『ブラスターマスターゼロ2』のレビュー行くぜ!
メーカー:インティ・クリエイツ
機種:Switch
ジャンル:サイドビュー+トップビュー混成探索アクション
発売日:2019/03/21
価格(税込):980円
サンソフトの名作ファミコンソフト『超惑星戦記メタファイト』をアレンジした新作。
『ブラスターマスターゼロ』の続編だ。
戦車とは思えない機動性を誇る万能戦車G-ソフィアを駆り、
惑星を探索していくアクションゲームである。
リメイクに近かった前作とは違い、今回は完全に新規の内容となっているぞ。
Switch/3DS「ブラスターマスターゼロ」レビュー!血液沸騰!万能戦車で地球を救え!男のロマン溢れるレトロ風探索アクション! - 絶対SIMPLE主義
前作は新作のアクションゲームとして面白く、ツボを押さえた燃え展開も満載。
なかなか楽しめたので本作も期待していたんだが、
まさに正統続編で期待を裏切らない内容になっていたぞ。
ストーリーはヒロインのイヴが
前作での戦いの影響で体をミュータントに浸蝕されてしまい、
見た目がDLsiteで売ってるCG集みたいな感じになった上に命もヤバい。
地球では治療方法が見つからなかったため、
主人公のジェイソンはイヴを治療する方法を求めて、
彼女の生まれ故郷である惑星ソフィアを目指し、星の海へと旅立つのだった!
という内容になっているぞ。
前作の真エンドは何の後腐れもない完璧なハッピーエンドだったのに……。
おのれインティ・クリエイツ!
基本はサイドビューのアクションゲーム。
操作することになる万能戦車G-ソフィアは
ジャンプしたりバーニアで飛んだりと機動性バツグン。
探索して新しいパーツを手に入れることで、
新しい攻撃方法や移動方法がどんどん増えていく作りだ。
メインウェポンとサブウェポンは今回も多彩。
特にはG-ソフィアから降り、
ジェイソン単独で狭い場所を通らなければならない箇所も。
武装が貧弱な上に、この状態で高い状態から落ちると即死で、
にも拘らずハシゴに飛びついて進まないといけない場所があったりもする。
前作そのままの厳しさだぜ。
ジェイソンはイヴの治療方法を探すのに精いっぱいで、
体を鍛える暇が無かったんだろうな……。
ジェイソンでマップのあちこちに点在する洞窟に入ると、
見下ろし視点のアクションに切り替わる。
この状態ならばジェイソンでも様々な攻撃が可能になっているぞ。
スイッチを切り替えたり、ヒビの入った壁を破壊しながら進んでいくのだ。
前作同様、戦車のサイドビュー画面と人間のトップビューの画面を
行ったり来たりしながらあちこち探索していくゲームになっているが、
地球の地下が舞台だった前作と違い、
今作は全体マップから様々な惑星を巡る構成になった。
このため、ステージに惑星ごとの個性が出てバラエティ豊かになったし、
割と冗長な個所もあった前作よりギミックがギュッと凝縮されていて良い。
探索でマップを見つけると、小惑星という名のミニステージが出現し、
そこをクリアするとアイテムが手に入る要素もある。
前作に比べるとステージクリア型のアクションゲームに近い手触りになったが、
ゲームとしてはよりバランス良く面白くなったな。
次の行く場所は指示されるし、
メニュー画面からイブと会話することで逐一ヒントも貰えるので、
探索の難易度は今回も低めね。
G-ソフィアのサブウェポンも扱いやすいホーミングミサイルや、
炎の体当たりで邪魔なものをぶち抜くバーンスパーク。
ドリル攻撃でブロックを破壊出来て、
空中からライダーキックのような軌道で攻撃も可能なスパイラルバニッシュ。
自分の周りに衝撃波を展開して敵弾を消しながら攻撃する、
どこぞのショベルの騎士を思わせるインパクトウェーブなどなど。
使っていて楽しい武装揃い。敵や地形に合わせて使い分けて攻略するのだ。
サブウェポンには時間経過やアイテム取得で溜まるSPが必要だったが、
新システムの「ガイアシステム」でここの感覚が一変。
「高いところから地面に落下すると、衝撃をエネルギーに変換してSPが溜まる」
というシステムになっているので、
バンバンジャンプしながら、バンバンサブウェポンをぶっ放せるようになったぞ。
ボス戦では激しい攻撃を避けながら大ジャンプを狙い、
SPを回復しながらサブウェポンを撃ちまくるのが熱い!
本作も「これぞボス!」という貫禄があるデカくて迫力あるボス揃いなのが最高だぜ。
ジェイソンも「ブラストカウンター」という新技を習得。
敵が攻撃する瞬間にボタンを押すことで、強力なカウンター攻撃を叩き込める。
近接攻撃、射撃攻撃、弾の反射と進めていくと種類も増えていく。
こちらも爽快感マシマシ。
ジェイソンは8種類の武器を使い分けられるので取れる戦術は幅広い。
前作はウェーブが強すぎてほぼこれだけで良かったが、
今回は武装が変更され、
吹っ飛ばしが出来る攻撃を上手く活用することでボスに大ダメージを与えられるなど、
武装をしっかり使い分けた方が良い場所が増えているね。
今回のストーリーでは主人公以外にも、
万能戦車を操るパイロットと、それをサポートするサポートロイドが続々と登場。
主人公と同等の力を持った新キャラが色々でてくるとか、いかにも続編だぜ!
新キャラはみんな個性的で会話が楽しいし、世界観の幅が広がった。
序盤に出会うことになる「権兵衛」は、
『超惑星戦記メタファイト』と同じサンソフト作品の「いっき」オマージュのキャラ。
いる惑星も和風で、完全にいっきなステージや演出が満載。
そのまんまじゃねーか!?SFと一揆が交錯している……!
しかし「いっきなのに2人しかいない!」という、
よくネタにされる原作の設定を踏まえつつ、
主人公が協力する必然性と燃え展開を盛り込んでくる作りには唸った。
ネタにされている要素をただネタにするのではなく、
キャラクターとしてしっかり昇華させる。真摯なオマージュですよこいつは!
前作もジェイソンが『いっき』のTシャツ着てたしインティの熱い『いっき』推し。
他にも初見のインパクトが凄すぎる植物キャラのカンナとか、
みんないいキャラしてる。
女性陣が浸蝕ヒロイン、田舎訛りの着物娘、巨乳植物ガール、メカクレ幼女で、
これはもはや星を越えて性癖を巡る旅になってる気がする……。
前作は真エンドを見る条件が結構面倒だったが、
本作はそこら辺も緩和されていて、
会話で分かりやすいヒントが出るありがたい作りだぜ。
そんなわけで全体的には良い意味で続編らしい内容にはなっているんだが、
後半に差し掛かる辺りから即死で難易度を上げてくる地形が爆増。
触ると即死する壁を
「なんかここちょっと色合いが地味だから即死壁置いておきますね……」
みたいな感覚で設置するから本当につらい!
死んでも直前のチェックポイントから何度でもやり直せるんだが、
チェックポイントが遠い場所もあるのでそこで死ぬと大変。
落下で一撃死の状態で探索しなきゃいけない箇所も前作よりも増えているため、
とにかく落ちて死にまくる!
それでいてボス戦は全体的にゆるめのバランスになっているので、
死亡原因の8割が落下と即死壁で、その他が2割くらいの割合だ。
これはかなりストレス溜まったなあ。
新キャラの数が多い分、それぞれがやや掘り下げ不足に感じられるのも惜しいところ。
特に、マスクを装着したコテコテのライバルキャラであるライプニッツくん。
「超惑星戦鬼」という肩書は、本作のライバルキャラとして
100点満点で2億点くらいのセンスだったものの、やや言動が追いついてなかったかな。
やっぱそこら辺はDLCか何かでやるつもりなんですかね?!
前作でヒロインとして100点満点だったイヴは今回も100点満点!
即死で難易度を上げる点が目立ったのは不満だったが、
全体的には続編としてしっかりパワーアップしていて面白かったぜ。
キレッキレの演出で王道燃え展開を連続でぶち込んでくるノリはやはりたまらん。
通常難易度でクリアするだけなら10時間掛からないくらいだが、満足度は高かった。
というか、これで980円は安すぎる……!前作に続いてオススメです!