『Days Gone』のレビュー行くぜ!
メーカー:株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント
機種:PS4
ジャンル:オープンワールドサバイバルアクション
発売日:2019/04/26
価格(税抜):6900円
備考:CERO Z指定
パンデミック後の広大な世界をバイクで駆け巡るオープンワールドゲームだ。
ゾンビや野盗と戦いながら登場人物たちの物語を追いかける内容。
オンライン要素は一切ない1人用の構成だ。
ゾンビが雪崩のように押し寄せるPVを見てから気になっていたので、
購入してクリアまで遊んだぞ。
面白かったのは確かなんだけど、
本作ならではの個性が薄くてちょっと物足りなくもあったね。
人間が次々に正気を失い「感染者(フリーカー)」と化すパンデミックが発生し、
人間社会が崩壊してから2年後の世界が舞台。
パンデミックの混乱で妻を失っている主人公のディーコン・セントジョンが、
相棒のブーザーと共にフリーカーが闊歩する世界を生き抜いていくストーリーだ。
月並みな感想だけどリアルな世界を舞台にした
PS4の大手メーカーの大作ゲームってグラフィック綺麗だわ……!
移動は乗り物であるバイクを使うことになり、
修理や給油もしっかりこなしていかないといけないぞ。
生存者が集まるキャンプが複数あり、そこで武器やバイクの強化が可能となっている。
キャンプに関連したサブクエストをこなすことで信頼度が上がり、
より強力な武器を買えるようになったりするのだ。
各キャンプのリーダーは世紀末陰謀論ラジオを垂れ流すおっさんとか、
強制労働を科すババァとかちょっとアレな人が多い。
でもこの過酷な世界で生き抜くには、
ちょっとおかしくないとやっていけないんだよ……!
フリーカー以外にも凶暴な野盗や、
全身に宗教的シンボルを刻み込んだカルト集団リッパーなどが闊歩しており、
ゾンビだけでなくイカれた人間たちとの戦いも待っている。
リッパー、傷がリアルで見てるだけで痛い!
戦闘はアサルトライフルなどのメインウェポン、ハンドガンなどのサブウェポン、
ボウガンやスナイパーライフルなどの特殊ウェポン、
バットなどの格闘武器を使いわけて行う。
後ろから気づかれずに攻撃すればステルスキルとなり、
喉笛を掻っ切って一撃で殺せるので狙っていきたい!
また、フォーカスショットを発動させれば僅かな間だが時間がゆっくりになるので、
ヘッドショットを狙いやすくなる。
他にも回復アイテムの包帯や緊急キット、
投擲アイテムである火炎瓶やフラググレネード、
音でゾンビを引き寄せられるアトラクターなどがある。
アトラクターでゾンビをおびき寄せて一気に爆破するなど、様々な戦略が取れるぞ。
これから毎日ゾンビを燃やそうぜ!
ミッションクリアなどでクラフトマニュアルを手に入れれば、
そこら辺に落ちている素材を使って様々なアイテムを作れるようになっていく。
包帯も火炎瓶もこれでどんどん作れるぞ。
バカが考えた最強武器みたいなのも作れるし実際強い。
武器選択メニューやアイテム作成メニューを開いている間は
時間がゆっくりになるので、
乱戦の中でも落ち着いて切り替えや作成が出来るのがありがたいぜ。
敵の持っている重火器も倒した後に奪えるし、
角材やバットもそこら辺に落ちているので、
弾切れになったり格闘武器が壊れたりしたら交換していこう。
野盗相手の戦闘がはじまると
「全員殺してやる……ろくでもねぇ人殺しどもだ」
とかカミーユみたいなセリフを喋りだす主人公のディーコンはかなり強く、
走れば追いかけてくるゾンビから普通に逃げられるし、
複数人相手の近接戦闘でも楽勝。
敵を倒したりミッションクリアで経験値を貯めればレベルアップして
更なるスキルもゲット。
スキルを手に入れていけば武器攻撃のダメージが強くなるし、
弾が敵を貫通するようにもなる。
フォーカスショットの有効時間や、
緊急回避とダッシュに必要なスタミナの上限もどんどん伸びていく。
わずかな時間だが、サーモグラフィーのような画面で
建物越しに敵の姿を確認できるようにもなるぞ。
さすがパンデミックを生き抜いた男だけあって全方面で強い。
普通にクマと戦うことになるが、緊急回避を上手く使えば割と簡単に倒せる!
耐久力がヤバいマッチョゾンビもいるが、
こちらもスナイパーライフルでヘッドショットをぶち込めば楽勝だ。
火炎瓶で動きを止めるのも良いぞ!
序盤は主人公もバイクも弱いので苦戦するが、
成長させるとメキメキ強くなっていくので爽快感に振った手触り。
フォーカスショットを使いこなせるようになってからが本番だと思う。
そこら辺に止まっているパトカーから必ず武器の弾が手に入るし、
ガソリンがたっぷり入ったポリタンクが割とよく落ちているし、
廃墟になったガソリンスタンドで普通に給油できるしで
燃料や素材に関してもかなり優しい世界。
燃料が足りないとファストトラベル出来なかったりするんだが、
簡単に手に入るからあんまり困らなかった。
拾ったポリタンクはバイクの給油に使った後に、銃で撃って爆破にも使えるぞ。
限られた資源はしっかり再利用しないとな!
群れを成して行動するフリーカーも存在し、
気づかれると全員が全力ダッシュで雪崩のようにこちらに向かってくる圧倒的恐怖!
さすがに捕まったら一撃死なので逃げた方が良いが、
後半のメインミッションではこいつらと戦うことになる。
気づかれていない時に上手く爆弾で先制攻撃をかましたり、
そこら中に爆発物が設置されている入り組んだ地形に追い込み、
逃げつつ爆発で吹っ飛ばしたり、罠を仕掛けたり、
完全に振り切ってこちらを見失った後に再度攻撃をして数を減らしたりと、
地形をフルに活用した立ち回りが必要になってかなり楽しいぜ。
相手が群れでも、普通のダッシュで普通に振り切れることに気づくまで
めっちゃ死にまくったけどな……。
雄大な大自然をバイクで駆け巡り、
野党やフリーカー退治を続ける様々な出会いや謎を追っていくゲーム。
ゾンビの巣や野盗の拠点を壊滅させて、探索範囲を広げる寄り道要素もたっぷりだ。
フォトモードも搭載されているのも嬉しい。
深度に角度やコントラスト、主人公の表情などかなり細かい調整が可能だぜ。
そんな内容だが肝心のゾンビ要素が薄く、
遮蔽物に隠れながら銃を持った人間と撃ち合うバトルが圧倒的に多いし、
全体的にどっかで見た要素ばかりでこのゲームならではの特徴に乏しい。
ウリになっているバイクも、細かくカスタマイズ出来るわけじゃなく、
単に性能の良いパーツに入れ替えていくだけだからね。
クリアするだけでも40時間以上はかかるボリュームなんだが、
メインミッションもサブミッションも
似たようなイベントばかりなのでクリア目指すだけでも割とダレてくる。
せっかくリーダーの違うキャンプが色々あるのに、
どこも同じような人探し、賞金首退治、
おつかいのためにバイクで走り回るものばかりで、特色が薄く感じたなあ。
途中で挟まるステルスミッションも面倒さの方が強かった。
まともに戦えるようになるのが後半に差し掛かってからなものの、
大量のゾンビとの戦いは結構面白く、
『デッドライジング』辺りとは似てるようで全然違う手触りだったので、
そこをもっと全面に押し出したゲームが見たかったかな。
ストーリーもゾンビが闊歩する世界で軍が暗躍していたりと、
色々とコテコテなのは良いんだけど、
「生き残ってる人たちはゾンビに感染しないの?」
って部分がまるっとスルーされていたり、
思わせぶりだった要素がほったらかしで進んだり、
重要人物との交流が薄かったりと全体的に大雑把。
ゾンビ映画のお約束な展開も意外なほど少なく、
キャンプにゾンビの群れが押し寄せてくるとか、
仲間がゾンビに感染した?!みたいな展開もまったく無い。
ストーリー面でも人間同士のサバイバルバトルがメインだなあ。
主人公は無駄に喧嘩っ早く、
目先の正義感で責任の取れないことに首を突っ込んで逆に人を不幸にしたり、
頻繁に挟まる妻とイチャつく回想シーンが無駄に長かったりで
遊んでいて印象良くないな!
とはいえ、だからこそ相棒であるブーザーとの友情や、
節々の盛り上がりなどでグッと来たし、
中盤からはかなり怒涛の展開でそこは楽しめたかな。
主人公に渋々協力してくれるオブライアンも良いキャラでお気に入りだ。
良くも悪くも「普通に面白い」を地で行く内容だった。
序盤はちょっとかったるいが、遊びやすいゲームではあるし、
各種システムを活用した戦闘はしっかり爽快感がある。
のんびり遊べるオープンワールドゲームが遊びたければまずまずかな。