトルに参加するというストーリー。

他の王子、王女たちと戦いながら地下迷宮の最深部を目指す。

「公式でデカいこと言うじゃねぇか!お手並み拝見と行かせてもらうぜ」と、

公式サイトが出来た辺りからとりあえずやってみようと思っていたんだが……うん。

何も考えずにシステムを単純にすると味気ないだけのゲームになっちゃうよね!

って内容だった!

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全21ステージで非常にオーソドックスなターン制のシミュレーションゲームだ。

味方ユニットを動かして戦い、敵ユニットを全滅させるかボスを倒せばクリアとなる。

VITAのゲームとして見ても衝撃的なグラフィックで最初から最後までずっとこの景色が続く。

たまに壁や床の色が変わるので、四季の移り変わりを楽しむような気持ちで受け止めたい。

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ユニットは主人公とボスを除くと防御力が高いガード、攻撃力が高いソルジャー、

遠距離からの強力な魔法攻撃が可能なメイジ、攻撃も防御も低いが魔法耐性が高いランサー、

回復と補助魔法が使えるヒーラーの5種類のみ。

魔法も攻撃魔法のファイア、攻撃力アップ、防御力アップ、

魔力アップ、回復魔法のヒールとそれらの上位系の実質5種類と驚くほどシンプル。

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ユニットは敵と味方でグラフィックが変わったりもしない。

グラフィックはこれ1枚で戦闘アニメも無い。セリフも無い。

味方ユニットの名前は自由に変更できるので気分で変えてみよう。

ソルジャーをガードで食い止め、道を塞ぐガードをメイジの魔法で焼き、

メイジの魔法をランサーで掻い潜って殴る。

そんな感じでユニットの相性を考えた立ち回りが重要だ。

攻撃は100%命中するし、攻撃でどのくらいダメージを与えられるか、

反撃でどのくらいダメージを受けるかもきっちり表示されるので

ステータス差を考えながら慎重にユニットを動かす必要がある。

ユニットは戦闘や魔法の使用で経験値が入り、100溜まるごとにレベルアップ。

それとは別にステージクリア時にはユニットを3体選んでレベルを上げられるので、

経験値が溜まり辛いヒーラーなどはこっちでカバーだ。

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ステージ内にはカードが落ちていてユニットをそこに移動させることで取得可能。

戦闘時に使用可能で体力回復や完全防御などの効果があって、

中には「攻撃力と防御力ではなく魔力のステータス差で戦闘結果を算出する」という

魔力戦闘カードなんてのもある。

例えばソルジャーがメイジに直接攻撃して来た時にこれを使うと、

ダメージを最小限に抑えつつ反撃で大ダメージを与えられたりするのだ。

サポートカードはどれが手に入るか完全に運で、

それでいて使えるカードと使えないカードの差が圧倒的。

ボスが存在するステージでは敵もサポートカードを使ってくるのでこれが結構キツい。

同じステージを何度もやり直すことが出来るので、

難しく感じたら経験値とサポートカード稼ぎをして自軍を強化だ。

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そんなゲームだが、ユニットの種類も魔法の種類も少ないせいで戦略の幅が非常に狭く、

CPUの思考がワンパターンかつ、常に「敵の方がレベルも数も上」という状況で戦うことになる。

そのため、最初から最後まで「物量で圧倒する敵軍を1匹ずつおびき出して殴る」

をチマチマ繰り返すだけになりがちなので非常に単調。

難しいステージも、遠距離攻撃かつ大半のユニットに大ダメージを与えられるファイアを使えるメイジが、

いやらしい位置にいるから難しいってだけなんだよねこのゲーム。

戦略の幅が狭いからそういうやり方でしか難易度を上げられていない。

中盤までは魔法が使えるメイジを集中攻撃で倒した後に

防御力があまりにも圧倒的過ぎるガードを突っ込ませれば勝ち。

中盤からはいやらしい位置に配置された複数のメイジと

強力な魔法攻撃を使ってくるボスをどう処理するかを考えるゲーム。

序盤まったく役に立たないランサーをしっかり強化していないと

中盤の大量メイジ地獄で手も足も出ない状態になったりと、

ユニットのレベルを上げる順番が、作り手の想定したラインから外れると

戦略も何も通じずに敵ユニットの物量でボコボコにされたりもするしんどいバランス。

作り手の思考を読めるエスパー以外がプレイすると苦戦するゲームです!

ユニットは最大12ユニット。その中から7ユニットを選んで出撃させるんだけど、

出撃させてないユニットに経験値が入ったりは一切しない。

にも拘わらず敵のレベルは進めば進むだけどんどん上がる。

キャラを育ててレベルアップさせて強くなる達成感はまったく味わえない。

同じステージを何度もやり直してレベルとカードを稼ぐことが前提のバランスで、

それでいて一度クリアしたステージに戻ることが出来ない。

敵とのレベル差がちょっとでも開くとダメージがまともに通らなくなるため、

詰んでからの経験値稼ぎはかなり大変。

ユニットがやられると溜まっていた経験値がゼロになる仕様もあるのでつらいぜ。

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乱戦になった時に地形や敵の相性、移動範囲を計算して

「こっちはガード、こっちはソルジャーで道を塞げば敵の集中攻撃は防げるな」とか考えたり、

手持ちのサポートカードをいつ使うか考えて試行錯誤していく詰将棋的な楽しさが無いわけじゃない。

中盤くらいにヒーラーやランサーが覚えるステータスアップ魔法は重ね掛けが可能。

3ターンしか持たないが、効果が切れる前にもう一度使うと残り時間も3ターンに回復する。

これを活用して、重ね掛けでガチガチに強くしたユニットで一気に大ダメージを与えたり、

魔力アップを重ね掛けしたユニットで

メイジの魔法に耐えながら進むのがカギになってくるバランスなども、

それなりに考えられているとは思う。

ただ、ゲーム全体の単調さやレベルバランスの悪さをカバーできるほどではない。

ルールは単純なゲームのはずなのに遊んでててすげー疲れる。

レベルを撤廃して詰将棋に徹した内容にしてくれればまだ遊べたと思うんだけど……。

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壁の向こうからメイジが魔法攻撃しまくってくる細長い通路だけの終盤ステージとかも、

やりたいことは分かるんだけどテンポの悪さと面倒臭さの方が上だったぜ。

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とにかく地味なゲームなのに

カーソル移動の遅さや敵ターンのもっさり感など、細かいところでテンポが悪いのも辛いところ。

徐々に、ユニットの移動速度に合っていない広大なステージが増えていくので、

単純なゲームなのに遊んでいるとやたらと疲れが溜まる。

ランサーやヒーラーなど、

単体で何も出来ない敵ユニットが孤立すると自軍と逆方向にガン逃げするのもイライラする。

音楽もきつい。

種類が少ない上に単調な曲ばかりで最初から最後までほぼ変化しない。

テンポの悪さと相まって遊んでいるとかなり脳に来る。

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ストーリーに関してはボス戦で他の王子や王女との会話が軽く挟まる程度でほとんどオマケ。

シミュレーションバトルだから負けてもケガしないので緊張感はゼロ。みんな仲良し。

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国王候補である他の王子や王女が、どういう国を作りたいか真面目に語った後に、

めっちゃアホなこと言い出して主人公がズッコケるってノリはそこまで嫌いじゃないんだけど、

ニートとか中二病とか二次元の嫁とか出てくるネタがファンタジー感ゼロかつ超安易な上に、

王位継承の話なのに世界観や主人公のいる国の詳細が一切語られない。

シミュレーションバトルという前提があるからおかしくはないんだけど、

「ステージ3」「レベル」「ユニット」みたいなメタっぽいセリフがポンポン飛び出す。

思い付きを殴り書きしたようなだけの話で語るところが全然無いぜ……。

そもそもこれ、王族が和気あいあいと身内でゲーム感覚の試験をするだけのストーリーで

冒険譚でもなんでもないな!

まあ、人生は常に冒険と考えればこれも冒険譚と言えるかもしれないが……。

exxxpiation - exxxpiation

評価できる点としてはキャラクターデザインを担当しているterboさんを知れたこと。

公式サイトだと綺麗なイラストが満載で好きになったわ。光の表現が好み。

CHAMELEON ILLUSTRATION of art-chameleon

モンスターデザインを担当したはるかさんのサイトもケモいイラストがいっぱいで良いぞ!

本作のモンスターだと眠そうな目のヒーラーが好きですね。

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どこら辺が「古き良き時代の冒険譚」なのかさっぱり分からなかった。

ゲームバランスが完全に破綻しているわけではないんだけど、

シミュレーションゲームとしてプレイの幅が狭すぎる上にひたすらにダラダラしていて、

一定間隔でボディーブローを叩きこまれ続けるようなしんどさ。

値段がもっと安ければ!と言いたくなるが、本作ならではの個性も無いし、

単に味気ないだけのゲームなので安くても辛かったと思う……。

クリア後には疲労感だけが残った。

冒険があるとするなら、

この内容のゲームを税込み1944円で発売したことが一番の冒険だと思いました。