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Nintendo Switch|ダウンロード購入|Little Bit War (リトルビットウォー)
『Little Bit War (リトルビットウォー)』のレビュー行くぜ!
メーカー:メディアスケープ
機種:Switch
ジャンル:リアルタイムシミュレーション
発売日:2019/12/05
価格(税込):1500円
開発者一人で制作された、
ファミコン風の色使いが特徴のリアルタイムシミュレーションゲーム。
建物を設置するだけの簡単操作で、
1ステージも短くサクサク遊べる構成になっている。
大量にユニットが画面内を横断する物量っぷりも見ていて楽しい作品だ。
ちょっとしか出てこないがキャラも可愛い。
しかし、根本のゲームバランスがあまりに粗雑なせいで、
ゲームとしては手軽というより虚無感だけが募るだけの内容になっていたぜ……。
登場キャラがなんか物騒なことを言ってゲームスタート。
こういう会話デモは最初だけね。
兵舎や工場などの建物を建築して攻撃ユニットを生産し、
ステージ内にある敵の街を攻め落としていくゲームだ。
赤いのが自軍。それ以外はすべて敵だ!自分以外に味方などいないと思え!
すべての街を自分のものにすればステージクリア!
リアルタイムシミュレーションなので、
ぼやぼやしてると敵が次々に攻め込んでくるぞ。
建物を設置すると中からどんどん攻撃ユニットが登場し、
自動で「一番近い敵の街」へと群れを成して向かっていく。
数十のユニットが列をなして突き進むのは圧巻だぜ。
現在の自分の街の数に応じて時間経過で資金が入るのでどんどん建物を建てていく。
歩兵、戦車、戦闘機、自走砲などの攻撃ユニットの他に、
塔や地対空ミサイルといった防衛ユニットも存在。
歩兵は攻撃力は低いが敵の街を唯一制圧できるユニットで、建物も破壊出来る。
他の攻撃ユニットは敵拠点の制圧はできないが、攻撃力が高いので建物を破壊しやすい
防衛ユニットは攻撃ユニットを破壊出来る。
なので、戦車や飛行機で敵拠点の周りにある防衛ユニットを破壊しつつ、
歩兵を送り込んで敵拠点を占拠する流れにしたいという意思を感じるね。
敵ユニットの通り道に建物を置いてしまうと破壊されてしまうので、
出来るだけ敵の陣地から離れた場所に建物を立てたい。
しかし離れた場所に建ててしまうと、敵への攻撃に時間が掛かってしまう。
その匙加減を見極めないといけない作りにしたかったんだろうな……。
というのも分かった。
敵の通り道に防衛ユニットを配置して迎撃させられるので、
タワーディフェンス的な要素もあると言えなくもない。
ステージクリアすると新しい建物や、様々な効果の特殊効果が手に入る。
特殊効果は一度だけ使えるアイテムのようなもので、
「資金を増やす」「味方ユニットを強化」「特定の敵ユニットを破壊する」
などなど50種類だ。
建物をどんどん設置するだけの簡単な内容で、
ゲームスピードを9段階で選択できるので活用すれば爆速。
慣れてくれば5分と掛からずに1ステージが終わる作りになっているぜ。
本作は前身になった『TinyWar』という作品があり、
タイトル画面でグラフィックをそちらと同じものに切り替え可能。
よりファミコンらしいグラフィックに変更されるぞ。
そんなゲームだがバランスがめちゃくちゃ。
何も考えずに一番安い兵舎だけを量産して歩兵の物量で圧倒すれば
それだけでほぼ勝てるようになっている。
資金バランスがおかしいので、
ちょっと時間が立つと兵舎を作っても作っても金が余る。
ボタン連打でひたすら兵舎を建てるゲームだ。
「Aボタン連打だけでクリア出来る戦略シミュレーション」という斬新な作り。
高難易度ステージでもこの戦略でほぼ完封出来るので、本当に作業感しかない。
ステージを進めていくと、
値段が2倍だけど歩兵を量産できる上に防衛機能まである「兵舎2」という、
上位互換ユニットまで出てきちゃうからより壊滅的になる。
敵の街を攻め落とすと、
その支配下の建物とそこから出て来たユニットはすべて破壊されるため、
歩兵の物量&スピードで街を攻める戦術以外を選ぶ必要がない。
でもあんまりなので歩兵を作り過ぎないようにしよう……と考えてみるが、
それでも防衛ユニットで一番安い塔を沢山作って物量の壁で時間を稼いで、
移動スピードが異常に早い航空戦力をバンバン作るだけとか、
どうやっても雑な物量推しに落ち着いてしまう。
じゃあ、あえて敵に先手を取らせて不利な状況から始めてみよう……。
と試してみるも、物量で差が付いた状況をひっくり返す方法が
アイテムである特殊効果のゴリ押し以外に存在しないため、
不利な状況から逆転する面白さも無い。
そもそもこのゲーム、マップが自動生成。
詰め将棋的な面白さが一切無く、似たようなステージが果てしなく続く。
雑なバランス調整と単調なマップの合わせ技で本当にむなしい。
建物を配置できるスペースが極端に少ないなど、
ほぼ勝つのが不可能な初期配置が稀に出てくるので、
開始前にそれを選ばないようにするだけだ。
ステージは7つのコースに分かれており、
全コース合計で355+エンドレスという大ボリューム。
このゲーム内容でこのボリュームは刑罰に近い。
全100ステージの長期戦1コースまでは全部クリアしたけど、
ずっと変わり映えがしない展開が続くだけなのでそこで終わりにした。
最初の10分くらいは楽しいんだけどそこからまったく変わり映えしない展開となる。
手軽に楽しめるゲームを作ろうとしてただの虚無になっており、
ハッキリ言って「どういうところを楽しめばいいんだ?」という内容。
なんとか褒めるところを探してみたものの、グラフィックくらいだろうか……。
BGMも良いんだけど安心と安定の魔王魂なのでな!
簡単に勝てるだけでまったく面白くないので、
シミュレーションゲームが苦手な人に「簡単で手軽だから!」
とか言ってこれを勧めるのは無責任なだけだと思うし。
ちょっと誰にもオススメ出来ない内容である。1500円。
割と期待していただけに残念だった……。