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手軽で果てしない!36歳おっさんゲーム開発者が挑む一筆書きRPG!『勇者ヤマダくん』レビュー!【Switch】

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Nintendo Switch|ダウンロード購入|勇者ヤマダくん

 

『勇者ヤマダくん』のレビュー行くぜ!

 


メーカー:オニオンゲームス

機種:Switch

ジャンル:ロールプレイング

発売日:2019/06/27

価格(税込):2800円


 

現在は配信が終了している

スマホの『勇者ヤマダくん』をSwitch向けに作り直した作品だ。

大手ゲーム会社に勤めているが現在は出社拒否中のヤマダくん(36歳)が、

自分の妄想を元にしたゲームの中で大暴れするRPG。

 

1プレイが短くサクッと遊べて、それでいてネタ要素とやり込み要素が満載。

元ラブデリックらしい珍妙なノリのキャラクターや

異常に耳に残るBGMも含めて楽しい内容だったぜ。

 

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会社をさぼってインディーゲーム作りをするヤマダくんが、

近所に住む18歳のマリアちゃんに一目ぼれ。真実の愛をゲットするために、

出社拒否にキレて自宅に押し掛けてくる会社の人間と戦いつつ、

恋とゲーム開発の両方を頑張るというストーリーだ。どんなストーリーだよ!

 

作るゲームは自分が主役でマリアちゃんがお姫様。

敵は王道ファンタジーのモンスターに、

会社の人間をモデルにした悪のボスキャラたち。

ゲーム開発を進めていくとマリアちゃんとの恋も育っていくし、

それ以外にも現実に様々な影響が出ていく。

 

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現実の自宅がメニュー画面で、

ヤマダくんが作ったゲームをテストプレイする場面がRPGパートとなっているぞ。

RPGパートでダンジョンをクリアするとヤマダくんの開発経験値が溜まり、

レベルアップするとヤマダくんが新ダンジョンや新システムを実装。

そしてその新しく実装されたダンジョンに挑んでストーリーが進むという構成だ。

 

ダンジョンに入る度にレベルがリセットされて1に戻るが、

装備してる武器や防具やアイテムは変わらないし持ち込みも自由なので、

いかに強い装備とアイテムを集めて育てるかがキモだね。

 

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こちらがどう見ても『ドルアーガの塔』なRPGパート。

操作は簡単で、一筆書きの要領でヤマダくんのいるスタート地点とゴールを繋ぐ。

 

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するとヤマダくんが指示した通りに歩いていき、ゴールに辿り着けば次のフロアへ。

途中でモンスターとぶつかればバトル、アイテムがあれば回収するというシステムだ。

戦闘はオートの殴り合いで行われるが、

アイテムは好きなタイミングで使うことが出来るので、

どれを持ち込むか、どのタイミングで使うかの判断が重要になってくる。

 

 

また、パーフェクトに一筆書きをしなくても次のフロアに進めるが、

何もない床をスルーするとスルーした数だけダメージを受けるし、

モンスターをスルーし過ぎるとレベルアップしなくなって

後半苦戦するようになっているぞ。パーフェクトクリアでボーナスもある。

 

一筆書きを始めてからモタモタしていると時間切れになってダメージを受け続けるが、

カーソルを動かさなければ時間は経過しないため、じっくり考えてから書き始めよう。

 

次々とフロアをクリアしていき、最深部にいるボスを倒せばダンジョンクリアだ。

 

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状態異常や遠距離攻撃など、ダンジョンによって敵の特性はまったく変わってくるし、

様々なトラップが待ち受けている。

宝箱を取るために危険な場所を通るか、あえてスルーするか……。

アイテムもとりあえずこれが無ければ始まらない回復ポーションから、

フロア全体のモンスターにダメージを与えられる強力なもの、

壁をすべて破壊して通常では取れない宝箱を取れるようにするものまで多彩。

 

アイテムは使うと一定ターン経過するまで再使用が出来ないし、

使う度に耐久度が減って0になると壊れてしまう。悩みどころだ。

 

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装備アイテムも物凄い数があって、特定の敵に大ダメージを与えるものや、

2マス貫通攻撃出来るものなどこちらも色々。

素材を集めることで鍛えたり、上位武器に進化させることも出来るぞ。

変態みたいな装備がクソ強かったりするので、

勇者としてのプライドはいつでも投げ捨てられる準備をしておこう。

 

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武器と防具を特定の組み合わせで装備すると「珍コレ」が成立し、

ステータスにボーナスが付いたり特殊なスキルが使えるようになったりする。

「珍コレ」は同じ名前の装備で良いものもあれば、

一見関係なさそうな組み合わせで成立することもある。

見つけたものは図鑑に記録されるので目指せ珍コンプリ!

 

珍コレ成立した時に流れる「珍コレ~!」ってボイスの種類がやたら多く、

レア度によって勢いが変わってくるので「チンチンうるせぇゲームだな!」ってなる。

 

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モンスターの配置と地形を考慮してどのルートを進むか見極めるパズル的な面白さと、

装備とアイテムの組み合わせの試行錯誤と育成というRPG的な面白さの両方があり、

まさに一筆書きパズル×RPGなゲームシステム!

 

ダンジョン攻略のための装備とアイテムを吟味したり、

何度も同じダンジョンに潜って新しいアイテムを狙ったり、

素材アイテムを集めて装備を地道に強くしたり。

1プレイは短いがやることは多いため、

一度始めると繰り返し遊んじゃう時間泥棒な作りだぜ。

 

ダンジョンで手に入っていないアイテムは事前に確認できたり、

武器の進化に必要な素材アイテムはどこで手に入るか確認できたり、

一度手に入れたアイテムの一部はショップで買えるようになったりと、

色々と親切な作りなのもありがたい。

 

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ストーリーはあらすじだけだとかなり世知辛そうなんだが……。

ヤマダくんが超能天気なアホの上に、

普通にハイスペックなせいもあって全然重くないな!

 

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誰かに悪口を言われたらその怒りを即座にゲームにぶつけて、

不眠不休で制作作業して一瞬で新システムや新ダンジョンを実装するし……。

 

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突然、ナージャ・ジベリが元ネタと思われる

インドの天才プログラマーアジャがやってきて、

やっぱり一瞬で新システムを実装したりと、

本人もすごいし知り合いにもすげぇ奴らがいるのだ。

さすが腐っても大企業勤務だなヤマダくん……!

「俺のこの怒りはゲーム制作にぶつけよう」を全力で出来る男。

 

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かなりギリギリの表現だと思われるボスキャラ。

 

まともなキャラがほとんどいないイカれっぷりで、

ギャグシーンでのドットの動きもやたらキレッキレ。

くだらないギャグばかりなんだけど会話デモは見ていて楽しいぜ。

モロにあれなタイトルロゴから察せるがパロネタも満載で、

妙に細かいレトロゲームネタがあると笑っちゃう。

 

BGMのクオリティも高く、普通にチップチューンとして聞ける良曲が多いし、

やたらボーカル曲が充実しているのも特徴。

CMソングっぽいものから演歌まで、

どれもイントロからキャッチーな曲揃いなので嫌でも耳に残るぜ。

 

あまりにもそれっぽいママゾンの通販ソングや、

レアモンスターであるファラオ君を発見した時に流れる、

聞くだけでテンション上がる曲がお気にいり。

サントラが欲しくなってくるなあと思っていたらもう2016年に出てたわ!

 

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クリアするだけでも10時間以上は掛かるし、

本編ストーリーと関係ないスペシャルダンジョンも沢山ある。

レア素材が必要な上級装備などのアイテム収集や、

高難易度ダンジョンである黄金のピラミッドへの挑戦など。

やり込もうと思えば果てしないボリュームになっているぞ。

ほんとに1プレイが短いから何週もしちゃうのよね……。

 

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ただ、装備アイテムが非常に多いのも善し悪しで、

初見プレイだとどの装備を使ったらいいのか分からないのがちょっとつらい。

 

ちょっと進む度に新しい装備がどんどん登場するんだが、

手に入れてもお金と素材アイテムである程度育てないと実戦で使えないし、

レア度が高いから育ててみたけど意外と弱かった……というのも珍しくない。

中盤から難易度が結構上がってくるため、最適な装備の組み合わせが見つかるまで、

先の見えない稼ぎプレイをすることになりがち。

 

ここら辺はスマホでずっとサービスを続けていた作品が元なせいかな。

大量の装備から強いものを探すのもゲームの面白さではあるんだけど、

なかなか進めなくなってきたらある程度攻略情報入れた方が良いかも。

 

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2800円という価格帯はSwitchダウンロードソフトの中でもかなり高額だが、

やってみるとなかなか楽しめた1本だったぜ。

夏頃の大型アップデートで、

続編かつボリュームが更にある『勇者ヤマダくん2』が実装される予定らしいので、

そちらも含めた価格と見るべきかな。アプデ来たらセールもしそうね。

 

手軽かつガッツリやり込めるアホなRPG。興味があれば是非!