Nintendo Switch｜ダウンロード購入｜MONKEY BARRELS
『MONKEY BARRELS（モンキーバレルズ）』のレビュー行くぜ！
メーカー：グッドフィール
機種：Switch
ジャンル：アクションシューティング
発売日：2019/11/7
価格（税込）：1500円
文明が崩壊した後の世界を舞台に、
サルとカニ率いる家電ロボット軍団が死闘を繰り広げるアクションシューティングだ。
元『がんばれゴエモン』スタッフが設立したメーカーであり、
近年では『ヨッシークラフトワールド』『毛糸のカービィ』などがお馴染みの、
グッドフィールによる自社パブリッシング第一弾！
これは絶対面白いやつだろう！と挑んだが期待を裏切らない内容だったぜ。
世界的家電メーカー「カニダエレクトロ」のCEOである、
蟹田越前が発動した「家電兵器化計画」により、
世界中に普及していた家電が一斉に人類に牙を向いた！
そして人類は滅亡した！
滅亡後の世界では動物たちが楽しく暮らしており、
主人公のマサルとハナコをはじめするサルたちも平和に過ごしていたが、
ある日親友であるコテツがカニダエレクトロにさらわれてしまう。
コテツを奪還するために、
燃える二丁拳銃を手にしたマサルとハナコの戦いが始まるのだった。
というストーリーになっていて色々と濃い！
世紀末サルカニ合戦である。
内容は2つのメインウェポンと2つのサブウェポンを使い分けて戦う
アクションシューティング。
右スティックで狙いを付けてガンガン敵を撃っていくのだ。
とにかく敵を倒しながら進んで最深部のボスを倒せばクリア！
という分かりやすい構成になっている。
敵や障害物を破壊すると手に入るジャンクで新しい武器を開発可能。
通常ステージには3つの設計図が隠されており、
それを見つけることで開発出来る武器が増えていく。
また、ステージには子ザルの「さるぼぼ」も隠されているぞ。
ちょっと脇道に入ったり、怪しい箱をぶっ壊すくらいで大体集まるので、
探索の難易度はかなり低め。探索ではなく敵を撃ちまくるのがメインのゲームだ！
武器はゴリラの芝山さんが取り仕切っている芝山商店で購入。
人類が残した物を武器に改造しているという設定なので、
紅茶のペットボトルを改造したアサルトライフルである「アサルティー」だの、
マヨネーズのボトルを改造したレーザー銃である「ソースレーザーマヨ」だの。
ゆるいネーミング揃いだ。
武器は性能違いのバリエーションが沢山あるんだが、
コーヒー缶を改造した「カフェガン」のバリエーションは、
名前がそれぞれ「加糖」「微糖」「無糖」だったりでいいセンス。
俺のお気に入りはオイル缶を改造した「アブランチャー灯油/軽油/重油」。
というか、ゴミを改造してこれだけの武器に仕上げる芝山さん脅威の技術力である。
とにかくアクションゲームとしての手触りの良さが素晴らしくて、
小気味良い効果音と共に大量に敵を撃ちまくるのが爽快だし、
壁や柱といった地形を上手く活用しながら、
弾幕を張ってくる敵や突進してくる敵を捌いていく構成も遊んでいて楽しい。
一定時間無敵の緊急回避の判定かなり強力なので避けまくれるし、
攻撃やダメージで溜まるゲージがMAXになると発動でき、
発動時に周囲にダメージ&一定時間弾切れ無しで撃ち放題のワイルドモードは
一発逆転を狙える。
メインウェポンも通常のハンドガンからショットガン、
切れ目なく攻撃出来るレーザーから、貫通力のあるスナイパーライフル。
スキはデカいが爆発力もデカいロケットランチャーに、
豪快な火炎放射器、敵を追尾するミサイルなどなど。
サブウェポンも設置型の爆弾や投擲型の爆弾、敵を引き付ける吸引メカ。
敵の進行を防げるバリケードや、自動で敵を攻撃するセントリーガンなど様々。
メインウェポンとサブウェポンをそれぞれ2つずつ持っていけるので、
自分に合った組み合わせを模索していけるのだ。
一直線に突進してくる敵を設置型の爆弾で吹き飛ばしたり、
逃げ回りながらミサイルで着実にダメージを与えたり。
リロードの時間がバカ長い武器を温存して、ここぞという場面でぶっ放したり。
武器に合わせた立ち回りをしっかり活かせる作りで、
苦戦したステージも武器の見直しをしっかりやれば活路が開ける。
メインウェポンは弾切れになっても自動でリロード（手動リロードも可能）されるが、
サブウェポンはステージ内で手に入る弾薬を拾わないと補充不可能だ。
ここも武器選びのポイントになってくる。
全22ステージで東京五反田から始まり、西へ西へと進軍していく構成。
地域に合わせたステージ毎の個性もしっかりつけてあるので、
次はどんなステージかな？という楽しみがあるね。
ステージによっては砲台を使って敵をバリバリ撃つ場面があったり、
戦車やバイクに乗って戦ったりも！
世紀末のサルカニ合戦は硝煙とオイルの匂いがキツいぜ！
ドット風の3Dグラフィックも実に書き込まれていて、
背景の看板一つ一つをじっくり見ていきたくなるし、
敵である家電ロボット軍団はどいつもこいつもいい動きをする。
モニターが付いてる敵は攻撃の時に表示が変わっていたりね。
メニュー画面に散りばめてあるステッカーのデザインとか、
細かいところでもセンスが光りまくってるゲームだわ。
ノリノリのBGMもイカしてる！
ボスも改造デコトラだったり温泉だったり、見た目的にも楽しいヤツら揃い。
戦っていくとダメージで見た目や攻撃パターンがしっかり変化していくし、
アクションゲームらしいワクワク感が詰まっているぜ。そうそうこれぞボス戦よ！
難易度選択は無く、成長要素も無いからガチの腕前勝負なゲーム。
公式インタビューでも難易度は高いと言っていたが、
実際は適度に用意されたチェックポイントから何度でも再開出来るし、
ボス前に必ずチェックポイントがあるからパターンを見切りやすい。
何度再開してもペナルティは一切無く、
やられても手に入れたジャンクは無くならないから、
新しい武器の開発に希望を繋げるし、
この手のゲームでよくある「クリア評価」の概念も無い。
何度も何度もやられているとライフを＋3してリトライも可能。
変に気を張らずに遊びやすい仕様になっているので、
確かに敵は強いものの、アクションゲームに慣れていれば、
そこまで「難しい！」とはならず程良いバランスかな。
まあ、終盤のボスはマジで強敵揃いでかなり苦戦させられたけどね！
気になったのは後半になってくると堅い敵が増えてくる点と、
戦車を使うステージがやや多い点かな。
2×2の武器を活用するのが面白いゲームなので、
武装固定の戦車ステージはもっと少なくても良かったと思う。
戦車は使わなきゃいいんだが使わないと敵が堅くて時間かかるのよね。
ラスボスは攻撃パターンがややバラマキ系の弾幕に頼り過ぎな気がしたが、
その一個前のボスは攻撃パターンと武器の組み合わせ、
緊急回避ですり抜けられる箇所を考えたギリギリの攻防が非常に熱かったので、
そっちはかなり気に入ってるぜ。
最大6人でプレイできるオンライン対戦があり、
そちらは制限時間内にバナナを沢山集めたサルが勝ちという奪い合いルール。
名前に使える単語に「がんばれ」があるのがグッと来るポイント。
緊急回避が強いゲームなので対戦はそれを連発していれば……と思いきや、
緊急回避を1回すると、バナナを1個落としてしまうという仕様が導入されている！
とっさの使いどころを考えさせられるし、
当然、武器の組み合わせも本編とは違うものが求められる。
なかなか面白そうではあるんだけど、
人がいなくて全然プレイ出来ないのが悲しいぜ……！
プレイ時間は全ステージで設計図とさるぼぼをコンプして7時間くらいかな。
武器の種類が多いので、一度クリアしたステージを
違う武器でやり直して楽しんだりすればそれ以上だ。
後半のステージ構成でやや気になるところはあったものの、
スタッフロールを眺めている頃には
「いいゲームだった！」という満足感で胸がいっぱいになっていた。
アクションゲームを分かっている人間が、
アクションゲーム好きな人に向けて作った素晴らしい完全新作だったぜ。
丁寧な作り込みが遊んでいて伝わってくるこの1本。
是非とも手に取ってもらいたい！
