Nintendo Switch|ダウンロード購入|ブリガンダイン ルーナジア戦記
『ブリガンダイン ルーナジア戦記』のレビュー行くぜ!
メーカー:ハピネット
機種:Switch
ジャンル:シミュレーションRPG
発売日:2020/06/25
価格(税込):7200円
1998年に発売された国取りシミュレーションゲーム。
『ブリガンダイン』の実に20年ぶりとなる新作だ。
当時放送されたCMが、魚屋のおっさんがブリとタイを突き出して
「ブリガンダイン!」と連呼する謎の内容で、それだけ覚えてる人も結構いる。
本作のプロデューサーはゲーム業界に入った時から
『ブリガンダイン』の新作をずっと出したいと思っていて、
地道に実績を積み上げて今回ついに実現となった。
開発を担当したマトリクスのスタッフも過去作のファンだったそうで、
打ち合わせで向こうから攻略本を持ってきたとか。
システムは過去作がベースになっているが世界観などは完全に新規。
俺は今回が初プレイだが、
自分だけの部隊を編制するシミュレーションRPGとして面白かったぜ!
舞台となっているルーナジア大陸は、
ルーンの神から得たマナの力を使い、人間が様々な能力を手にしている大陸。
様々な民族、国家が入り乱れ、6つの勢力がそれぞれの領地を治めている。
そのうち5つの勢力は5つのマナ・ストーンを組み込んだ特別な鎧
「ブリガンダイン」をシンボルとして掲げているという設定だ。
「ブリガンダイン」はそれぞれに“
正義” “高潔” “自由” “誇り” “自我”と名前が付けられていて、
その勢力の思想を象徴する存在となっている。
メインとなるのは6つの勢力から1つを選び、大陸統一を目指すメインモード。
難易度はイージー、ノーマル、ハードの3つだ。
一度クリアすると自由に選んだ10名のキャラで大陸制覇を目指す
チャレンジモードも解禁される。ゲーム進行に特別な条件が付くので難易度は高いぞ。
丁寧に操作方法を教えてくれるチュートリアルモードもある。
6つの勢力は若き王子が君主のいかにも主人公な国から、
女だけのシノビ族、海賊たちによる連合国家まで様々。
グスタファ神聖帝国は唯一ブリガンダインを持っていない国となっている。
『ブリガンダイン』って名前のゲームなのに!かなり真の主人公ある。
編成した部隊をを派遣し、
他の拠点をどんどん攻め落として大陸統一を目指すゲームだ。
国の経済を管理したり、他の国と同盟を結んだりといった要素はなく、
ひたすらバトルしまくるのがメインの構成。
拠点同士もラインで結ばれた進行ルートが決まっているため、
敵の拠点から部隊がやってきそうな場所を最小限の戦力でカバーして、
精鋭チームで敵の領地を横断しまくるようなプレイになるかな。
戦争ではなくユニットをクエストに送る事で、
装備アイテムや新しいキャラを仲間にしたり、訓練所で経験値を稼ぐことも可能だ。
2軍ユニットはこれで活用していく。
部隊は人間キャラである騎士をリーダーにし、
設定された統魔コスト内でモンスターを入れて編成する。
拠点ごとに異なる新しいモンスターを召喚出来るし、
コスト内ならどんなモンスターでも入れられるから色々出来る。
バランスを取ってもいいし、近接攻撃特化、魔法攻撃特化、サポート特化にしても良しだ。
メインとなる戦闘は最大で3vs3ユニットで行う。
ヘックス式のマップで行うターン制の王道バトルだ。
リーダーである騎士がやられるとその部隊は撤退になるので、
こちらの騎士を守りつつ相手の騎士を潰すのがセオリー。
敵を囲むほどに有利になる包囲効果や地形、騎士やモンスター毎の特性を生かして、
相手の陣形を切り崩していくのが楽しい作り。
高速タイプのユニットで敵リーダーを集中攻撃したり、
敵味方関係なく範囲内にダメージや回復が出来るユニットを活用するために、
一手先を読んだ動かし方をしたりね。
敵のヒーラーやアーチャーを囲んでボコボコに出来ると爽快!
戦闘開始時にオートセーブされて手動のセーブ&ロードも可能。
倍速、攻撃モーションカット、オート操作なども押さえているので、
サクサク遊べるようになっているぜ。
マップの視認性が悪いのが難だが、
ZLボタンを押すと敵の色を変えられるのでだいぶ分かりやすくなるぜ。
経験値が溜まればレベルアップするし、
一定レベルや特定アイテムを手に入れるなどの条件を満たせば
クラスチェンジが可能。
ステータスもスキルもググッと強力になるからやりがいある。
ただし、騎士はやられても死なないがモンスターはやられたら消滅!
どんだけレベル上げても死んだらそれまでだ。
一応、特定のアイテムを使うことで復活は出来るがかなりのレアアイテム。
そんなわけでプレイヤーはセーブ&ロードを繰り返すことになるわけだな。
戦闘はオーソドックスなシミュレーションRPGとして楽しく、
ひたすら戦うゲームなので終盤のバトル&育成展開もしっくり来たんだが、
展開されるストーリーもなかなか面白い。
会話デモ自体は少なめで終盤の展開も少し唐突感はあるものの、
陣営毎の立ち位置を活かした、それぞれの想いと信念がぶつかり合う物語だ。
ちょっとした脇役までキャラが立っているし、立ち絵も声優の演技もバッチリ。
思わぬ組み合わせで戦闘時に会話イベントが発生することもあるのが楽しい。
シノビ族はドスケベ衣装着た女だけの一族で、
森に潜んでシノビ魔術を使いこなすという、
実にイロモノ感の強い設定なんだが、この絵柄のおかげで品があるな……!
ブリガンダインを持たないグスタファ神聖帝国は
設定からして重いストーリーかな……と思ったが、
「血のつながりを大事にする」ということで、
割と親戚同士のアットホームな会話が多くてほっこりさせられた。
この悪の女幹部みたいな恰好してる妹が、割とツッコミ役だったり会話が笑える。
中盤で仲間になるあのキャラもお気に入り。
一枚絵の質と数の多さも圧巻。
バチバチに決まったイラストが進むたびにめちゃくちゃ出てきて、
イベントデモではこれをふんだんに活かした演出をしてくるので贅沢!
一度見えたイベントも一枚絵も音楽も、
「史書の追憶」でいつでも振り返られるのが嬉しい仕様。
100人以上いるキャラのプロフィールも一つ一つ確認できる。
意外な設定が載ったりするから、ある程度遊んでから見ると面白いぜ。
そんなゲームで基本的には良く出来てるんだが、
サクサク遊べる反面CPUが弱く、難易度を上げても、
やられたらおしまいの騎士を頻繁に前に出してくるのが気になった。
また、国取りシミュレーションとしてシンプルな分、
どの陣営でも割と似たような展開になるので、繰り返しプレイすると大変。
モンスターやアイテム管理のUIが使いにくいのも難点だ。
1周クリアだけなら10~15時間といったところ。
各難易度、陣営クリアやチャレンジモードなどのやり込みに手を出せば無限大。
とにかく遊びやすさに振った作りで部隊の育成をしながら黙々と遊んでしまうし、
モブのモンスターの名前を自由に変更したり、
お気に入りのキャラを最強にする楽しみ方も出来る。
「賢いCPU相手の緊張感ある戦い」を求めてる人には向かないと思うが、
シンプルなターン制シミュレーションRPGとしてはなかなか面白い1本だったぜ!