Nintendo Switch|ダウンロード購入|カドバトうぉーず!
全ステージクリアしたので『カドバトうぉーず!』のレビュー行くぜ!
メーカー:イッタロ
機種:Switchダウンロード専用ソフト
ジャンル:リアルタイムカードバトルゲーム
発売日:2018年4月19日
価格:税込390円
株式会社イッタロによるSwitch完全新作のカードゲーム。
2009年に設立してこれまでずっと下請けをやっていたメーカーのようで、
スマホ向けのオンラインカードゲームを何かやっていたらしいことと、
『名探偵ピカチュウ』のモーションなどを一部担当していた以外に情報ナシ。
そこが送るオリジナルの自社コンテンツ第一弾というわけだ。
パッとしないタイトルによく分からない内容だが、
実際にやってみると驚くほど丁寧に作られていた。
公式に書かれている
「シンプルな攻防が熱いリアルタイム型のカードバトルゲーム!」という、
言うのは簡単だけど実現するのが難しい内容を、見事にやり切っている1本。
こういう突然配信された正体不明のゲームが面白いと嬉しくなっちゃう。
オンライン対戦は無いがローカルでの2P対戦には対応しているぜ。
ゲームを起動すると、他の生き物を戦わせる能力を持った2つの種族が、
地球人を使ってどちらが強いか競いあってるけど、
見た目が可愛いから地球人はそれを許してるし恒例行事になってるよ!
という意味不明なストーリーが、
バラエティ番組のプロデューサーをやっている地球人の口から語られる。
ストーリーは冒頭のこれっきりで会話デモなどは一切存在しないぞ。
この流れでプレイヤーは
地球人をコマとして使うエイリアン陣営としてゲームを遊ぶことになるから、
ゲームのストーリーとしてはダメな部類だと思いますね……。
だって「なるほどそういう話か!よーしやるぞ!」
って気分にならないじゃんこの設定!
SFなのに「魔法カードの戦士」とかよく分からない単語も出てくるし!
全50ステージをクリアしていく構成で、
最初は「エイリアン・フラ」陣営となってスタート。
クリアすると使用出来るキャラが違う「エイリアン・カーネ」ルートが解禁。
そちらもクリアすると最高難易度のエクストラが出現するぞ。
自分のデッキを組んで戦うカードゲームだが編成は簡単で、
キャラクターを3人選ぶだけ。
キャラはそれぞれ性能の違うカードを5~6枚持っているのでそれがデッキとなる。
相手の編成や自分のプレイスタイルに合わせてチョイスするのだ。
ステージをクリアしていくと新しいキャラが仲間になっていくし、
クリアすると対応した仲間がパワーアップするステージもある。
戦闘は3vs3で行い、相手を全滅させた方が勝ち。
時間経過で溜まるエネルギーを消費して
攻撃カードや特殊カードをバシバシ使うリアルタイムで戦うシステム
『ファイナルファンタジー』シリーズのATBに近い手触り。
ゲーム機のカードゲームで似てるのは3DSの『キルカ・ドライブ』あたりかな。
攻撃カードを出して攻撃をさせるとキャラの攻撃力が1段階上がるが、
ダメージを受けると攻撃力が1段階下がるシステム。
攻撃が出来るのも、攻撃を受けるのも先頭にいるキャラなので、
LRボタンで状況に応じて順番をグルグルと入れ替えながらの戦いになるぞ。
攻撃力の高いキャラは後列に下げて、攻撃をする時だけ前に出す。
これが基本となるが、手札に気を取られて下げるのが遅れたり、
後列に攻撃出来るキャラがいたり、
様々な特殊カードがあったりするので簡単にはいかない。
特殊カードには一気に攻撃力を最大に出来るカードや、
相手チームを磁石で一定時間固めて
全体攻撃可能にするカードなんて強力なものが多数。
しかし攻撃に合わせて出すことで相手の攻撃を無効化するカードや、
相手の攻撃を跳ね返すカウンター系のカードも存在するからやっかい。
こういう防御カードは反射カードより使用エネルギーが少なかったりするので、
性能差はあっても
単純な上位互換、下位互換の関係にはなっていないのが上手いところ。
キャラも攻撃力が高いが消費エネルギーが高かったり、
全体攻撃が可能だがその分攻撃力が低かったり、
持っている特殊カードも異なったりとしっかり個性をつけてあるぜ。
相手の手札が見えるのも良い味になってるね。
攻撃はしたいが相手がカウンターカードを持っているので出せない……。
なんて悩んでる間にも時間はどんどん過ぎ去っていくぞ!
お互いの手札を見ながらリアルタイムでカードを出し合う緊張感に、1プレイがすぐ終わるテンポの良さ。
ルールは単純で画面も見やすく分かりやすいのに、やればやるほどに白熱するし、
カードの組み合わせや
使用タイミングをしっかり考えないと勝てない作りになっている。
見た目によらず非常に完成度が高いぞ。
攻撃力を上げに上げたカードの一撃が上手く通った時や、
相手の強烈な一発を上手くやり過ごして
カウンター攻撃を叩き込んだ時の気持ち良さは格別!
BGMもやたらカッコいい曲揃いである。
登場キャラが両陣営合わせても16人しかないのがちょっと寂しいところではあるが、
まあ値段を考えれば十分ではあるか。攻撃などでしっかりアニメするし。
キャラクターが垢抜けないのは惜しいところ。
アイドルとかボクシング女子とか可愛いキャラもいるし、
フレーバーテキストで設定やキャラ同士の関係がそれとなく掘り下げてあるのも良いし
この超カッコいい弓を携えたババァの強キャラ感とか好きなんだが、
全体的に個性が薄くて安っぽさが拭えないぜ。ここも値段相応と言えば相応か。
全ステージクリアまで4時間掛からないくらいだったが、満足度は高かった。
突然現れたあまりにも意外過ぎるダークホース。
実力のあるスタッフが
390円という制約の中でしっかり作ったんだなという熱を感じる1本だ。
このスタッフが作った次回作を絶対に見たいので、
これからも頑張って貰いたいぜ!応援しているぞ!