絶対SIMPLE主義

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PS2「SIMPLE2000 THE 地球防衛軍タクティクス」レビュー!あの地球防衛軍が戦略シミュに……一応なった!

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SIMPLE2000 THE 地球防衛軍タクティクス 公式

SIMPLE2000 THE 地球防衛軍タクティクスのレビュー行くぜ!

2006年7月27日に発売されたSIMPLE2000シリーズ103本目の作品だ。

大ヒットしたTHE地球防衛軍2を戦略シミュレーションにしたものである。

HALOに対するHALOウォーズ的なスピンオフ作品。

本編の開発はギガンティックドライブで知られるサンドロットだったが、

こちらの開発はシンクアーツ。

PSPの大戦略ポータブルやDSの大戦略DSの開発を担当したメーカー。

SIMPLEシリーズではお馴染みの、ノウハウのある開発元にお願いするパターンだな。

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内容はユニットを交互に動かして戦う、オーソドックスなヘックス型戦略シミュレーションだ。

難易度設定は無いが全100ミッション。

本編には負けるが50時間以上はたっぷり遊べるボリュームとなっているぜ。

まあ、最後まで飽きずに遊べればの話だが……。

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ストーリーはTHE地球防衛軍2と同じで、ステージ配置も各ミッションを意識したものが多い。

最初の50ミッションはEDF側でプレイ。

そこから先の50ミッションは同じミッションをpインベーダー側で遊べる裏面となっている!

地球防衛軍シリーズでインベーダー側の操作を実現している作品はこれだけですよ!

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設定されたコスト内で部隊を編成してミッションスタートだ。

味方ユニットは武器の変更も出来る。

敵を倒したり施設を占拠することで経験値が溜まり、最大でレベル5までアップ。

本編で味方ユニットが「陸戦兵」「ペイルウィング」の2種類しかいなかったのをなんとかするために、

こっちでは「狙撃陸戦兵」「突撃陸戦兵」「装甲陸戦兵」「整備陸戦兵」などと陸戦兵の亜種が大量に登場。

ペイルウィングも「近接型」「射撃型」「爆撃型」「偵察型」などと分類が細かい。

後のフェンサーやエアレイダーである……と言えなくも無い!?

それぞれ装備できる武器が異なり、レベルが高いほど強力な武器が装備できる。

例えばライサンダーZなんかはレベルの高い狙撃兵じゃないと装備不可能だ。

戦車やヘリ、バイクもそれぞれ個別ユニット扱い。

ミッションは敵殲滅か敵本拠地占拠が基本。

一定ターン数耐える防衛ミッションなどもあるが、本拠地占拠した方が早かったり。

味方と敵で交互にユニットを動かしていくゲームだが、

毎ターンの最初に「増援ターン」というものが挟まる。

ここでミッション開始時に編成したユニットから5人だけ出撃可能だ。

また、一度やられたユニットも増援ターンでエネルギーを消費して再出撃可能。

エネルギーは毎ターン溜まっていくが、施設などを占拠することで量がアップ。

またマップに増援拠点がある場合は

そこを占領することで増援ターンで出撃可能なユニットを増やせる。

増援ターンでどのユニットを出撃させるか?

刻一刻と変化する戦場で、残りエネルギーと相談してどのユニットを再出撃させるか?

そういうのが重要。

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敵ユニットに接近したら戦闘が始まるが、

地上の敵にしか攻撃できないユニット、空中の敵にしか攻撃できないユニット、

地上の敵にも空中の敵にも攻撃できるユニットなどと分かれていて、

対空攻撃を持っていない相手に空中ユニットで攻撃を仕掛ける!などの相性をつけば一方的に攻撃できる。

この仕様のおかげでとにかくペイルウイングが強い!

移動力が高いわ山を無視できるわ攻撃も強いわ、地上と空中の両方に攻撃可能だわ……。

地上のアリ相手なら一方的だぜ!

でもクモが対空持っててペイルウイングに強いのは原作再現かな。

一応、陸戦兵じゃないと施設や敵本拠地を占拠できないという縛りはある。

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戦闘アニメをオンにすると、

THE地球防衛軍2のポリゴンモデルを流用した目を覆いたくなるようなショボい戦闘アニメが始まる!

一度見たらしめやかにオフにすることをオススメする。

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マップには「索敵」「視界」という概念があり、

味方ユニットの索敵範囲外の場所は黒く表示されている。

ここにユニットを移動させて敵ユニットに接触した場合は「遭遇戦」が発生。

敵から先制攻撃を受けて大ダメージを受けてしまうぞ。

索敵範囲の広いユニットを着実に進めることが大事なので、ここでもやはりペイルウィング大活躍。

他にも地形効果や、味方ユニットで敵ユニットを包囲することでダメージが大きくなる、

敵ユニットと敵ユニットの間を通り抜けるルートを選ぶと移動力が落ちる、などの要素もあり。ZOCね。

まあ、戦略シミュとしては手堅い作りかな。

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THE地球防衛軍2らしい演出としては本拠地と複数の砲台型ユニット、バリア発生装置で表現された皇帝都市。

ジェノサイド砲も使ってくるぜ。

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ジェノサイド砲は発射されると光弾がユニットのように毎ターン移動を開始。

着弾するとその付近の施設破壊&地上ユニット即死という効果になっている。

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ステージクリアするとクリア評価に応じて新ユニットや新武器が手に入る。

新武器が次々に手に入るのは防衛軍らしいところだな。武器は全部で300種類以上だ!

これはEDFファンもニッコリ。

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まあ、本編だと最高難易度クリアのご褒美チート兵器だったジェノサイド砲が

後半のステージクリアで普通に手に入る辺りで大抵のEDFファンはキレるような気はするが。

キレたぞざっけんなコラァ!

性能はインベーダーのジェノサイド砲と同じね。

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インベーダー側は成長の概念が無い代わりにコストが低いので、

とにかくやられてもやられても物量推しの戦略で行くことが可能だ。

マップをアリで埋め尽くしてやろうぜ!

武装の使い分けと成長したユニットの使いどころが大事なEDFと比較すると、

まあTHE地球防衛軍2本編に近い手触りにはなっているかな。

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そんなわけで戦略シミュとしては手堅い作りで、

同じSIMPLEシリーズのTHEウォーシミュレーションなどと比べてもしっかりしてる。

敵の思考時間なんかも短く、戦闘処理もサクサク。

でもやっぱ地味過ぎるぜ……。

地味なシステムで似たようなミッションを淡々とこなしていくので途中で飽きてくる。

システム自体はしっかりしてるんだけど

ペイルウィングが万能すぎてほぼゴリ押しでなんとかなったり、

適当にやっててもS評価取れたりゲームバランスも結構大味。

ストーリーや会話デモ、演出らしい演出もまったく無く、

たまに地球防衛軍2本編から流用したボイスが思い出したように再生されるだけ。

エンディングの文章すら流用というやる気の無さである。

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なんとか本編の空気を出そうとしているのは伝わってくるし、

2000円の戦略シミュとしては決して悪いゲームではない。

インベーダー側が使える辺りなんかはもうちょっと評価されていいとは思うんだけど、

シンプルというよりひたすらに味気ない内容。

素材流用して安く上げたスピンオフで小銭を稼ごうっていう志の低さがビシバシ感じられるぜ。

防衛軍ファンなら……いややっぱオススメはし辛いなー。

「THE地球防衛軍のスピンオフである戦略シミュ」という発想は良かったと思うし、

大戦略シリーズ開発経験のあるメーカーに任せるのも適材適所ではあるんだけど、

出てきたのがホントに大戦略に防衛軍のガワ被せたくらいのソフトというのはね。

発売当時も「何十年前のPCゲーだよ!」って反響でかなりの低評価を受けたんだけど、

D3はこの作品の前に、

スペースレイダースという地球防衛軍はおろかSIMPLEシリーズとも関係ないタイトーのゲームを、

「THE地球侵略郡」というパチモノみたいなタイトルで発売した前科があったのも、

このゲームの低評価っぷりを強めている要因だ。

開発したシンクアーツは2008年に死んでいるので許してもらいたい。

いや、本当に悪いのはD3パブリッシャーなんですけども!