THEキョンシーパニックのレビュー行くぜ!
このゲームはタイトル画面よりパッケージイラストの方が数倍可愛いのでこちらも掲載しておきます。
こちらはTHE地球防衛軍2のパッケージと同じ吉井ダンが手がけているゾ!
本作は2004年の10月14日に発売された65番目のSIMPLE2000だ!
SIMPLE2000でB級ノリのアクションゲームがドッと増えてきた辺りの作品だな。
導師となってキョンシーを退治する全7ステージのアクションゲーム。
開発はきたぞわれらのタムソフト!
西暦2050年。上海のとあるビルが妖怪キョンシーに占拠された!
逃げ遅れた人々を救助するためにキョンシー退治のエキスパート、蓁 福月(シン・フィーフェ)が立ち上がる!
なぜ舞台を2050年にしたのかは発売から10年以上経った今でも分からない。
OPとEDではムービーもあるぜ。短いが雰囲気出ていて悪くない。
蓁 福月(cv西沢広香)の語りがまた可愛いのだ。
3Dのアクションゲームだが視点は上からで固定。
ただ敵を倒すだけではなく、
制限時間以内にステージ内にいる救助者を一定数助けて出口から脱出すればクリアだ。
救助者には指示を出すことが可能。
登場するキョンシーは救助者を狙ってくるので、
立ち止まって待ってもらったり、指定した方向に逃げてもらったりして切り抜けるのだ。
息を止めるという指示もある。
キョンシーは人間の息に反応するので、息を止めて移動すれば見つからない。
映画で見たぞこれ!
主人公は封印の札で防御しているので敵の攻撃をいくら喰らっても死なない。
攻撃は近接攻撃の剣、遠距離攻撃の銃、自分の周りに広範囲にバラ巻く米、そして札の4種類。
キョンシーは普通に攻撃しても倒すことが出来ないが、
ある程度体力を削るとキョンシーの体から黒いオーラが出る。
そこで札を使用することでトドメを刺せる。
キョンシーには弱点となる攻撃があるので使い分ける必要アリ。
攻撃にはそれぞれ強力な溜め攻撃が可能なのでスキを見てぶちかまそう。
攻撃のエフェクトが綺麗でそこがとても好きな点。
そんなゲームだが、やりたいことはわかるんだけど辛いデキ。
救助者はAIの動きが微妙ですぐ壁に引っかかるし、足も遅いのでストレス。
特に歩くの遅いおっさんキャラは
体をサイボーグに改造して背中にジェットエンジンをつけて出直して来いと言いたくなる。
キョンシーを見るとパニックになるのはいいとして、
ピンボールのように壁に跳ね返りながら走り回り、
何故かキョンシーに向かって一直線に突進することまである。
お祭りに来た子供か!
救助者が死んで規定数満たせなくなったらゲームオーバーなんだから落ち着いてくれよ!
本当に怖いのはキョンシーではなく人間だわ!色んな意味で!
キョンシーが次々に出現したり、ステージギミックを避けながら進む場面もあるんだが、
どうしても跳ね回る救助者を追いかけながらのグダグダなプレイになりがち。
かと思えば適当にダッシュで突っ切ればOKの場面があったりで作りが大雑把。
最後にボス戦が待っているステージもある。
ボス戦は救助者を逃がした後にタイマンとなるんだが、主人公は無敵なので絶対負けない。
なので、ボスの耐久力が非常に高くて倒すのに時間が掛かる調整になっている。
さあ、撃っても撃っても死なないボスを制限時間内に倒せるか!
主人公の無敵設定、どう考えても大失敗ですよねこれ?!
アクションゲームとしては動きがもっさりしてるし、ボス戦はほとんど銃ハメで倒せる。
主人公は無敵だけど攻撃食らうと吹っ飛ぶし、起き上がりが遅いし、
そのくせ起き上がりの無敵時間がやたら短いので、起き上がる途中で吹っ飛ばされることも多い。
ストレス溜まる。
全体的にテンポが悪く、救助者の不規則な動きもあって大味なプレイになりがちで、
それでいてアクションゲームとして面白いわけでもない。
ストーリーやテキストも薄味でオチは投げっぱなし。
閉鎖されたビル内が舞台っていうホラーっぽい雰囲気や凝ったUIは好きなんだけど、
ゲームとしては久々にプレイしても大分辛いデキだぜ……。
アクションゲームの防衛型ミッションってよほど上手く作らないと面白くならないからなあ。
タムソフトが2000円で作るにはツラい題材だったのかもしれん。
後には主人公のデザインと、
PS2どころか家庭用ゲーム全体を見ても珍しいキョンシーのゲームという存在だけが残った。