『グラナダ』のレビュー行くぜ！
パブリッシャー：日本テレネット/ウルフチーム
機種：MD/Switch
ジャンル：シューティング
発売日：1990/12/26（MD）2023/6/8（Switch）
1990年に日本テレネットの子会社であるウルフチームから
発売された戦車が主役の全方位シューティング。
元々はX68000で発売されたPCソフトで、メガドライブ版はその移植作となる。
プロジェクトEGGではかなり前から配信されていて、
『メガドライブミニ2』にも収録された作品だが、
CS機への移植はNintendo Switchの『テレネットシューティングコレクション』が初だ。
2種類の砲撃と砲座固定を使いこなすスピード感溢れるゲーム展開と、
バラエティ豊かなステージで撃ち合う緊張感が格別な1本。
今遊んでも面白いSF戦車ゲーだったぜ。
舞台となるのは2016年のアフリカ南北戦争。ちょっと前の話か！
南北区別なく兵器という兵器を破壊していく正体不明の重軌道兵器GRANADAとは？
というストーリーが、ちょっと筆が乗り過ぎたテンションで説明書に書かれている。
元のX68000版ではイベントデモがあったようなんだが、
メガドライブ版では要領の都合もあってかまるっとカット。
説明書のステージ紹介の項目、
「自機グラナダは多彩な地形で構成された戦場を舞台に、激戦を繰り広げます。
ここでは、その一部を紹介します。」などと丁寧な導入だが、
紹介に入ると
「眼下に流れる何層もの雲海。雲間から見える大地は飢えた狼どもを呼び寄せる！」
と人が変わったようにテンションが上がるのかなり好き。
全9ステージ構成。
画面右下のレーダーで赤く光る破壊目標をすべて破壊し、
その後ボス部屋でボスを倒せばステージクリアだ。
8方向に動く戦車であるグラナダを操作する構成で、
武器は連射の効く通常弾と、通常弾の16倍の破壊力があるブラスター。
どちらも弾数に制限はなし。
ブラスターは撃つと反動で自機が少し下がるが、
その時に方向キーを発射方向に入れておくと、反動を軽減できる。
この仕様、マシンを操作してる感があってとても好き。
自機は戦車だが未来の話なのでめっちゃ動きが早い！
バリバリ撃ちまくりながら進む展開がスピーディだ。
遮蔽物を上手く活用して敵の攻撃を防ぎながら、砲撃を浴びせる爽快感がたまらない作り。
威力16倍のブラスターを使いこなすのが非常に楽しく、ザコは貫通するし、
ボスも弱点に連続で撃ち続ければ結構あっさり倒せてしまうほどだ。
ビル街に未来都市や山岳地帯、敵基地などなどステージもバラエティ豊か。
巨大空中戦艦に乗り込んで戦うステージ2の時点で大分熱い構成だ。
高度を感じさせる背景スクロールがまたいい！
基本はレーダーを見て破壊目標をまっすぐ目指せばいいんだが、
敵配置が練られていて一筋縄じゃいかないし、
脇道にパワーアップであるサポートユニットが置いてあったりと、
軽い探索要素があるのも良いアクセントになってる。
繰り返しプレイして配置を覚えよう！
サポートユニットは爆発して周囲を吹っ飛ばすユニットや、
自動追尾ミサイルをバラまくユニット。
弾を発射しつつ、グラナダが通常弾を当てると周囲に反射して敵を攻撃するユニットなど。
かなり強力なものが揃っており、ゲットするとプレイ感覚がかなり変わるぜ。
ボスも個性豊かな連中揃いで、毎回地形と合わせた攻略が求められる。
こいつは弱点であるコアの周りをザコと防壁でガッツリガードしているが、
後ろがガラ空きなので壁を反射させて倒す！
弱点を見つけるまでボス戦は結構苦戦を強いられるが、そこがまた熱い作りになっている。
倒し方を見切ったらブラスターの連続射撃で狙い撃ちだ！
15ある耐久度が無くなるとようやく残機が減るという、
シューティングゲームでは珍しい装甲の分厚さになっているが、
敵の攻撃が激しくて無敵時間も短く、穴に落ちた場合は一撃死。
後半の難易度は高めになっているぞ。
ただ、サポートユニットをしっかり探したり、
砲台の固定やブラスターを上手く活用すれば勝機はある。
倒し方を掴めばサクサク進められるし、
繰り返し遊ぶことを考えれば、歯応えあって丁度良い難易度かな。
ラスボスの攻撃はクリアした今でもどう避けるのかよく分からないけども……！
オプションで残機や難易度設定もあるのでそこは親切。
キーコンフィグで砲台の固定方法を
「ボタンを押してる間固定」「ボタンを押すと、もう一回押すまでその方向で固定」
で選べるところも気が利いているね。
Switchに移植された『テレネットシューティングコレクション』だと、
何故か『グラナダ』だけ「ゲーム内のキーコンフィグだけでやってね！」という仕様で、
LRボタンに砲台固定を割り振れないのは残念。
ちゃんと最後まで遊んだのは今回が初めてだったけど、
これは今遊んでも面白い良作だった！
スピード感と戦車らしさどちらもある全方位SFシューティングで、
多彩なボスデザインや桜庭統による低音の効いたBGMの数々もシビれる。
『メガドライブミニ2』に収録されるだけのことはあったね。
