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【レビュー】アクワイアくん!今のインディー市場にこれは通用しないって!『超古代兵器ホリー』【PS5/Switch/PC】

 

『超古代兵器ホリー』公式サイト

 

『超古代兵器ホリー』のレビュー行くぜ!

俺がプレイしたのはPS5版ね(ここ重要)。

 


パブリッシャー:アクワイア

機種:PS5/Switch/PC

ジャンル:ダンジョンクロウル

発売日:2024/2/29

価格(税込):1980円

備考:発売日未定でPS4版も予定


 

インディーゲーム市場に参入したアクワイアが送る完全新作第2弾。

人類を恨む超古代兵器のホリーちゃんが主役のアクションで、ダンジョンの地形を活用して敵と戦うシステムが特徴。

 

中小メーカーの完全新作は出来る限り応援したいスタンスなので、去年の東京ゲームショウで体験プレイしたらかなりヤバい内容。「まあ製品版なら違うだろ」と買ってみたが変わってなかった。

 

アクワイアくん!今のインディー市場にこれは通用しないって!『XALADIA: Rise of the Space Pirates X2』レビュー!【PS5/Switch/PC】 - 絶対SIMPLE主義

 

アクワイアのインディーゲーム参戦第一弾の『XALADIA: Rise of the Space Pirates X2』も大概ヤバい内容だったが、第二弾の本作も負けず劣らずの酷さ。自社ブランド傷付けRTAでもしてんのかってレベルだわ!

 

 

世界を巻き込んだ戦争の中で作られた自立型の兵器ホリー。その力を恐れた人類は彼女を地中深くへと封印する。それから数万年経ち、魔法遺跡の奥で目覚めた彼女は人間への復讐を決意し、地上を目指す!

という話がやたら小さい字幕で語られるオープニング。

 

 

全10階層のダンジョンに挑むアクションゲームで、最下層からスタートして地上を目指す。

ブロックで埋まったダンジョンを掘りながら進み、ゲートをすべて破壊すればステージクリアで次の階層へ。ゲートから出現したボスが定期的にスタート地点を破壊しに来るので、これを防げないとゲームオーバーになる。

 

 

戦いで素材を集めるとスキルツリーを伸ばして新たなスキルやステータスアップを獲得可能。ゲームオーバーになってもスキルツリーの成長は引き継がれるし、1階層戻されてリトライなので緩い仕様だぞ。

 

このスキルツリー、プレイ開始1時間も経たずに7割くらい埋まるので「こんなに分かりやすい不穏な気配ってあるんだ……」って思った。

 

 

ダンジョンを埋めるブロックをどう崩して道を作るか?

敵から拠点をどう守るか?様々な敵にどう対応するか?

 

そういうところに悩むゲームかと思いきやそんなことはなく、とりあえずブロックを壊してゲートへ直進してぶっ壊す作業を延々と繰り返すゲーム。

 

ザコを倒すメリットが素材集めくらいなので基本スルーした方が良いし、拠点を壊しに来るのは牛歩で歩いてくるボスだけ。防衛用の砲台を設置するシステムとかも無いので、タワーディフェンス的な内容を期待すると即死する。

 

 

そして掘った穴に敵を落として埋めると、ボスだろうが一撃で倒せるアクションがぶっ壊れ過ぎる。「一瞬で敵の足元に穴を掘ってそのまま埋められる」が出来ちゃうからな!

使うとMPを消費するが、消費量が少なすぎる上に各地の柱で無限に全回復できるので、あってないようなものだ。

 

ちょっと進むとザコ敵の数が増えてくるので通常攻撃を使うことになるが、最初から最後までボスには有効なのでね……。

 

 

攻撃手段は他に遠距離攻撃と近接攻撃があり、スキルツリーを伸ばすと威力が上がっていく。ゲームが進むとザコ敵の数も増えるが、近接攻撃もかなり強いので無双ゲー開始!

 

と言いたいがエフェクトが無駄に派手なせいで、敵の攻撃判定が非常に分かり辛く、遠距離攻撃やトラップを仕掛ける敵もおり、主人公に無敵時間が無い。大量の敵と戦ってると急に体力がゴリッと減って死ぬことがある。ストレス溜まるぜ……。

 

どっちにしろ攻撃の選択肢が

・後ろに下がりながら遠距離攻撃を撃ち続ける

・敵を後ろから近距離攻撃でペチペチ殴る

・穴で一撃死

の3択なのでアクションゲームとして単調で面白くないし、遠距離攻撃は軸がぶれやすいのでイライラ。ザコモンスターが5種類、ゲートから登場するボス1種類ということもあって底が浅すぎる。ラスボス?いないよ。

 

 

終盤はダンジョンを埋めるブロックをバカ硬くしつつ、破壊不能ブロックで道を制限し、マップをバカ広くして、ザコ敵をアホみたいに増やす調整でだるさ極まる。

まあ、基本システムがザル過ぎてそれ以外で難易度を上げる方法が無いんだろうが……。マップのスクロール速度が異常に遅いのもイライラするぜ。

 

スキルツリーを伸ばすとワープゾーンの設置が可能になるが、PS5版はバグで穴掘りやワープゾーンの設置が高確率で出来なくなるので歯応えがあるぞ~!

デバッグしろ!!!!!!!!

 

ゲームを再起動すると治るけど、終盤になるほどバグの発生が高頻度になるのですぐ使えなくなる。気合でクリアした。設置カーソル周りの挙動がずっと不安定で遊んでて怖かった。

PS5版だけの症状っぽいんだけど、Steam版は操作性がクソ過ぎてすぐにアプデ入ったりと向こうさんも大変そう。それぞれのフィールドでそれぞれの不具合が俺たちを待っている。

 

 

宝箱からレアアイテムであるホリーの記憶パーツを手に入れると能力が大幅アップし、物語の背景が分かる作りになっている。が、記憶パーツ1個でテキスト1行という信じられない小分けっぷり。そもそも内容も基本設定レベルの話がほとんど。

 

どっちにしろエンディングで「なんか……みんな勝手に納得し始めたな……。」と置いてけぼりになるシナリオなんだが。ホリーが封印されて数万年経ってるのにこんな話になる?宣伝用のギャグマンガの方が面白かったよ!

 

途中の会話デモは一切無いし、常に引いた視点で進むからホリーちゃんの姿もよく見えない。ステージクリアしてホリーちゃんがポーズ取るとかも無し。キャラ萌えしたい人にもつらい作りになってる。

 

 

終盤で苦戦しつつ3時間ほどでクリア。

ダンジョンを10階層制覇したら終わりで後は敵が強くなるだけの難易度ハードと、記憶パーツ集めをやるくらい。ローグライクと宣伝するところもあったが、その要素はマップがランダムで変わるくらいかな。

構成している要素のすべてが雑でつまらないゲームで、プレイヤーに何をどう楽しませたいのかまったく伝わってこなかった。これを1980円でインディー市場に投入するのはもはやテロ。

 

主人公のイラストやデザインは良く、公式サイトでゆるい宣伝ギャグマンガを公開したりと、販促には少しやる気を感じるが、それ故に被害者が増えてる。

 

 

発売記念マンガで人間に恨みを持つホリーちゃんが

「買わなかったヒトゾクは?」

「コロス!」

「買ってくれたヒトゾクは?」

「優しくコロス……?」

などと答えていたが、買うと本当に死ぬことになるので買わずに死のう!