両手いっぱいに芋の花を ダウンロード版 | My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)
『両手いっぱいに芋の花を』のレビュー行くぜ!
パブリッシャー:PLAYISM
機種:Switch/PC
ジャンル:3DダンジョンRPG
発売日:2022/3/10
価格(税込):1870円
備考:セーブデータ引き継げる体験版配信中
『ヒーラーは二度死ぬ』を手掛けたPon Pon Gamesが送る完全新作。
土壌汚染で食糧難に苦しむ世界を救うために、
錬金術師が残した特別な芋の種を探す3DダンジョンRPGだ。
なかなか捻りの効いた舞台設定。魔物より怖いのは食糧問題!
見た目こそ地味だが非常に丁寧に作られているゲームで、
戦闘バランスとダンジョンの構造がどちらも絶妙。
「着実に攻略していく手応え」がしっかり味わえる。
細い演出やテキストもいい味出してたぞ。
データを引き継げる体験版が配信中なので、まずはそこからオススメしたい!
3人パーティを作ってダンジョンに潜る構成で、
キャラは8つの職業や見た目を自由に選んで作成できる。
種族もヒューマンからゴブリン、ドワーフ、ダークエルフなど色々。
職業以外の性能差は無しで名前も自由に付けられる。
パーティを組んだら調査隊のチーフとダンジョンへ出発!
ダンジョンは複数あり、ゲームが進行すると行ける場所が増えてくる。
チーフはあちこちで進行に関するアドバイスをくれるぞ。
離れたところで視線を向けると手を振ってくれるのがかわいい。
オーソドックスな3DダンジョンRPGで、
仕掛けを解いたりボスを倒したりしながら最下層を目指す。
マップがジオラマみたいになってるの面白い #両手いっぱいに芋の花を #PonPonGames #PLAYISM #NintendoSwitch pic.twitter.com/aRJOps2LuP
— ゲームブロガー双葉ラー油 (@daikai6) March 11, 2022
マップがジオラマみたいな作りでグリグリ動かせるのは凝ってるところ。
高低差が分かりやすい!
マップに自分でマークを置ける機能もあるため、
仕掛けや強敵の場所を記録するのに使える。
敵はすべてシンボルエンカウントで、戦闘前にレベルと種類も表示される。
側面や背面からぶつかると有利な状況で戦闘開始だ。
場所と敵の種類は固定で、ダンジョンから出ると復活する。
戦闘はターン制で、敵の行動や命中率がすべて可視化されている。
「あの敵が、あの攻撃で、この味方を狙っている(命中率は〇〇)」
ってのが全部分かるってわけね。
命中率が100%超えてる表示になっているが、
これは「命中率を70%下げる」などの技が色々あるためだ。
戦闘中も右スティックでカメラワークをグリグリ動かせるのが珍しい。
バランスはなかなかシビアで、ザコ敵も強敵揃い。
通常攻撃をガード無しで受けたりすると、戦士系のキャラでも大ダメージを受ける。
確実にガードしていきたいが、すべての行動にはスタミナが必要。
何も考えずに行動すると、ガードしたい時にガード出来ない……なんてことになる。
スタミナは「構えなおし」というコマンドを使うと全回復。
魔法などの「技能」は精神力が必要でこちらは拠点に戻らないと回復できない。
スタミナと精神力は敵にもあるので、戦力を踏まえた読み合いになる。
例えば敵が「構えなおし」でスタミナを回復してくる時に、
こっちも「構えなおし」で回復して安定を取るか、
それともチャンスとばかりにぶん殴るか、「技能」を使うか悩む所。
キャラ毎に異なる「技能」はレベルアップで貰えるポイントを使って覚える形式。
1つの技能を伸ばすか、色々な技能を覚えるかはプレイヤー次第。
装備の種類も多く、追加効果があるもの、ステータスに補正が掛かるもの、
特定の「技能」を強化するものなど様々だ。
戦闘中にチーフに通信でアドバイスを聞くことも可能。
敵の特徴や、技毎の細かい解説までしてくれるのでめっちゃ助かる!
チーフは直接戦闘には参加しないものの、
一緒に冒険してる4人目のメンバーだと思える仕様だ。
アドバイスもいちいち面白いから全部見たくなる。
下手な悪魔より強い白クマおっかねぇぜ!
これは悪魔が弱いのか白クマが強すぎるのか……。
こういうプレイヤーを応援してくれるアツいアドバイスも好き。
毎回が総力戦になるバランスで、
ザコでも役割分担をしたパーティでしっかり攻めてくるし、
ボス戦は更に強く、HPが減る度に行動パターンが変化する。
毎回「どうすりゃ勝てるんだこれ!?」と悩まされることになるが、
パーティの装備と技能を点検しながら試行錯誤するとしっかり突破口が見つかる。
敵の耐性を確認して弱点武器で攻めてみるとか、
バフとデバフを駆使した高火力でぶん殴るとか。
敵の数が多くてボコられるんだったら、
まずは遠距離攻撃でサポート役から潰すとか。
「5ターンの間、敵味方共に近距離攻撃ダメージを80%カットする」
なんて技能も使いどころがあったりする。
システムは単純ながら戦略の幅が広く、
試行錯誤しながら1戦1戦勝ち抜いていくのが本当に楽しいゲーム。
精神力だけは拠点に戻らないと回復しないけど、
戦闘が終わる度に体力は全回復するし、逃げるコマンドで絶対に逃げられる。
様子見で何度も戦ったり、立て直しがしやすい作りだ。
敵とレベル差があるほど経験値が沢山入る仕様で、
同じ場所である程度経験値を稼ぐとレベルが上がらなくなる。
ゴリ押しは出来ないが、逆に言うとレベルの低いキャラを簡単に強く出来る。
拠点で新しいキャラを作成すると当然レベル1なんだけど、
前線でちょっとザコと戦えば経験値999とか入って一瞬で強くなるぞ。
パーティの組み直しがしやすいのだ。
ダンジョンに細かいショートカットが多いのも特徴で、
強めのザコ敵を2回くらい倒すとショートカット解禁されて、
以降はその敵をスルー出来る……って地形が非常に多い。
1戦1戦は手強いが、頑張れば勝てるし一息付けるバランス。
ダンジョンの謎解きも意地悪な物は無く、ワクワクする仕掛けが多いし、
上手く利用すれば敵を奇襲できる仕掛けもあるのが気持ち良い。
ダンジョン内で出会うNPCたちも個性的だし、
会話イベントで調査隊を取り巻く状況や、
ダンジョン付近の風土を掘り下げる見せ方も良かった。
キーアイテムのフレーバーテキストもいいねぇ……!
気になったのは「技能」に割り振ったポイントをリセットし辛いところかな。
お金を払うことでリセットできるんだけど分かり辛い場所にあるし
かなり高額だしで、もうちょっと使いやすいと嬉しかった。
クリアまでは20時間掛からないくらいかな。
アイテム集めなどをやり込めばそれ以上だし、
違うパーティで最初からやり直しても面白い作り。
やればやるほど、内容の練り込みっぷりに感心することになるダンジョンRPGだ。
ボス戦で攻撃パターンが変化するとBGMが切り替わるとか、
背景描写とか、節々の演出にもセンスが感じられて良かった。
開発に時間を掛けただけのことはあり、お値段以上の完成度で満足!
オススメです!