『おじいちゃんの記憶を巡る旅』のレビュー行くぜ!
メーカー:Broken Rules
機種:Switch/PS4ダウンロード専用ソフト
ジャンル:パズルアドベンチャー
発売日:2018年2月22日
価格:税込1000円
PCやスマホでも配信中のパズルアドベンチャーゲーム。
目的地を目指して旅をするおじいちゃんを上手く誘導していく内容だ。
海外タイトルだが、
テキストがまったく出てこない作品なのでローカライズはタイトル名くらいかな。
PVの「これ絶対エンディングでおじいちゃんが死ぬやつだろ!」感が物凄くて。
死に水を取る気持ちで買ったんだが、
美しく描き込まれたアートワークと
BGMを堪能するADVとしてなかなか良く出来ていたぜ。
おじいちゃんが本当に死ぬかどうかは自分の目で確かめてもらいたい!
物語は家に届いた手紙を読んだおじいちゃんが、
旅支度をして慌てて外へ飛び出すところからスタート。
おじいちゃんが画面奥、あるいは画面右端にたどり着けるように、
道を繋げて誘導していくパズルアドベンチャー。
タッチ操作、あるいはスティック操作でカーソルを動かして道を上げ下げしていく。
おじいちゃんが立っている道は動かせないという縛りがあるため、
一度おじいちゃんをこっちの丘に移動させて、それから道を動かして、
その後におじいちゃんを再移動させて……。
といったように頭を使う場面が度々出てくるのだ。
ゲーム進行には関係ないことが多いが、家の窓をタッチすると開け閉めできるとか、
鐘をタッチすると鳴らせるなどの小ネタが仕込んであるので、
あちこちタッチしてデジタル絵本的な楽しみも出来るぞ。
おじいちゃんが休んでる横で鐘を108連打!
カンカンカン!カンカンカン!大晦日ですよーーーーー!
ある程度進むとおじいちゃんは休憩して過去を振り返り始める。
その度にイイ感じのイベントデモで、
かなりイケイケだった時代のおじいちゃんが登場!
テキストは一切ないので、この断片的に挟まるおじいちゃんの回想から
物語の背景を想像する必要があるのだ。
とはいえ、かなり分かりやすい話なのですんなり理解できると思う。
プレイヤーの操作で平坦な道が急な坂道となり、
その坂道が複数の離れた道を繋ぎ、おじいちゃんが歩く道となる。
騙し絵をいじるようにしてゲームを進める度に舞台は次々に切り替わり、
描き込まれた美しい背景美術と細やかなアニメ、
そして情感溢れたBGMを堪能できる内容だ。
とにかく背景の凝りっぷりが素晴らしくて、
細々とした場所ではその緻密さ、開けた場所ではそのスケールに感動する。
おじいちゃんにズームイン・ズームアウトする場面が度々あって
その度に「おおっ」ってなる。
TVモードと携帯モードに対応してるんだが、
大きいテレビで遊ぶことを推奨したいね。
俺のお気に入りは電車で進むパートで、
映像に合わせて変化するBGMが印象的だったぜ。
難点としてはパズルアドベンチャーとしては難易度が低く、
仕掛けの種類もあまり多くないところかな。
道を動かしてタルを転がして障害物を壊す……みたいな場面もあるにはあるんだが、
本当に一部なのでやや物足りなかった。
道の繋がりが少し分かりづらいところもあったり。
あと、おじいちゃんを滝で滑らせて進ませないといけない場面が何度も出てきて、
その度に「おじいちゃんが死んじゃう!」
「こんなん一発で腰が粉砕されるだろ!」ってハラハラさせられたわ。
スペランカーだったら確実に一機死んでる高さ。老人虐待はよくないぞ!
クリアまでは1~2時間ほど。
ボリュームは無いしパズルとしてそこまで充実した内容ではないんだが、
雰囲気は文句無し。
1000円のデジタル絵本と思って買うべし!といったところかな。
どうしても割高感はあるが背景やステージを水増ししてるような箇所も無いし、
個人的にはビジュアルとBGMだけで満足だ。
おじいちゃんと共に進むのんびりとした旅を堪能できたぜ。