Nintendo Switch|ダウンロード購入|スチームワールドクエスト
『スチームワールドクエスト』のレビュー行くぜ!
メーカー:フライハイワークス
機種:Switch
ジャンル:カードバトルRPG
発売日:2019/06/27
価格(税込):2500円
大ヒット作品『スチームワールドディグ』や
『スチームワールドハイスト』などに続くシリーズ作品だ。
定期的にジャンルを変えてくるが今回はカードを使ったRPGで世界観もファンタジー。
過去作には一歩譲るものの、今回も面白い内容になっていたぜ!
父親が子供におとぎ話を読み聞かせるシーンがオープニングという、
ファンタジー作品としてめっちゃ王道な導入だ。
シリーズとの直接的な関連は、
ここで『スチームワールドハイスト』のキャラが出るくらいかな?
深読み出来そうなところはあったが……。
舞台は邪悪な心臓より生まれたベヒーモスを真の英雄が倒してから時が立ち、
名ばかりの英雄が世に溢れ堕落した時代。
ヒーローを狙い、村を襲撃して火を放った謎の軍勢を追いかけるため、
3人の若者が旅出つというストーリーだ。
ファンタジーだが登場キャラ達はみんな蒸気で動くメカ。
パーティメンバーはハンドブック片手に英雄を目指す八百屋の天然娘、
魔法学院を自主退学した天才魔法使い、引きこもり、
仮面で素顔を隠した元英雄などなど。
一癖も二癖もあるはみ出し者たちが団結して悪に立ち向かう展開である。
難易度は3段階から選択可能で、ゲーム中はいつでも切り替えられる。
マップを歩き回って宝箱などを回収したり、
スイッチを切り替えたりしながら進んでいく作り。
基本的に最奥に辿り着くか、ボスを倒すかでシナリオクリアだ。
そこら辺をうろついているザコ敵にぶつかると戦闘開始。
戦闘は3人パーティで行う。
配られた6枚のカードの中から3枚を選んで行動する形式だ。
カードは1ターンに2枚まで交換可能。
カードは、単純な攻撃カードとなるストライク、
ステータスアップなどの効果があるアップグレード、
そして発動にSPが必要だが強力な効果があるスキルの3種類。
SPはストライクとアップグレードを使うことで溜まっていくので、
基本は効果の小さいストライクとアップグレードとSPを稼いで、
ここぞというタイミングでスキルを使ってぶん殴るゲームかな。
使う3枚のカードすべてを同じキャラのカードにすると、
チェインとなって追加効果が発動するシステムもあるし、
キャラが状態異常で動けなかったりするとそのカードも使えなくなる。
パーティの状況を踏まえてどのカードを使うかがポイントだ。
カードはメニュー画面で編集可能。1人必ず8枚入れないといけないぞ。
3人パーティなので系24枚。
カードは宝箱やショップ、戦闘などでどんどん手に入り、
単純な攻撃カードから、攻撃に属性を付与するカードや、敵の属性耐性を下げるカード
特定の属性ダメージを吸収やカウンターするカードなどなど種類は様々。
スキルカードもSPゲージが沢山溜まっていれば溜まっているほど、
効果が大きくなるカードが多いので全体のバランスを考える必要があるぞ。
強いからってスキルカードばかり入れるとデッキが回らなくなる。
味方のステータスを底上げしてスキルカードで大ダメージを与えてもよし、
敵の耐性を突きまくるのもよし、状態異常で攻めてもよし。
こちらの想定した通りにバトルが進んだ時や
ボロボロの状態から上手く立て直して逆転出来た時は気持ち良いぜ。
SPが高いほど攻撃回数が上がるスキルで鬼のような連続攻撃を叩き込んだり、
属性付きの連続攻撃をしてくる敵相手に、属性吸収バリアを貼って逆に回復したり、
色々な戦術が取れるのが良し。
後半は属性無効化や状態異常、カウンター系を使ういやらしい敵が増えてくるのは
好き嫌い分かれそうだが、味方と敵の状態、耐性はいつでも確認できるし、
強敵に合わせてデッキを組み替えて試行錯誤していくのは楽しかった。
大型のボス戦も派手だし、行動にきっちり個性が感じられる凝った作りね。
レベルアップや装備アイテム、素材を集めてのカード作成など、
カードゲームというよりRPG寄りの手触りになっているが、面白いシステムだ。
複雑なカードゲームは苦手という人でも遊びやすいと思う。
ただ、マナバリアなどの防御系スキルがあまりにも便利すぎる上に、
後半の敵の火力がそれを前提にしてるっぽいのは気になったところかなー。
1回の戦闘もやや長めだ。
グラフィックはめっちゃ描きこまれているし、登場キャラもみんな良い味だしてる。
主人公のアーミリーはハンドブックからの名言を引用し、
何かある度に自分でナレーションをしたりとノリノリなのがかわいい。
性別が女だったのはビックリしたけども!お前…女だったのか……。
仲間キャラではかつての英雄の1人で素顔を隠して戦うオリックが一番好きかな。
やたら捕まってる導入のギャグっぷりも、後半のセリフも気に入ってるし、
戦闘中にお面を付け替えることで能力値が変化する仕様も面白いぜ。
顔が鳥かごになっているカナリア隊長など敵キャラも強烈。
敵キャラもちょっと色違いが多かったりはするが、
グリグリとよく動いてボス戦などは迫力あるぜ。
ファンタジーなんだけどキャラは蒸気で動くメカで、
いきなりゴルフ場が出てきたり緊張感が無かったりと、どこかゆるいノリ。
それでも締めるところはしっかりと引き締めてシリアスにやってくれるし、
綺麗なエンディングはクリアして満足度高かったぜ。
フライハイワークスだけあってローカライズも安定してる。
シナリオが進むごとに表示される一枚絵も雰囲気満点。
気になるところを挙げるならクリアまで14時間掛からないくらいで、
カードもポンポン手に入るのでカードを収集する楽しさは薄め。
クリア後のやり込みは高難易度でクリアしたシナリオをやり直すか、
ちょっとした変則戦闘に挑む闘技場くらいなので、
ガッツリやり込む人はやや物足りないかも。
各シナリオで宝箱の収集率を100%にするやり込み要素もあるんだが、
「宝箱がめっちゃ見辛い場所にある!」だけの作りなので楽しくはないな!
『スチームワールドハイスト』や
『スチームワールドディグ2』に比べてしまうとややインパクトは薄いが、
カードゲーム風のRPGとしてしっかり楽しめる1本だ。
カードを引いて、君も目指せヒーロー!