Nintendo Switch|ダウンロード購入|ダンジョン・ウォーフェア
『ダンジョン・ウォーフェア』のレビュー行くぜ!
メーカー :Singlecore Games(Switch)Valsar(PC)
機種:Switch/PC
ジャンル:タワーディフェンス
発売日:2019/08/22(Switch)2015/11/05(PC)
価格(税込):990円(Switch)980円(PC)
ダンジョンにトラップを設置して入ってくる冒険者を倒し、
最奥にある「次元の門」を守り抜くタワーディフェンスだ。
見た目は地味だしこの手のゲームとしては非常にオーソドックスな内容なんだが、
バランスが絶妙で一度試行錯誤を始めると時間が吹っ飛ぶ!
やることがあるから止めたいのに止められない恐ろしいゲームだったぜ……。
ステージは40以上。
入口から次元の門を目指して敵である冒険者が押し寄せてくるので、
通り道にトラップを設置してプチプチと潰していく。
次元の門に敵が入ってしまうと体力が減っていき、
これがゼロになるとゲームオーバーだ。
基本のトラップは全18種類。
最初は少ないがゲームを進めるごとにどんどんと増えていくぞ。
トラップの設置は有料で、お金は敵を倒す毎にジャラジャラと手に入る。
基本のトラップとは別に消費トラップというものがあり、
これは一定時間毎に無料で置けるからバンバン使える。
無料のトラップで冒険者を殺して金を増やす。なんて経済的なんだろうか。
トラップは床から突き出すトゲに壁から発射される矢やボルト、
回転する刃で敵の足を止めつつ切り刻むスピンブレード、
上を通った敵に確実にダメージを与えるグラインダーや、
壁から発射してダメージを与えつつ敵を引っ張るワイヤー、
敵の脚を遅くするスライム床、
戦ってくれるデーモンを召喚するトラップなどなど……。
ロマンに溢れたワクワクするブツが揃っているぜ。溢れたロマンが敵を貫く!
ステージ毎に地形はガラリと変わり、
入り口や次元の門が複数あったり、最初からトラップが設置してあったり、
一定間隔で親切なトロッコが通過して敵を跳ね飛ばしてくれるレールがあったり、
無料バリケードが支給されたりするし、敵も足の速い奴からタフな奴まで様々だ。
ステージに持ち込めるトラップの種類は限られているので、
敵の種類を踏まえてどのトラップを持ち込み、どのタイミングで、
どこに設置するかをひたすら悩むゲームになっているぞ。
トラップの1つであるバリケードを上手く使えば道を塞ぐことも出来るので、
これを活用するのも重要となる。
複数の敵の進行ルートを一本に絞ったり、一本道を作ってトラップを置きまくったり、
トロッコのレールや初期配置トラップのある方向に敵を流したり使い方は色々だ。
こいつの使い道は一つじゃないぜ!
しかしバリケードも基本的には有料。
置きすぎると他のトラップがあまり置けなくなるし、
一部の敵の攻撃で壊されることもあるのが悩ましい。
このオーソドックスなゲームのどの辺りが面白いのか。
まずは敵の物量。数十人の冒険者が一つの生き物のように押し寄せてくるので、
負けじとトラップの配置に頭を捻って殲滅していく爽快さが素晴らしい!
壁から出たワイヤーに引っ張られ、次々に穴に落下して悲鳴を上げる冒険者、
火炎放射で火だるまになり、歩きながらゴリゴリ体力を減らす冒険者、
一発の破壊力が高いボルトで貫かれて血を吹いて絶命する複数の冒険者、
スタンドバイミー気取りでレールを歩いた結果、トロッコで一掃される冒険者。
すべてが目と耳に心地良いゲームだ。
敵をまとめて倒すと「肉汁の流がれ連続殺害!」など、
よく分からないけど沢山死んだことは伝わるコンボ名が出るのも味わい深い。
「この物量、防ぎきれるか……?!」
ハラハラしながら進めて守り切った時の気持ち良さと、
倒し損ねた敵がトラップをすり抜けた時の絶望感のせめぎ合いがたまらない作り。
防衛ラインが完全に決壊して大量の敵が雪崩れ込んできた時は、
思わず俺の方が悲鳴を上げてしまう。
「どうすればクリア出来るんだ?!」「あと少しでクリア出来そう!」
この二つが、頭の中で行ったり来たりするバランスがとにかく絶妙で、
振り返ってみると敵の種類もギミックの種類もそこまで多くないのに、
遊んでいてまったく飽きさせない。
一度設置したトラップに追加投資して性能を上げることも出来る、
新しいトラップを置くより効率的な場合もあるぞ。
ステージクリアなどで手に入るジェムを使って
ステージ開始前にトラップのマスタリーレベルを上げる成長要素もあり。
基本性能アップや設置コストの引き下げの他、
一定レベルまで上げれば追加投資を最大まで行えるようになる。
最大強まで投資したトラップは強力な追加効果が負荷されるぞ。
このマスタリーレベルはペナルティ無しでリセット出来るので、
「トゲを強くしてきたけど、今度のステージでは火炎放射器を強くしたい」
というのがカンタンに出来るのだ。おかげで戦略を組みなおしやすい!
詰め将棋的なゲームではあるんだけど、ガチガチ過ぎないのも好きなところで、
無料の消費トラップを上手く使えば配置の穴を埋めたり、
倒し損ねた敵を滑り込みで倒せたりもできる。
「トラップを突破した敵の足元に無料トラバサミを配置!発動!死亡!やったぜ!」
みたいな。戦略ミスをその場の判断である程度カバーできるようになってるわけね。
敵の進行ルートが青いラインで表示されるのも分かりやすいし、
2倍速の早送りもある。爆発してバリケードを破壊する敵が来る時は警告が出る。
遊んでいてストレスを感じることが少ないのが良いね。考えられてるわ。
ちなみにゲーム内テキストだと何故か4倍速って書いてあるけど2倍速までです……。
ステージは受けたダメージなどでクリア時に最高で宝石3つまでの評価が付くし、
それでも物足りないという人は、
縛りプレイ用の「ルーン」をセットすることで難易度がアップ。
敵のHPが自動回復した、耐久度が早くなったり、吹っ飛びにくくなったり。
様々なルーンがあり、付ければ付けるほどクリア時のスコアが増える仕様だ。
ハイスコアを取れば取るほどプレイヤーのレベルが上がって、
ステージ開始時のお金などが増える要素もあるぞ。
なので、ある程度進んでから序盤のステージを縛りプレイでやり直して、
経験値稼ぎをするというプレイも可能となっているし、
スコア倍率を下げる代わりに難易度も下げるルーンがあるから、
難し過ぎると感じたらこの辺を活用してもいい。ちゃんと救済措置があるのだ。
基本的なゲームバランスは簡単過ぎず難し過ぎずの調整で、
自然と宝石3つクリアを目指したく手触りだったんだが、
ラスト手前のステージ3つはさすがに難し過ぎて諦めてしまったぜ……!無念!
でも全ステージクリアはしたからね!
そしてレベルアップした時の「ボナース」という表現の脱力感がすごい。
古のネットスラングのようだ。
真下はちゃんと「ボーナス」になってるのにどうして……。
Switchで出たのは去年8月だし元はかなり古いタイトルなんだけど、
面白過ぎて忙しい中、ガッツリ25時間くらい遊んでしまったわ!
爽快感があり、戦略を手軽に組みなおしやすく、
遊びやすい気配りもあり、ステージ構成が絶妙。
とにかくスキの無い完成度でお見事なタワーディフェンス……イチオシだ!