『Scars of Mars』(スカーズ・オブ・マーズ)公式サイト
『Scars of Mars (スカーズ・オブ・マーズ)』のレビュー行くぜ!俺がプレイしたのはNintendo Switch版ね。
パブリッシャー:アクワイア
機種:Switch/PC
ジャンル:リアルタイムRPG
発売日:2024/6/20
価格:2200円
アクワイアが送る完全新作のリアルタイムRPGだ。
自由な装備で編成した4人パーティで、実験生物が蠢く火星の研究施設へと突入するSFモノ。独自の戦闘システムが最大の特徴となっているぞ。
最近のアクワイアはインディーゲーム市場に参入!を掲げて多数の完全新作を発売しており、これもその1本だ。過去に3本レビューしてるがどれもこれも壊滅的に酷かった。
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インディーゲーム市場という大河に、アクワイアという工場が廃液を垂れ流している状況。もう工場を爆破した方が世のため人のためでは?と思っていたが、今回の『Scars of Mars (スカーズ・オブ・マーズ)』はマシだったので爆破阻止。アクワイア終末時計の針を少しだけ戻せ!
ボリュームやバランス面で難はあるが、しっかり独自性のある内容に仕上がっていたぞ。
舞台は2158年の火星。プレイヤーはヒューマノイド部隊の指揮官として、連絡が途絶えた火星の研究施設へと向かう。そこに待っていたのはヤバいクリーチャーたち。戦いながら生存者を探して火星から脱出せよ!
というストーリーだがほとんどオマケだから気にするな!
毎回地形が変化するステージに挑むRPG。敵、イベント、宝箱などが置かれたマップをルート選択で進んでいく。いくつかある休憩ポイントを通過しながら、最深部に待ち受けるボスを倒せばステージクリア。
『Slay the Spire』辺りからよく見かけるようになった形式だ。強いけど報酬が美味い敵に突っ込むぞー!(全滅)とかやりがち。
本作最大の特徴はリアルタイムで展開する3×3マスの戦闘システム。
3×3マスのフィールド内でカーソルを動かして、キャラの移動や攻撃、スキルを行う。
パーティキャラが4人いることもあり、リアルタイムで進行する戦闘が忙しい!ボヤボヤしてると正面からバッサリだ!
敵の攻撃が来るマスは事前に赤く表示されるので、味方キャラを素早くマスからどけて回避!攻撃やスキルの準備が出来たキャラにガンガン殴らせて、後列の回復役に上手くフォローさせて、複数の敵を相手に立ち回っていく。
『ロックマンエグゼ』のフォーマットで『ウィザードリィ』やってるみたいな戦闘システム。最初は戸惑うが、慣れてきてパーティの役割分担が頭に入ると、スムーズにローテーションできてグッと面白くなってくる。敵が攻撃する瞬間にカウンターをぶち込めるシステムもあり、狙えるようになると気持ち良い。特定のフォーメーションでパワーアップ出来る要素などもあるぞ。
バッテリーの概念も焦らせる。
プレイ中ずっと減り続ける数字で、低くなるとマップで先が見えなくなるし、ゼロになるとキャラのHPが減り始める。つまりは空腹ゲージである。
ただ、バッテリー管理がシビア過ぎるゲームではなく、イベントやアイテムで回復も出来るし、休憩ポイントからアイテムをすべて持ったまま帰還できるので、「バッテリー少ないし今回は帰還しようか?」と判断するきっかけにもなる。ここら辺はうまいバランスだ。
4人いるキャラは職業であるクラス、基礎ステータスに関わるフレーム、2つ装備可能な武器でカスタマイズしていく。二刀流や二丁拳銃が基本だが、ショットガンなどの両手持ち武器も存在するぞ。ショットガンは敵の真正面からぶち込むとダメージ倍率が跳ね上がるロマン武器で良い。
クラス、フレーム、装備はステージ中に手に入る設計図から作り上げていく。
レア設計図だとめっちゃ強い装備ができるぞ。攻撃力高い上に状態異常攻撃が付いてるとか、範囲回復能力があるとかね。レアドロ狙いで周回せよ!
いらない設計図はポイントに変えて強化に使える。ステージ中に全滅したり帰還したりするとレベルが1に戻るゲームだが、装備の強さはそのまま。繰り返しプレイで強化していけばどんどん楽になる仕様だ。
仲間キャラに関してはセリフなど一切無い硬派な作りである。顔アイコンだけ変更だけどみんな濃い……。『AKIBA'S TRIP』のキャラとかいねーの?
って、よく見たら右下にアクワイアちゃんいるじゃねーか!?分かりにくいファンサービス!
戦闘、ハクスラ、キャラ編成それぞれにしっかり面白さがあるゲーム。
最初はリアルタイム戦闘とバッテリー管理に振り回されるが、立ち回りが頭に入って育成が進むとガンガン攻められるようになってスピード感あって爽快だ!
そんな本作の欠点は底が見えるのが割と早いのとボリューム不足。ステージが3つしかないからマジですぐ終わるぜ!どうして3ステージだけなのよぉ~ッ!
装備の種類がそこまで多いわけではなく、割と分かりやすく強い装備が決まっている。特に上位の回復スキルはかなりぶっ壊れ。敵の個性も薄いため、とりあえず攻撃力の底上げで殴りまくるのが有効だったりする。
最終ステージになると強化ポイント素材がヤケクソみたいにドロップするので、爆速で育成が進んで爆速でゲームの寿命が縮まる。恐れていたゲーム側のギブアップ宣言。まあ、色んな装備を試しやすいともいえるし、育成渋くしてプレイ時間を水増しするよりはいいかな。俺はそういう連中と何度も戦ってきた……!
システムは面白かったけど4時間くらいで全ステージ出来てしまった。
ゲームに慣れて面白くなってきた辺りで敵が弱く感じるようになり、そのままエンディングへ。クリア後のやり込み要素などは一切無し。難易度ハードで最初からやり直すくらい。
面白いのは確かなんだけど、キャラやクリーチャーデザイン、シナリオなどは非常にありきたりだし、これで2200円はちょっと厳しく感じる人も多そう。まあ「短編としてセールで買うならアリ!」とは言えるゲームだ。最近のアクワイア新作ゲームでは上出来だぜ!