ONE PUNCH MAN A HERO NOBODY KNOWS
俺が好きなヒーローは「サイタマ」「キング」「戦慄のタツマキ」
「シルバーファング」「ぷりぷりプリズナー」です!
トロコンしたのでゲーム版ワンパンマンのレビュー行くぜ!
俺がプレイしたのはPS4版ね。
メーカー :バンダイナムコエンターテイメント
機種:PS4/Xbox One
ジャンル:対戦アクション
発売日:2020/02/27
価格(税込):7600円
webマンガとして発表されて大人気となり、
村田雄介が漫画を担当したリメイク版で更に人気沸騰。
海外でのヒットに加えてアニメ化も果たしたヒーローマンガ。
『ワンパンマン』初のゲーム化だ。
アニメ1期までのエピソードをベースにした3vs3の対戦アクションで、
オリジナルヒーローを作成してプレイするストーリーモードがメインとなっているぞ。
開発はスパイク・チュンソフト。
原作はweb版からのファンなので即買い!
事前情報だとプレイアブルキャラが多く、1人用モードも充実してそうに見えて、
「やはり海外で人気のある作品は予算かけられるんだなー」と思っていたが、
実際やってみるとチープさが凄く目立つし、ゲームバランスも破天荒が過ぎたぜ……!
ただ、見所は多いので原作ファンなら楽しめる箇所はあるし、
なんだかんだ遊んでいて楽しいゲームではあったな。
プレイアブルキャラは26名+α。
サイタマやジェノスといったメインキャラや無免ライダーなどの人気キャラはもちろん、
A級ヒーローのスティンガーやバネヒゲ、スネックに、
タンクトップマスター、タイガー、ブラックホールの3人まで参戦している。
怪人はモスキート娘、深海王やボロスらに加えて、
1話でワンパンされたものの、地球由来だし実はめっちゃ強い説のあるワクチンマンに、
アゴの割れたガキに油性マジックで乳首を描かれたザコ怪人カニランテまでいる!
アニメ1期で活躍したキャラにほぼ網羅しているぜ。
やはりキャラゲーはキャラ数が命!これだけでかなりポイント高い。
ちなみにキングさんはプレイアブルキャラではなく、ステージギミックとしての参戦だ。
まあ、S級ヒーロー最強とも言われているキングさんが普通に参戦したら、
さすがにチート過ぎるからな!
この他に有料DLCとしてスイリューに、
シルエットだが恐らくイナズマックス、ガロウ、番犬マンの参戦が決定している。
イナズマックスはアニメで「くぁwせdrftgyふじこlp」を
叫び声として使うという無茶振りに声優が見事に応え、
武術大会で見せ場もあっただけに参戦は嬉しいね。
3Dのフィールドを走り回りながら戦う対戦アクション!
弱攻撃と強攻撃、それらの溜め攻撃や、ガード、ステップ、
ゲージを溜めてL2ボタンと〇、△、□の同時押しで発動できる必殺技、
ゲージ6本使ってパワーアップするモードチェンジとそこからの超必殺技。
控えのヒーローとの交代などを使っての攻防だ。
対戦アクションとして見るとシステムや操作は単純なので取っつきやすいし、
しっかりと再現された個性豊かな各ヒーローのアクションや、
必殺技を差し込むタイミングの読み合いで楽しませてくれる。
相手の攻撃に合わせてタイミングよくガード出来ればジャストガードとなり、
素早く相手の後ろに回り込んで反撃出来る。
これ自体はよくあるシステムだが、「地面に足が付いていれば」、
連続コンボで殴られている最中でもジャスガで返せるのは珍しい仕様だ。
おかげで地上でのコンボは長く繋げるほど返されるリスクが高まるぜ。
グラフィックは2020年の新作キャラゲーとしてはやや物足りないところがあり、
表情の変化の乏しさやモーションのカクっとした動きなどは大分気になったが、
派手で見ていて楽しい必殺技の数々、モードチェンジや超必殺技の演出などはイイ感じ。
アトミック侍のアトミック斬や、アマイマスクのキレッキレな超必殺技は特にカッコいいぜ。
ぷりぷりプリズナーはモードチェンジでちゃんと全裸になる!
もちろん超必殺技は「ダーク☆エンジェル☆ラッシュ」だ!
オン対戦で全裸対決になった時のアツさは、
このゲームでしか味わえないものだった……!
本作で出色の要素が主人公である「サイタマ」の扱い。
『ワンパンマン』という作品は主人公であるサイタマがあまりに強すぎて、
どんなにヤバい相手でもワンパンで終わってしまう!というのが作品の核になっている。
これをゲームに落とし込むのは難しいし、
中途半端な仕様にしたらキャラゲーとして台無しになってしまう。
そこで3vs3であることを活かし「サイタマは3人目にしか設定できない」
「サイタマは最強だが到着まで時間が掛かる」「到着まで2人で戦わないといけない」
という仕様になっているぞ。真の主役は遅れてやってくるのだ!
サイタマが到着すれば無敵!
殴られても怯まないしダメージも受けず、攻撃が一発でもヒットすれば即勝利!
どんな相手でもワンパンで終わってしまう完璧な原作再現だ。
ちなみに時間切れになった場合でもサイタマの勝利となる。
「サイタマ早く来てくれーーーー!」という原作のあの感じを見事再現しているね。
コンボやジャスガを決めると到着時間が短縮されるから、
上手く戦えば早く来てくれるし、コンボが稼げる技を狙いたくなるのが面白い。
ただ、それを考慮してもサイタマが来るまでの時間はかなり長いので、
普通にサイタマ抜きで3人で戦った方が良い場合もあり、
システム的には、うまくバランス取れてるかな。
そして、それとは別に「夢の中のサイタマ」というバージョンも存在。
こちらは「初めてマジで苦戦する相手に出会えて、胸が高鳴ったと思ったら夢だった」
という、原作の地底王のエピソードを元にしたキャラ。
最初からメンバーにいてワンパンで終わらない普通のキャラとして使えるぞ。
これはよく考えたなぁ……。
到着まで時間が掛かる最強のサイタマと、夢だから普通に戦えるサイタマ。
原作再現としてはキャラゲーの歴史に残るレベルのアイデアだと思う。
通常サイタマと夢サイタマでセリフが同じなのは大分残念だったが!
そして!最後のプレイアブルキャラはプレイヤー自身!
メインとなるストーリーモードはキャラエディットで自分だけのヒーローを作り、
C級ヒーローからのし上がっていく内容になっているぜ。
これは適当に作ったら出来た斉木楠雄。
表情、髪型、体格、ボイスなどをカラー含めて自由に設定可能だ。
まあ、パーツの種類はそこまで多くないし、
小柄のキャラを作ってもやたら肩幅が広くなるんだが……!
街やヒーロー協会で様々なミッションを受けていき、
功績を一定以上貯めれば上級ヒーローに昇格できる構成だ。
原作キャラと交流するサブミッションをクリアすればそのキャラの技を覚えたり出来るし、
ショップでエディットに使えるパーツやスキルを買うことも出来る。
オンラインに繋いでいると他のプレイヤーもそこら辺でワラワラしてるのが楽しいぜ。
原作に雑なヒーローが多すぎるから、
何作っても割とそれっぽく見えるのは強いところだな……。
なんならジャージ着て適当な武器持っただけでもC級ヒーロー感は出る。
俺はC級ヒーローの「寝起き鉄パイプ」だ!怪人ども掛かってこい!
ほとんどの原作キャラとイベントがあり、
サイタマに弟子入りしようとしてジェノスに邪魔されたり、
フブキ組に無理矢理入れられて仕事に参加したり
(ちゃんとスーツを着用しないとイベントが進まない)、
金属バットと一緒に喧嘩に参加したリ、スティンガーのヒーロー活動に協力したりと盛り沢山。
特に良かったのは無免ライダーのイベントで、
二つ先の市に怪人が出現したので自転車で向かう無免ライダーと、
それを追いかけようとする主人公。
最初は「間に合うわけない!」ってやる気無かったけど
感化されて付き合ってくれるモブC級ヒーローって流れで、
結論が「タクシー呼んで裏道を使って急ぐ」なのも含めて原作っぽいノリで好きだね。
イベントをこなして好感度を上げていくとヒーローが俺に家にやってくる!
貴方はB級81位で人を煽るのが得意なタンクトップブラックホールさん!
C級6位で同じく自分の立場を良くすることばかり考えてる
タンクトップタイガーさんじゃないですか!
すげぇ!S級17位のヒーローで、
犯罪者の男子は襲ってもOKという理論で刑務所内に愛の巣を築き
怪人が出て来た時は脱獄して戦闘に加わるぷりぷりプリズナーまで俺の家に!
みんな帰ってくれないかな!!!!
元々の原作の世界設定が
ヒーロー協会にザコから怪物まで数百人のヒーローが在籍していて、
怪人がそこら辺で自然発生していて常に危機と、極めてキャラゲーに向いてることもあり、
遊んでいてすごくしっくりくるぜ。
原作キャラはステータスで差が付けてあるので、
一緒に戦うイベントなどでS級ヒーローの強さが実感できるところが素晴らしい。
「ザコ怪人が瞬殺!さすがS級ヒーロー!」
「無免ライダー弱い……!弱いけど頑張れ……!」ってなる。
主人公が原作で強敵だった怪人と戦うバトルだと勝利条件が
「体力を90%以下に削れ」とかになっているのもうまいところ。
キャラメイクのバリエーションが狭く、使える技も少なく弱いC級ヒーローの序盤から、
経験値を稼いでステータスを強化し、技も覚えて少しづつのし上がっていく流れは、
「ワンパンマンの世界でヒーロー活動している」って思えるぜ。うまくハマってる。
……ただ、ストーリーモードもゲームバランスも欠点が非常に多い。
ストーリーモードは合間の会話は結構楽しいものの、
原作キャラのパーツをツギハギにしたような、
オリジナルのザコ敵と延々戦うミッションが何十個も続くのでかなり単調だ。
このワクチンマンのコンパチみたいな怪人が延々と出てくる!
それ以外も馬の被りものしただけの奴とか、
一目見ただけで流用してる原作キャラのパーツが分かる雑な敵ばかり。
全部1から作れとは言わないがもうちょっと自然には出来なかったのか……。
また、中盤を過ぎると複数の強力な敵を1人で相手にするような
不利なミッションが多くなってくる。
大ダメージを喰らうこともあるステージギミックや、突然出現するパワーアップアイテム、
ランダムで応援のヒーローが駆け付けるヒーローアライバルなど。
運要素の強いシステムも組み込まれてるので強敵相手だとなかなか安定しない。
結局、強い必殺技を覚えてそれを連発するだけのプレイになりがちだ。
メインストーリーも原作のワンシーンに強引に主人公を突っ込んだ展開が多く、
終盤になるにつれてどんどん薄味になっていくし、
アニメの画像を使ったダイジェストが増えていく。
原作再現としてもキャラの表情が堅かったり演出がショボかったり、
流れがぶつ切りだったりで微妙かなぁ。
まあ、関節のパニック関連のシーンは表情も含めて妙に気合が入っていたが……!
他にも、かなり遊んでも結局キャラクリエイトの幅がそんなに広くないとか、
街で話しかけたいキャラが表示されるまでに読み込みで少し待たされるとか
当たり判定の都合なのかタツマキと童帝が変にデカいとか気になる点は多い。
原作キャラとの個別ミッションがあまり多くなく、
すぐに好感度が最大になってしまうのも物足りないところではあるが、
キャラ数が多いせいもあるからここは許容できるかなぁ……。
原作ファンとして楽しめる要素が多いのは確かなんだけど全体的にチープで、
原作とゲームの相性の良さに救われているところが大きい。
オン対戦ではステータス差やステージギミックなどを排した
3vs3のガチ対戦が可能になっているが、これがきつい!
お手軽に強い必殺技の組み合わせやハメ技が溢れているめちゃくちゃ大味。
バネヒゲの使う「踏無暴威(トムボウイ)」が異常な性能で、
射程の長さと判定がめちゃくちゃ強い上に一撃で体力の4割以上を持っていく!
村田版だと昆布インフィニティとガロウに完敗した技なのに……!
「踏無暴威(トムボウイ)」はまだタイミングが読みやすいだけかわいいもので、
深海王の小パン連打のハメ技とか、
避けるのが困難なワクチンマンの2段レーザー、メタルナイトの弾幕などなど。
使われるだけでうんざりする戦法が溢れてる。
めちゃくちゃ格ゲー上手い人同士とか、
知り合い同士でハメ技を前提に遊ぶのなら面白いかもしれないが、
野良でプレイするとなると俺レベルではお手上げだ。
同じ腕前の人と当たって読み合いになると結構楽しいんだが、
オン人口が少なくて3月14日現在だと同じ人とばかり当たるし、
ほぼ修羅しか残ってないのでマッチングした瞬間に抹殺される……。
オンラインイベントやったりオンライン前提のUIにしてたりするのに、
オンライン部屋を作れなかったり、観戦機能が無い仕様なのも中途半端ね。
トロコンにはオン要素も無く結構簡単だが、
S級ヒーローになるためのレベル上げは少し面倒かな。
俺のオススメは「強大凶悪な敵を迎え撃て2」を、
「踏無暴威(トムボウイ)」で周回することです。2~3時間もやれば終わるぜ。
「かなり低予算感あるな!」という内容で欠点は多いんだが、
原作のノリをゲームに落とし込もうと頑張っているのは伝わってきた。
特にサイタマの仕様と、
1作目でプレイアブルキャラ26人以上揃えたところは高く評価したい。
オススメするほどではないものの、チープさを笑って楽しめる原作ファンなら悪くはない。
評価するなら、まさに「B級ヒーロー」って内容だったぜ!