『A Short Hike』のレビュー行くぜ!
メーカー: adamgryu/ Whippoorwill
機種:Switch/PC
ジャンル:アドベンチャー
発売日:2020/9/24(Switch)2019/7/30(Steam)
価格(税込):850円(Switch)/820円(Steam)
自然に囲まれた小さな島、
「ホークピーク州立公園」を舞台にしたアドベンチャーゲームだ。
主人公は都会からやってきた鳥の少女クレア。
携帯を使うために、電波が入りそうなホークピークの山頂を目指す!
道中で出会う様々な動物たちとサブイベントを楽しむ内容だ。
クリアまでは短いが雰囲気と操作周りの仕様がとにかく良い。
濃密で満足な1本だったぜ……!
見下ろし視点のアドベンチャーゲーム。
頂上という最終目的はあるが、どういうルートで目指すかは自由だ。
クレアは鳥なので高所から滑空が可能。
風を切りながら、狭いようで意外と広いホークピーク州立公園を探索する。
連続ジャンプと壁登りというアクションもあり、
これは画面左下の金の羽のマークが多いほど長く行える。
「金の羽」はイベントをこなすともらえたり、どこかで拾ったりして入手できる。
これを集めて山頂を目指すのが基本の流れになっているぞ。
ゲーム中に手に入る羽を全部集める必要はなく、
ある程度揃った段階で山頂には行ける。
とはいえ、せっかくの大自然なんだから堪能したいところだ!
体力ゲージやゲームオーバーなどは一切無し。高所からそのまま落下しても平気。
大自然を気兼ねなく、好きなだけ飛び回れるようになっている。
探索をする、アイテムを見つける、行動の自由度が上がる、
行ける場所が増える、更に探索をしたくなる!
という流れがしっかり出来てるね。
羽が増えてくると連続ジャンプからの壁登りからの滑空で、
好き放題移動できるのが気持ち良いぜ。
羽が集まり切る終盤だと、
垂直の崖を腕だけでスイスイ登るマッチョ鳥少女が完成する。
あの都会っ子が立派になったな……!
もう本物の翼とは別に、筋肉の翼が背中に出来てそう!
ホークピーク州立公園には、
アイテム探しやミニゲーム、競争、買い物などイベントが満載。
どこか『どうぶつの森』を思わせるテイストで、会話のポポポ音が心地良い。
釣りだって出来ちゃう。新しい魚を釣って売ればお金に出来るぞ。
ミニゲームと言えば釣り!ってのはどの辺からの流れなのか毎回考えてしまうな。
大量にいる動物たちとの会話テキストがいちいち良い味出してる。
セリフの一つ一つは短く、起こるイベントの数々も届け物とか、
無くした物を探すとかちょっとしたものばかりなんだけど、
読んでいて「いいな」と思うような小粋なセリフ回しがいちいち楽しい。
クレアも結構いい性格してるぜ。
オプションでピクセルサイズも調整可能。
あえて荒くすると初代ニンテンドーDSっぽい画になるのが面白い。
クリアするだけなら1~2時間ほど。
感動的なストーリーがあるわけでもどんでん返しがあるわけでもなく、
システムが新しい!というわけではない。
しかし、ささやかだが納得感のあるシナリオに、
場所によって細かく切り替わるBGMや環境音、
簡略化することで奥行きを感じさせる遠景の表現、
単純ながら動かしてて気持ち良い飛行感などなど。
筋の通った物語運びと丁寧な作り込みの数々が、
この小さなハイキングを忘れられないものにしている。
マップが細かいところまで作り込まれているから、探索で発見が多いのもまた良い。
動かしてて気持ちいいから、滑空で橋の下を潜り抜けてたり、
水面すれすれを飛んでみたりと、色々やってみるだけで時間が過ぎていくぜ。
出来ることは多いんだけど「やらなきゃ!」って急かされることが無いのも良いね。
頂上まで行くことがゲームの目標だけど、
その後ものんびりと島を自由に回れるし、回りたくなる。
遊び終えた後に、良いゲームだったなぁ……と素直に思えるゲームでした。
オススメ!